山梨キャンパスの皆さまに見送られて、仙台空港へ帰ります。埼玉県桶川市の桶川飛行場で燃料補給をさせていただきました。
そして、ここにもサポートにいらしてくださった岩田さん。
「暇だし、ちょうどこっちに用事もあったからね。」と、さらりと言います。
ただただ感謝です。
初めてお邪魔した本田航空。お世話になりました。
実は、このフェリーフライトにはちょっとした出来事がありました。山梨キャンパスから仙台空港までは直線距離で189NM(Nautical Mileの略。1NM = 1.852km、約348㎞)。山間部や悪天候を避け、到着空港の交通事情も考慮して、十分な予備燃料も確保して飛行を終えるには、途中での燃料補給が望ましい距離です。幸いにも、福島空港でAV Gasを取り扱うA飛行学校に、友人を介して燃料補給についてお伺いすることができました。
小型軽量を念頭に設計された曲技飛行機は、一般的にDay/VFRの飛行を行える最小限の装備しか持たず、姿勢指示器も航法計器もなく、航続距離も短く、XC(クロスカントリー)飛行をすることは様々な障害があります。許可をいただいた時点で9月。問題は解決したかに見えました。
10月中旬。フェリーフライトを翌週に控え、A飛行学校にご挨拶を兼ねて確認の電話をします。しかし、「燃料補給ですか?Pittsで?仙台までのフェリーフライト・・・。XX様のお知り合いですか・・・。」と要領を得ません。確認して返事をするということでしたが、まさか断られることはないだろうと、この時は簡単に考えていました。
翌日、今回は燃料補給はできないと返事をいただきました。食い下がることも考えましたが、すでに信用を失った以上頼りにはできません。ただ幸運にも、当日いらしていた鐘尾みや子さんと岩田圭司さんの先輩お2人の力で、代替空港が短時間で決まりました。鐘尾さんは本田航空に古くからのお知り合いが、岩田さんは大学時代のご後輩が勤務されているそうです。「歓迎します、いつでもどうぞ」と心強いメッセージもいただきました。
この問題は私個人だけのものではありません。今後同様の航空機で飛行する方のMissionの中止、それに伴う損害。さらに恐ろしいのは、直前で燃料補給を断られ、無理な行程の飛行を強いられた。そして途中で燃料が枯渇するという危険性を含んでいるということです。とても看過できるものではありません。
後日A飛行学校に質問したところ、揮発油税の関係で販売ができなかったとのことでした。それは理解できますが、ならばなぜ最初に伺った時点で伝えられなかったのか。後で事情が変わったのなら、なぜ連絡をいただけなかったのか。私の同僚や仲間たちは、皆がProfessionalismとAirmanshipを大切に、日々精一杯活動している中、それらに反する対応に私は強い不信感を抱きます。今後、同様の航空機で東北方面を飛行する計画をされるときは、十分にご注意ください。
今回のことを教訓に、私も厳しく自身を見直し、さらに真摯に活動に取り組みたいと思います。改めて、鐘尾さん、岩田さん、急なお願いにも快く対応してくださった本田航空の鳥居様と岩田さんのご後輩(お名前を伺えませんでした)、そして飛行を支えてくださった全ての方にお礼を申し上げます。
スカイダイビングが行われていた桶川飛行場。RWY32から離陸です。
向かい風が10KTSほど。高度5,500ft MSLでGSを少しでも稼ぎながら進みます。左には板倉滑空場。
福島市の東約10㎞。雨雲を避けて仙台空港へ。
仙台空港には平野さんが手伝いにいらっしゃいました。能登、山梨、そしてここ仙台でもたくさんのサポートをいただきました。ありがとうございます。
Pitts S-2Cの清掃と検査を行います。異常なしです。2週間、苦しいときも、楽しいときも、ずっと一緒でした。がんばって飛んでくれてありがとう!
全ての片づけを終えたらもう夕暮れでした。平野さん、お腹空きましたね。ラーメンいかがですか?
帰国前、実家へ私物の整理に行きました。自転車やオートバイの部品、工具、服、雑誌・・・。全てが時が止まったように残っていました。
成田空港からテキサス州のダラス空港へ向かいます。あのB787かな?
愛機Pitts S-2Sと再会。さあ家に帰ろう。TX州ヘイルカウンティ空港(KPVW)で燃料補給。
いくつもの山を越えて。
目的地は雨模様です。今日はここで一泊。NM州ベレン。
AZ州セドナ空港(KSEZ)はとても美しいところです。標高4,830ft、気流の荒れるところですが、つい来てしまいます。
10月29日。King Cityに到着。ただいま!
Mission complete!
格納庫は埃だらけです。掃除をするので、少し待ってね。
運航管理室に私の写真が飾ってあるそうです。光栄です!
Photo: カタリナさん
たくさんの出会いがあった日々でした。急に一人になると寂しさを感じますが、すぐに慣れることでしょう。皆さま、素晴らしい思い出をありがとうございました。
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