2017年8月21日月曜日

その先の領域へ




日本は暑い日が続いているようですが、いかがお過ごしでしょうか。ここCA州King Cityは最高気温が41度Cとなる日が続いていました。日本の夏と比べて湿度が非常に低いため、不快ということはありませんが、それでも暑い日々でした。

マニューバー(機動)の研究を続けています。エンドータンブル・・・ 正式名(?)エンド オーバー エンド タンブル(End Over End Tumble)、略してエンドータンブル(Endo Tumble)は、ExtraやEdgeなど単翼機のエアショーではおなじみのマニューバーですが、複葉機型のPitts Specialでは難易度が高く、残念ながら不可能という意見も聞かれるほど再現性が低いものです。

文字では分りづらいと思いますので、動きを模型で表現してみました。




写真の右方向へ飛行している飛行機の機首を、左ラダーでヨーイングさせて・・・



機首の変位量を維持しながらエレベーターを前方へ押すと・・・



飛行機の横軸周りにピッチダウンの動きを始めます。



タンブル(Tumble)とは、進行方向に対して機体を横方向に大きく変位(ヨーイング)させた後、その変位を保ちつつ、横軸周りにピッチ方向の回転運動をさせるマニューバーの総称です。機首方向の変位が45度以上を「ディープタンブル(Deep Tumble)」、45度以下を「シャロ―タンブル(Shallow Tumble)」と区別します。

ラムシェバック(Lomcevak)や、ショルダーロール(Shoulder Roll)別名セントリフュージ(Centrifuge)もタンブルであると表現されますが、これらはシャロ―タンブルに分類される疑似的なタンブルで、多少の調整は求められるものの、操作は簡素、開始も継続も、停止も確実に行えるものです。




〈動画〉 エンド オーバー エンド タンブル (Extra 300L)

目の前に見えていた太陽が、開始後に右翼側に移動します。エルロンでロール成分を、そしてラダーでヨーイングの変位量を調整して継続させます。空力的に洗練された単翼機は、横方向へ滑らせてもエネルギーの損失が少なく、継続が容易です。



対して、ディープタンブルに位置するエンドータンブル(Endo Tumble)やナイフエッジスピン(Knife Edge Spin)は、ヨーイングの変位量によって、必要とされるロール成分が変化しますし、回転するプロペラが発生する推力や、発生するジャイロの摂動とのバランスを調整したり、その中で横軸を進行方向に沿うよう調整したりと、研究と練習が必要です。

年々進化する曲技飛行の世界に合わせ、私も研究と練習を行ってきましたが、Pitts S-2Sの挙動は単翼機とは全く異なり、苦労をさせられました。その苦労が実った瞬間が下の動画です。




〈動画〉 エンド オーバー エンド タンブル (Pitts S-2S)

1回転半のエンドータンブルの後、スピンに移行してしまいますが・・・。でも、大きな一歩です。



このマニューバーを披露するにはまだ時間が必要ですが、近いうちにいずれ・・・。どうぞお楽しみに!

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