2015年6月21日日曜日

the second brewing

Redfox Airshows 1st Aerobatic Demonstration Flight (ground view)

〈動画〉 Redfox Airshows 1st Aerobatic Demonstration Flight (ground view)

私が思い描いていた飛行とは大きく異なる内容には本当にがっかりさせられますが、次回への課題もよく判ります。撮影してくださったKasaharaさん、ありがとうございました。



アメリカとカナダでAir Showの飛行をするには、SAC(Statement of Aerobatic Competency)Cardと呼ばれる証明が必要となり、定期的な更新が求められます。内容は、3回転のSpinsとRecovery、背面飛行、背面での180度旋回を左右に2回、その他基礎的な曲技飛行に加え、Air ShowのRoutineをACE(Aerobatic Competency Evaluator)の前で、最低高度を下回らずに安全に行うというものです。

例えば、Commercial Pilotの訓練でChandelleやLazy Eightを練習して、Stick and Rudderの技量を向上を求めているのかと思えば、しかし実際は単に数字を追いかけるだけという子供だましな内容なことに似て、これでPerformerの技量確認とするとは大いに疑問です

Stall&Spin Recoveryや旋回が安全できることなど、Performerはもちろん、一般の飛行士でも必須の技量です。多数の観客の前で、冷静さを保ちながら安全に飛行を行うには、長い年月を経て得られる真の意味での技量が必要です。到底ACE(この場合はAerobatic Competency Evaluationの意)に合格しただけで可能なものではありません。

5月のAOPA Fly-Inでは、本来Air ShowではないFly-InでAir Show用のShow Lineを用いたため、Show Lineの中心と観客席が一致していませんでした。(注: 不満ではありません。先輩方から事前に情報は得ていましたし、関係者の皆様には大いに感謝しています。)

上の画像からも判るとおり、Boxの最も西側(画面右側)で飛行してようやく観客席の前まで来れる位置関係。およそ3000ft X 1000ftという狭さと、西側はくさび型の変形Box。現地での練習飛行は無し。情報よりも低い雲高(2800ft VS 2300ft)。Serface Wind 15KTSの風で常に流される飛行機。

場当たり的にManeuverを変更し、可能な限りPositioningを調整し、まあまあの内容で無事に飛行を終えましたが、SAC Cardを得たばかりの経験も技量も少ない曲技飛行士が、この状況でどれだけの安全性を保てるのでしょうか。

「背面姿勢が怖い」、「失速系が苦手」という言語道断なPerformerを排除できるという点で、ACE Programは効果を発揮しているものの、僅かな労力でSAC Cardが得られ、大勢の観客の前で低高度での飛行が可能になることには大いに疑問を感じます。

こんな提案が通るとは思いませんが、もしHigh Performance Aerobaticsの内容でAir Showの飛行を行うなら、少なくとも3年間、年に数回の曲技飛行競技会に参加し、Pittsなら少なくともAdvanced、ExtraならUnlimitedの飛行を安定して行える技術を得て、初めてACEの受験資格が得られるようにするべきではないでしょうか。毎日の練習飛行、約10-15回の競技参戦で得られる経験は膨大で、Air Show会場でも大いに役立つはずです。

いずれは日本でもAir Show Performerのガイドラインが求められることでしょう。ACE Systemの丸写しではなく、より現実的な内容で管理ができるようにしていただけたらと思います。

3 件のコメント:

  1. 記事に関係の無いコメントで恐縮ではございますが、本日Dayton,OHのAirshowに行って参りました。

    もしかしたらと思いTEAM Oracleの方に声を掛けさせて頂きましたが、「He's teaching today」との事でお目にかかれず残念でした。

    Seanの大ファンでして、いずれどこかのショーでお会い出来る日があればと思う次第です。

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  2. Merkatzさん
    当Blogにお越しいただき、ありがとうございます。
    今年から新たな仲間が加わりましたので、私はKing Cityでの訓練担当を受け持ち、長距離のFerry Flightなど必要に応じて行くことになりました。

    Seanはいつも「あと2年。いや、あと3年かな。」と言っていますが、私たちのヒーローとしてこれからも飛び続けて欲しいと思います。
    これからも応援をよろしくお願いします。

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  3. Takagiさん、
    なるほどそう言う事だったのですね。声を掛けさせていただいた方も、「今日はSeanが自分で来たんだよ」っておっしゃってました。

    あと2,3年だなんて!?ホントにヒーローですね、Seanは。私もサインして頂きましたが、お子さんを相手にする時の姿を見ると、きっと彼らにとってもヒーローになるに違いない!と思ってみています。ホントに優しい方ですよね。

    シカゴ在住ではありますが、いつかTakagiさんのフライトも見る事が出来ればと思っております。
    Team OracleとTakagiさんを応援しております。

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