2016年4月11日月曜日

砂漠の日々 6


ルル ハイパーマーケット

2機のExtra 330LTは整備に入りました。訓練飛行の早期の再開を目指して、我々インストラクターも整備に加わることになり、作業着代わりの服を探しに来ました。




朝。訓練飛行の準備を行うDiamond Aircraft DA42、Twin Diamond。




まずはEngine Runupを行い、数値を記録します。格納庫内の整理整頓された様子を見てもわかる通り、統率が取れた環境を維持しています。私も見習います。




では、整備作業開始!




まだ運転して25時間のAEIO-580-B1A。MTV-9プロペラも問題はありません。




砂漠の中で運用するため、細かな砂が見られます。高性能曲技飛行機は吸気効率を考えてエアフィルターを装備しない機体が一般的ですが、ここで定常的に運用するためにはエアフィルターは必要かもしれません。






配管や配線の取り回しは参考になります。なるほど。




外装を可能な限り外します。次は下側のカバーです。






Extra 330LTは後部に荷物入れのドアがあります。取り外しの勝手がわからず苦労しました。




整備士の方々は、インド、パキスタン、マレーシアなど、各国からいらしています。




Extra 330LTは曲技飛行を行えるツアラーという位置づけです。ここUAEでは使うことはない装備ですが、キャビンヒーターが前後席に付いています。オプションでエアコンディショナーも装着できるそうです。驚きました。




前席の下に設けられたキャビンヒーター出口。扉部分に多少の空気漏れがあるためか、OFFの位置でも少し熱を感じます。




Extra 300Lに比べて小さめのスペード。少し小型化したエルロンに合わせているのでしょう。




他のExtra各種は完全な対称翼型を採用していますが、この機体はツアラーとしての性能やPositive Gの曲技飛行を重視した非対称翼型です。主翼翼端は少し上に跳ね上がった形状になっています。効果はわかりませんが、格好いいです。




曲技飛行性能が限られると思い、あまり興味のなかった飛行機ですが、乗ってみるとなかなかいい飛行機と思いました。理論的にはNegative Gでの飛行は不向きでも、Positive G下での飛行特性は少なくともExtra 300L以上で、総合的に見ればAdvanced Categoryも十分に飛行できることでしょう。

他機種に比べて、Tumble系を行うとInverted Flat Spinに移行しやすい傾向があり、まだ練習と研究が必要ですが、ドラマチックな飛行を好むエアショーには向いているかもしれません。




今日は会議で忙しかったパイロットの方々。お疲れさまでした。

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