2022年10月11日火曜日

2022 US National Aerobatic Championships 1

この1ヶ月ほど、US National Aerobatic Championships(全米曲技飛行選手権)に向け練習飛行を繰り返していました。私が過去に参加したUS Nationalsは、2016年のTX州シャーマンと2017年のWI州オシュコシュの2回。今回3回目の参加となるUS Nationalsは、KS州のサライナで10月2日(日)から7日(金)まで開かれます。

しかし、やはりUNL(アンリミテッド)カテゴリは厳しい世界です。どこまで練習しても挑戦は際限なく続き、常にオーバーロード状態です。だからこそ挑戦する意味がある。飛行機の性能はまだ十分。全米から集まるTop Pilots相手に勝利を考えるつもりはありません。私自身の性能で対応できる間は挑戦し続けていきたいと思います。



現地に向かう前に、日本からの友人Sonic (HN)さんと一緒にトレーニングキャンプを行う計画です。場所は南CAボレゴスプリングスのボレゴバレー飛行場(L08)。明日の出発に備えて整備します。



ENGオイルを交換します。往復と競技参加でENG時間は20時間くらいになる予定です。曲技飛行を主とすると、12-15時間毎にはENGオイルを交換したいところですが、移動時間がほとんどですから、20時間という長さでも大丈夫でしょう。



あかわらず、いつもきれいなスパークプラグです。一応掃除をしておきます。



9月25日(日)、1500。出発です。



気温は20℃、快適。


上空は快適ですが、9月下旬のCA州は異常なほどに高い気温になっています。トレーニングキャンプを予定している2日間のボレゴスプリングスの最高気温は42℃になる予報です。練習できるのはおそらく昼まででしょう。



KKIC(キングシティー)からL08(ボレゴバレー)まで、高度9,500ftでほぼ一直線で飛行します。


所々にTS(雷雲)があります。距離を取って飛行します。



March AFB上空。来年4月にここで開かれるAirshowに参加したいものです。



10 Gallonsの予備燃料を残してボレゴバレー飛行場に到着しました。この後Sonic (HN)さんも到着しました。久しぶりの再会です。明日からのトレーニングキャンプに備えて、今夜は前夜祭です。



翌朝0830。気温35℃、さらに上昇中。



Sonic (HN)さんは2回、私は1回飛行しました。



お互いに飛行を確認し合って、精度を高めていきます。

気温42℃。何度も言いますが、暑い・・・。



IAC Chapter 36の働き者、Suzuki Samurai。日本でのジムニーです。ここ米国では「Sam」という愛称で呼ばれるようです。SamuraiだからSam。なるほど。

・・・さて、撤収してビールにしましょう。お疲れさま。



トレーニングキャンプ2日目。きもちのよい朝です。



朝方に燃料補給に1、2機がやってくる他は、この季節にここで飛ぶ飛行機はほとんどありません。動物たちも木陰で休んでいます。活動しているのは我々2人と2機だけ。人間とはここまで愚かなのです。



お互い1回ずつ飛行して、時間は1100時。あと1回ずつ行けるでしょうか。


私もSonic (HN)さんも、トレーニングキャンプに参加する機会はほとんどありません。自主練習を繰り返しても成長には限りがあり、こうしてお互いに飛行を確認し合って、改めてその大切さを知りました。少ない外来機、マーカーが完備されたボックス。この恵まれた環境を生かして、定期的に練習をしていきたいものです。日本の曲技飛行愛好家の皆さま、ぜひご一緒ください。



Sonic (HN)さん、本日2回目の飛行に出発です。いってらっしゃい。



2日間という短いトレーニングキャンプでした。明日からは2日間かけて、US Nationalsの現地サライナへ向かいます。ここボレゴバレー飛行場からサライナは約1,010NM、約1,870㎞。1日半の旅路です。明日に備えて、今夜もまた前夜祭です。


2022年9月17日土曜日

大地の広さを知る

米国帰国の朝です。今日もよい天気です。

飛行時間がどれだけ増えても、新しい飛行の前にはいつも初心者です。長期予報では、滞在中に雨の予報も見られましたが、概ねよい天気でした。帰り道の天気も安定している様子で助かります。



Ramada Lethbridge

広い土地なのに、なぜか9階建ての、1970年代風の建物でした。古いですが、リフォームされて、あたたかい朝食もあり、過ごしやすいところでした。



QL Aviationには2週間も駐機させてもらいました。お世話になりました。



レスブリッジ飛行場(CYQL)からグレーシャーパーク国際空港(KGPI)へのルート

米国への入国手続きはAOE(Airport of Entry)である、モンタナ州グレーシャーパーク国際空港(KGPI)で行います。国境通過は、US89号線とAB2号線にある、ピーガン/カーウェイのボーダークロッシング(赤い丸のところ)上空で行います。どこでもよい(と思っていた)のですが、フライトプランの国境通過点の指定に便利でした。飛行高度は10,500ft MSLとすると、このようなルートができました。



休日ということもあり、飛行訓練の飛行機や、遊覧飛行のヘリコプターが周辺を飛んでいます。Lethbride Radio(飛行場やトラフィックの情報を伝える施設。タワーではないため、離着陸のクリアランスは与えない。米国には存在しないが、日本のRadioに相当するようです)へ飛行経路を伝えると、トランスポンダのスクウォークコードを伝えてくれました。



先日訪れたウォータートンレイクス国立公園が右前方に見えます。

レスブリッジから約30Miles。今日のレスブリッジは航空機が多く、レディオは休みなく交信しています。レディオからはその後何の連絡もありませんが、レディオの管轄はこんなにも広いのでしょうか。もうアプローチコントロールやセンターに移行してもいいはずですが。次のセクターの周波数を聞くと・・・


レスブリッジ レディオ: 君の今の位置だと、もう私の管轄外だよ。


との返事でした。

ちょっとお待ちください。スクウォークコードを与えて、VFRとはいえ、国境通過を計画している航空機に対して、「あとは知らない」はおかしいでしょう。これもアウェイの洗礼でしょうか。エドモントン センターの周波数を受け取って、状況を伝えます。


エドモントン センター: おそらく、米国側にはこの周波数が使えると思うから、これを試してくれ。


おそらく、ですか・・・。 しかし受け取った周波数はどれも通じず、仕方なく自分で周波数を探すことになりました。国境沿いに高度を上げながら飛行し、十数分。同じくAOEであるカットバンク国際空港(KCTB)に近づくと、ソルトレイクシティー センターの周波数につながりました。これで国境を超えることができます。



周波数を探して東へ、西へ。改めて、地球が丸いということと、大地の広さを知りました。



グレーシャー国立公園

入国管理事務所への到着予定時間を大幅に過ぎています。急ぎます。





近年の温暖化傾向の中にあって、ここグレーシャー国立公園の氷河は多くが消え去りました。本当に、人間の活動の結果からの、温暖化ガスの影響なのか、学のない私にはわかりません。温暖化と寒冷化を繰り返してきたこの地球の定めの一つと思いますが、どうなのでしょうか。



〈動画〉 2022年8月7日 レスブリッジ ー カリスペル




モンタナ州カリスペル、グレーシャーパーク国際空港(KGPI)



グレーシャーパーク国際空港のUSCBP(U. S. Customs and Border Protection、アメリカ合衆国 税関国境警備局)の事務所は、Glacier Jet Centerの隣にあります。お世話になります。



入国を終えて、ほっと一息。コーヒーを飲んだら出発です。



それにしても、今回なぜ国境通過の際に無線交信で苦労したのでしょうか。次回、エドモントン センターへの周波数の変更を早めにするように心がけるとしても、国境付近でUS側の周波数にコンタクトできなかったのはなぜだったのでしょうか。

冷静に考えればわかることですが、それはこんなところでしょう。



グレーシャーパーク国際空港周辺のVFRセクショナルチャートです。オレンジ色の線は私が設定したルートです。ご覧のように、国立公園内の標高の高い山々を避けるため、南東から南西方向を除き、エアウェイ(水色の線)が設定されていません。つまりここを18,000ft MSL以下で、IFRやRadar Serviceを受けて飛行することは想定されていないのです。RCO(Remote Communications Outlets、遠隔地からATCやFSSなどへ無線交信を可能にする、山頂などに設置されたアンテナ)もないため、18,000ft MSL以上のClass A空域はともかく、低高度では無線交信ができませんでした。

そして、カットバンク国際空港に近づくに従い次第に無線が通じるようになったのは、そこにエアウェイ(V21)が設定されていて、やはりRCOなどがあったためと思われます。



私のルートはせめてこうあるべきでした。

お粗末でした。



国境通過で疲れたので、初日は2レグで終えます。



今夜はオレゴン州ペンドルトンで一泊します。



ペンドルトンは2008年8月以来です。ここで開催されたAWAC(Advanced World Aerobatic Chamiponships、現在のWAAC)に出場した、ウィスキーパパ競技曲技飛行チームの内海さんの支援に来ました。







来年2023年はWAAC(World Advanced Aerobatic Championships)がネバダ州ジーンで開催されます。Team Japanは参加者を募集中です。


15th FAI World Advanced Aerobatic Championships: https://www.waac2023.com/



食事は旅の楽しみのメインです。今夜はタイ料理店です。



ダウンタウンは以前よりも整備されて、ちょっとした博物館になっていました。見ごたえがありました。



移転された古い学校。

教育は国の要です。外国人よりも、まずは日本国民にこそ、豊かな教育と研究の機会を。





夢を抱いてアメリカ大陸を横断した開拓者たち。多くの人々がその途中で命を落としました。私の想像を超える、さぞ厳しい旅だったことでしょう。


翌日。

雨雲の峰を超えて、家路を急ぎます。



雨雲を避けて飛行。



もうすぐオレゴン州レイクビューのレイクキャウンティ飛行場(KLKV)です。でも、目標の湖が見えません・・・。 なるほど、夏で湖が干上がっているのですね。GPSがないと混乱して迷子になりそうです。



カリフォルニア州パレーサービル、パレーサービル飛行場(KPVF)

あと1レグでキングシティーです。



ただいま!

風の谷キングシティー。何もないところだけれど、恋しい、私の小さな町です。でもいつか、次の町が見つかるかもしれません。


さて、これからENGオイル交換です。前回のオイル交換から約18時間。たくさん飛んでくれて、ありがとう。

おやすみ、Pitts Special S-2S。