昨年は武漢ウィルスでキャンセルになった、CA州サンカルロス空港のHiller Aviation Museum主催のイベント、「The Biggest Little Airshow」。今年の6月に行われる予定だと連絡が入ったのは年末だったでしょうか。無事に行えれば、パンデミック後のSF Bay Areaでの初めてのエアショーであり、私にとっては1年半ぶりのエアショーになります。
The Biggest Little Airshow https://www.hiller.org/event/biggest-little-airshow/?fbclid=IwAR1036A91X92Q5sDh4R8MmiUenUuCuEhlVHnSQim0JRKsqTeEl5Zi1CaPXE
注: 予定通りに終了しました。応援ありがとうございました。
今回はそれまでの整備作業の内容を載せることにします。
Item 1 キャノピー取り付け作業
以前にも話題にしましたが、2019年8月、練習飛行中にキャノピーを壊しました。原因は機内の消火器の固定が不十分だったため。私の不注意です。Negative Gの飛行で消火器が外れ、キャノピーに穴を開けてしまいました。
幸いにもPitts Specialはキャノピー前部にウィンドシールドが備えられ、単座機ではこのように後方にスライドする方式が一般的です。複座機は右側にヒンジを備えて開く方式いなっています。元々はオープンコクピットとして飛行するように設計されていた機種ですから、この数日後のエアショーと、それ以降はキャノピーを外しオープンコクピットとして飛行しました。
オープンコクピットは開放感がありますが、8,000ft近辺の巡航高度の気温は海抜高度よりも20℃ほど低く、真夏でも寒いです。また機内に吹き込む風のためにチャートを広げることも困難で、水を飲むのも気を使います。速度が比較的遅い複葉機とはいっても、6気筒ENG装備のこの飛行機の巡航速度は約160KTS、約300㎞/h。やはりキャノピーは必要です。
インターネットで検索すると、Aero Canopyという会社がPitts S-1/S-2用のキャノピーを制作販売していることを見つけました。
AeroCanopy https://www.aerocanopy.com (後述の理由からか、現在のLink先の内容は以前と異なるようです。)
1つで$626.00、予備にもう一つ購入し、FL州からの送料を含めると約$1,600でした。$1,600・・・。いや、深く考えないようにします。
私の初めてのキャノピー作業。不安が募りますが、準備はできました。勇気を出してやってみましょう。まずは破損した古いキャノピーを載せて、大きさや形を確認します。
・・・おや?どういうことでしょう。外側にも内側にも、前後を逆にしても、新旧のキャノピーが全く一致しません。
Aero Canopy社に連絡すると、「そのキャノピーはトリミングしないといけないんだぞ。お前分かっているのか?」との返答でした。いや、トリミング以前に形が全く違うのですが。
知人に相談したところ、これらはFree Blownと呼ばれる製法で作られた低品質なもので、型を用いて作られた原型のキャノピーとは別物だそうです。数日間Aero Canopy社と交渉し、返品は受け入れるが、しかし返品時の送料(約$300)は私が負担するということになりました。そして返金も現物が再販売できることが条件とのことです。やれやれ。
しかし何があったのか、その後Aero Canopy社はこれらのキャノピーに製品としての価値はないと判断し、返品の必要はないと伝えてきました。後日返金も無事に行われ安心しました。
皆さまももしキャノピーの購入の際はご注意ください。
続いて、知人にAirplane Plastics社を紹介していただき、2週間後、見覚えのある形のキャノピーが届きました。ありがとうございました。
Airplane Plastics https://www.airplaneplastics.com/
まず3㎝くらいの余裕を持たせ、大きめにトリミング。その後サンダーを用いて、数㎜刻みで削っていきます。気長に、慎重に・・・。
削って、機体に載せて、確認して。また削って・・・。
形が整ったところで、続いて取り付け穴を開けていきます。
始めてから2か月後。ついにできた・・・。嬉しくて、言葉がありません。
これでもう、飛行中の風や寒さに悩まされなくなるのでしょう。
<動画> Pitts Special S-2S Canopy動作確認
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