2013年9月30日月曜日

ラジコン ヘリコプター Nano-Falcon




全日本で競技会にやってきた家族から、ラジコン ヘリコプターをプレゼントされました。
ナノ ファルコンという製品です。
世界で一番小さなラジコン ヘリコプターだそうですが、確かに小さいです。




全長6.5cm、かわいいです。
しかし飛行中の安定性はどの程度でしょう?



コントローラーが充電器になっています。
約30分の充電で5分の飛行ができます。



離陸準備完了です。
スキッドが引っかかってしまうため、
じゅうたんや畳からは上手く離陸はできないようです。



ジャイロセンサー搭載と書かれている通り、安定性はいいようですが、
窓を開けていると風で煽られてしまいます。
室内用とあるように、外で飛ばすことは難しそうです。




最初は墜落ばかりでしたが、慣れると部屋の中で8の字を描いたり、
上昇旋回、下降旋回など、いろいろなことができるようになりました。
ただ、着陸だけは難しく、とてもHPの写真にあるようなことはできません。





自転車に接近しましたが、無事に回避できました。
危ない危ない。



機首下部にサーチライトがついています。
格好いいです。



さらに上昇して、天井すれすれまで。




準備中の植木鉢の中に墜落しました。
何度も墜落していますが、全く壊れません。
とにかく頑丈です。



遊んでばかりで切りがないので、箱にしまいます。
また明日。

2013年9月14日土曜日

2013 Happiness is Delano



8月30日から9月1日まで、CA州Delanoで開催された「Happiness is Delano」に参加してきました。今年3回目の参加となる曲技飛行競技会です。他に参加した日本人競技者は、白鳥さんと、今回競技会初参加となる、「空が好き」さん(H.N.)です。3名でTeam Japanを結成することができました。さて、今回はTeam入賞なるでしょうか?



いつもの面々が揃いました。



Intermediate Categoryに参加の白鳥さん。
飛行前にシークエンスの最終確認です。



Primary Categoryに参加のYak 52。



競技飛行の2-3時間後には、採点されたA用紙と順位が発表されます。
左は初参加の「空が好き」さん(H.N.)。上達が早く驚かされます。



ここしばらくはSafety Pilotの役が多かったため、Judge Lineは久しぶりです。
来年はJudge Schoolを受講し直して、またJudgingも再開したいと思います。



最近はAir Showの飛行が多かったMelissaさん。
愛機Edge 540と共に久しぶりに競技会に参加です。



白鳥さんFreeの飛行へ。
がんばってください。




今年のDelanoは、湿度の高い、蒸し暑い競技会でした。
上空にも雲がたくさん見られました。



競技終了。BoxのMarkerの撤収です。


今回の競技会は、自分としてはとても大きな一歩を踏み出すことができました。曲技飛行競技の最上級である、Unlimited Categoryに初挑戦です。Unlimited Categoryの参加には、High Load Factorに耐えられる、単翼の高出力機が欠かせないと言われてきました。確かに、現在Unlimitedを飛行する競技機は、Extra、Edge 540、Sukhoi、どれもがそのような飛行機です。飛行中のLoad Factorは+/- 6~8Gは優に超え、Vne(超過禁止速度)は速く、すると垂直方向への余裕はさらに高い値は頻繁に見られます。限界値が+6G、-5G程度のPitts Specialでは到底叶わない世界です。

しかし、練習飛行を重ねて気付いたことは、競技飛行の判定基準に合致するように飛行を工夫すれば、Pitts S-2SでもFigureの飛行が可能だということでした。練習飛行中の最大Load Factorは、+5.5G/-4.0G。Vneにもまだ余裕があり、Snap Roll遂行時の速度も低く抑えられ、高度も安全範囲内です。まだ成功率の低いFigureもありますが、準備はできたと言えます。

1日目朝に行われたKnownは、精度は褒められたものではありませんでしたが、苦手だったRollに続くTailslideも成功し、順位は4人中2位になりました。他の競技者が方向を間違えて飛行したことも勝因です。

1日目午後のFreeは、昼休み後の1番目の飛行でしたが、飛行直前に昼食を全て平らげてしまったことが敗因でしょう。午後の眠い中の競技は緊張感が全くなく、3つのHZを取り、順位を4位に落としました。

翌朝のUnknownは、ほどよい緊張感と、十分な準備があって、0点は無く3位。しかし総合では3位のHowardさんに一歩及ばず、4位で終えました。


39th Annual Happiness is Delano
http://www.youtube.com/watch?v=HCDetxOF_Jc

競技会の様子を記録した映像です。0:50~1:13がKnown、43:03~43:43がFreeの飛行の様子です。RollerはRoll Rateが頻繁に変わり、Snap RollはOver Rotate。明らかに減点が多い飛行です。



夜10時。水平尾翼をテーブル代わりにUnknownの準備。
(Delanoではほぼ毎年キャンプです。)


当初、機体への負担を考慮して、Unlimitedの参加は1回限りの試験的なものと考えていましたが、現在のところ機体の負担は見られず、次回も再びUnlimitedに参加する考えでいます。Unlimitedの名前の通り、Aresti Catalogの中から制限なく、様々なFigureを飛行することはこの上なく楽しいものでした。今後、機体の性能以上のFigureが多く見られるようならAdvancedへ戻ることを考慮し、それまではしばらくこのCategoryを楽しんでみようと思います。



Knownの2位と、Unknownの3位のメダルです。
次回は総合でも3位に入りたいものです。



これまでで最高の競技会でした。
Pitts S-2S、思い出と新たな目標をありがとう。

2013年9月8日日曜日

ジャッジスクール 110 最終回

10. アベレージの使用




競技飛行中、ジャッジは競技機を見続けて判定を行いますが、時として飛行を見逃してしまうことがあります。競技機が雲に隠れてしまったり、太陽と重なってしまい、公正な判定が出来なくなることは珍しくありません。このように、競技飛行のわずか一部分でも見えなかったときは、憶測で判定を行わず、「アベレージ」(average)を用い、判定を他のジャッジたちに任せることにしましょう。また、シークエンスの進行が早く、判定が遅れてしまったり、競技者がシークエンスを誤って飛行し、混乱したときも同様です。


アベレージの判定があった場合の、集計時の取り扱いは以下のようになります。

1. 過半数のジャッジが0点と判定した場合は、アベレージは0点として採点されます。

2. 過半数のジャッジが0.5点以上の判定をした場合は、アベレージは平均値として扱われます。



最後に・・・

・ 判定基準と採点方法を尊重する。
・ 公正な判定を行う。
・ 常に一貫した判定を行う。
・ 競技者の行った修正操作が不明確なときは、競技者の利益として判定する。
・ 完璧なフィギュアには10点を与える。
・ 競技機種や競技者に対し難易度を変更しない。


ジャッジのあなたが見たものが全てです



以上で、Aerobatic ChannelのJudge Schoolを終わります。1ヶ月以上かかってしまいましたが、毎日多くの来訪があり、とても勇気付けられました。Blog上で全てを伝えることは難しいのですが、ここで得た知識を元に、競技者たちの飛行をご覧になっていただければ、競技観戦もまた楽しいものになるかと思います。

9月20日(金)から22日(日)までの3日間、福島市のふくしまスカイパークで行われる全日本曲技飛行競技会でぜひお会いしましょう。楽しみにしております。


2013年9月7日土曜日

ジャッジスクール 109

9. プレゼンテーション スコアの判定




曲技飛行競技は複数のフィギュアを連続して飛行することで行われますが、完成度の高いフィギュアを組み合わせたシークエンスが必ずしも素晴らしい飛行にはなりません。フィギュアを単体で見ると判定基準に則ったものであるにも関わらず、シークエンスの進行に計画性がなかったり、全体のバランスが偏っていることも多くあります。

プレゼンテーション スコアは、それぞれのフィギュアの正確性だけでは判定できない、シークエンス全体の完成度から判定します。例えば、訓練環境を共有し、また競技機を共同で使用している競技者は、どうしても飛行が似通ってしまい、得点差が付かないような状況ができてしまいます。プレゼンテーション スコアはこのような状況を回避し、競技者間で得点差を作り、順位を明確なものとします。

判定は、競技飛行の終了後に行い、0点から10点までの間で、0.5点刻みで採点します。採点方法に明確な基準はありませんが、フィギュアの採点と同様に10点からの減点方法や、加点と減点で競技者間で相対的な評価とするなどがあります。公正で公平な判定と採点が行えるように確立してください。



プレゼンテーション スコアの採点欄(赤丸内)



一般的に、以下のような指標を用いてプレゼンテーション スコアを判定します。

1. 競技飛行が一定のリズムで行われているか。

2. シークエンス全体がY軸を中心線として、バランスよく行われているか。

3. フィギュアの高度と場所が、ジャッジの判定に適切か。

4. ジャッジに対して飛行を表現しようとする努力が見られるか。

ジャッジスクール 108-3

競技者に対する失格措置




以下の行為は失格処分となる可能性があります。十分に注意しましょう。

1. 航空法規、競技規則、競技会の安全対策への違反。
2. スポーツマンシップに反する行為。
3. パイロットブリーフィング後の、許可のない練習飛行。
4. 空港周辺での違法行為、ボックス外での曲技飛行、危険行為、危険を及ぼす可能性のある行為、曲技飛行の品位を落とす行為。
5. 曲技飛行競技を安全に行えないと、チーフジャッジ及び過半数のジャッジから判断された競技者。

2013年9月6日金曜日

ジャッジスクール 108-2

ペナルティの適用

曲技飛行競技の得点集計は、フィギュアの判定だけでなく、数々のペナルティも加わって行われます。算出は、フィギュアの合計得点から、以下のペナルティを減点して、最終的な得点となります。


カテゴリー
プライマリー
スポーツマン
インター
ミディエイト
アドバンスド
アンリミテッド
バウンダリー
侵害
無し
5
10
20
30
インタラプション
5
5
15
50
90
低高度制限
侵害(LOW
0
プログラム
全体
1-200ft
0
プログラム
全体
1-200ft
60
フィギュア毎
1-200ft
120
フィギュア毎
1-328ft
150
フィギュア毎
1-164ft
低高度制限
侵害(LOW-LOW
0
プログラム
全体
200ft超)
0
プログラム
全体
200ft超)
0
プログラム
全体
200ft超)
0
プログラム
全体
328ft超)
0
プログラム
全体
164ft超)
高高度
制限侵害
5
5
10
25
30


1. バウンダリー侵害

競技飛行中、1,000m(3,280ft) X 1000mのボックスのバウンダリー(境界線)を超えると、バウンダリー侵害(Out of Box)のペナルティが与えられます。ペナルティの値はカテゴリーによって異なります。


2. インタラプション

インタラプションは競技飛行を中断したときに与えられます。競技中に高度が低くなってしまったり、フィギュアを誤ってしまったときなど、何らかの理由で競技を中断することが可能です。


3. 低高度制限侵害(LOW)

競技飛行では、安全のためにカテゴリーによって最低高度が設定されており、これを下回って飛行すると「LOW」としてペナルティが与えられます。上の表をご覧の通り、最低飛行高度はカテゴリーによって異なります。LOWの判定はジャッジの過半数を持って成立しますが、プライマリーとスポーツマンでは、LOWは該当する飛行がそのまま0点となりますので、注意してください。


4. 低高度制限侵害(LOW-LOW)

上の「LOW」の高度をさらに下回って飛行すると、「LOW-LOW」の判定が与えられます。どのカテゴリーでも、即座にその飛行が0点となります。


5. 高高度制限侵害

高度を保った飛行は安全性の観点からは望ましいものですが、競技飛行としては疑問が残ります。競技飛行を行う準備ができていない、飛行の速度と高度の総合的な管理ができていない、ジャッジに対して飛行を表現する能力に欠けるなど、不利なイメージを与えてしまいます。しかし実際の競技飛行では、このペナルティーを積極的に与えらることはないようで、ジャッジが競技機を視認できる範囲で飛行していればよいと考えられているようです。

初心者の飛行では、3,500ft AGLという上限を超え、4,000ft AGLに達してしまうことは珍しくありませんが、6,000ft AGLの高度ともなると、小さなPitts Specialでは目視すら難しくなります。ご注意ください。

2013年9月5日木曜日

ジャッジスクール 108-1

8. 0点やペナルティの適用




0点の判定

競技者が努力して飛行したフィギュアも、減点が嵩んで低い採点となったり、他の理由から0点となってしまうこともあります。以下に0点となる状況をいくつか記述します。


a. 減点の合計が0点となった。

b. ジャッジの持つB用紙またはC用紙に指定されたフィギュアの飛行が見られなかった。

c. ジャッジの持つB用紙またはC用紙に指定されていないフィギュアの飛行が見られた。

d. X軸に平行ではあるが、オフィシャル ウィンドに対し、誤った方向へ飛行した。

e. Y軸の飛行は方向性はありませんが、Y軸から開始してY軸で終了するフィギュアにおいて、Y軸の終了の飛行方向が、ジャッジに向かう飛行か、または離れる飛行かなど、B用紙またはC用紙に表記されたように飛行する必要があります。異なる飛行が見られた場合は0点が与えられます。下の図を参照ください。



ハンマーヘッド、1/4 ロール アップ、1/4 ロール ダウン

図のフィギュアは、Y軸から開始し、Y軸で終了するハンマーヘッドの上下のバーティカル ラインに、1/4 ロールがそれぞれ設けられていますが、1/4 ロールの方向によって、終了する方向が異なる状況が考えられます。この図のフィギュアの場合は、例えば競技者がジャッジに向かう方向にフィギュアを開始した場合、終了はジャッジから離れる方向に行われなければなりません。



e. Y軸から開始してY軸で終了し、かつX軸の飛行を内包するフィギュアでは、B用紙またはC用紙に表記されたように、X軸の部分をオフィシャル ウィンドに対してアップウィンド、またはダウン ウィンドへ飛行する必要があります。異なる飛行が見られた場合は0点が与えられます。(ただし、ファミリー2、ファミリー5、ファミリー6のフィギュアを除きます。)



Y軸で開始し、Y軸で終了するフィギュアの例

図の2つのフィギュアは、どちらもY軸から開始し、Y軸で終了、そして間にX軸に沿った飛行が含まれています。X軸には方向性がありますから、表記された通りの飛行がなくてはいけません。この図の場合、左のフィギュアの45 ダウン ラインはアップウィンドへ、右のフィギュアの45 ダウン ラインはダウンウィンドへ飛行します。



f. 競技ボックスに進入する以前に行われたフィギュアで、その全てが完全にボックス外であった。

 例: 競技ボックスに向かう途中、フィギュア1をボックスに進入する前に開始し、かつ進入することなく終了、続くフィギュア2の途中でボックスに進入した場合、フィギュア1はボックス未進入となり0点が与えられます。次のフィギュア2は得点が得られますが、ボックス外の飛行であるため、所定のペナルティが与えられます。ただし、プライマリー カテゴリーでは適用外です。

g. ジャッジ ラインの後方でフィギュアが開始された。

h. デッドライン(安全確保の理由から設けられた境界線)を機体の一部でも超えて飛行したフィギュア。

i. フィギュアの飛行中に機械的な問題が発生して中断したが、原因が競技者の責任であると陪審員によって判定された。

j. フリーの飛行を完了した後に、シークエンス作成の基準に合致していないと陪審員によって判定されたフィギュア。