離陸!
写真: Hayman Tam様 2021年6月26日 San Carlos空港
何気ないこの写真にも、実はいくつもの作業の跡が残されています。今回はウィールフェアリングの作業記録です。
昨年5月の試験飛行の日は、この時期には珍しく、低気圧のために南風が吹いていました。風はRWY29に対して左から真横に15KTSほど。この飛行機は20KTSの横風でも着陸できる性能をもっていますから、いつもならなんということはない風です。しかし、数カ月に渡り行った後の試験飛行ということはつまり、この飛行機に乗るのも久しぶりということであり。すぐに私は離陸したことを後悔しました。
試験飛行は成功し、さあ着陸です。風は相変わらず強く、最初の着陸では飛行機は跳ね上がりゴーアラウンド。2回目も飛行機を滑走路に正対させることができず、またゴーアラウンド。4回か5回目あたりでやっと着陸できました。
技量の衰えに気を落としながら飛行機を眺めると、おや?何かおかしい・・・。なんと、左側のウィールフェアリング下側が欠けていました。
接地時にクラブアングルを処理できずに横向きに着陸して、タイヤが変形、ウィールフェアリングに当たって欠けたようです。やれやれ。
昨年1年間はエアショーも競技会もなく、このウィールフェアリングはその後も修理されないまま、飛行機と一緒に格納庫に放置されたままとなっていました。
カーボンファイバー製のウィールフェアリングは非常に軽く、一度この軽さを知ると、一般的なファイバーグラス製の製品には戻れません。新品の購入も考えましたが、値段は左右で約$1200。「こんな程度の修理は簡単だぞ。」という同僚の助言もあり、今回は修理してみました。
欠けた部分をカーボンファイバーで修復しました。多少気になる出来ではありますが、十分です。続いてサンディングを行います。
もう一つ気になるのは塗装表面です。離着陸時に小石が当たったり、うっかり足で蹴ってしまったり。このウィールフェアリングも傷が目立ち始め、以前から再塗装したいと思っていました。可能な限りオリジナルの塗装を残したいところですが、私の技量ではこの複雑なパターンを再現することは不可能です。
そしてこの時点ですでに5月上旬。6月下旬のイベントまで時間もありません。・・・どうしよう。いや、今はとにかく作業です。
続いて、こちら側もサンディングです。
サンディング。そしてサンディング。
最果ての地、King City。
ただ風だけが通り過ぎていきます。
時間は1900時、日没まで1時間。あともう少し作業しよう。
ウィールフェアリングにはエポキシ系塗料の白いプライマーを塗布しました。手前の三角形の部品ははランディングギア カバー。赤の色合いが微妙に異なるため、この機会に一緒に塗装します。
他にも再塗装したい部品はあるのですが、それらはまた別の機会に。
すばらしい艶です!
・・・と、言いたいところですが、所々に塗料の垂れが見えます。私の塗装の技量もまだまだです。
こちらランディングギア カバーには塗料の垂れはないものの、控えめに塗装したためかオレンジピール(ミカンの皮のような凹凸のある表面)になってしまいました。
遠目には分かりませんが、こうして近くで反射させると分かります。でもイベントで飛行するには十分ですから、いずれ時間があるときに磨くことにします。
表面を平らに修正し、1500番まで水研ぎし、そしてコンパウンドで磨きます。慎重に、慎重に・・・。
カラーリングについては、今回は白と紺の線を入れる時間もありませんし、「試験的に赤一色で飛行してみてはどうか?」という意見もありました。そうそう、そうしましょう。
6月23日1800時。イベントの3日前に作業終了です。
やっとできた・・・。うれしい。
赤一色でも悪くありませんが、でもどことなく寂しい感じがします。ウィールフェアリングに何かアクセントが欲しいところです。
メッセージ?
チェッカーなどの模様?
スポンサーのロゴの移植?
一晩考えて、「REDFOX Airshows」と文字を入れることにしました。少々安直な手法ではありますが、悪くはない・・・と思います。
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