先日、カナダのレスブリッジに到着しました。REDFOX Airshowsは今週末、7月30日(土)と31日(日)にここレスブリッジ飛行場で行われる、Lethbridge International Airshow 2022でパフォーマンスフライトを行います。お近くの皆さま、お会いできることを楽しみにしております。
Lethbridge International Airshow 2022:https://lethbridgeairshow.com/
今回はプライベート機によるカナダへのインターナショナルフライトの準備について書き連ねてみます。ただし、もしご自身で米国ーカナダ間のインターナショナルフライトを行うときは、更新された、正確で詳細な、関係機関の情報をご覧ください。
飛行士について(米国のFAA資格保持者の場合)
1.Pilot Certificate
2.Medical Certificate
3.FCC Radio Operator License
4.Passport
5. Visa(日本国籍保持者は不要)または米国永住権証明書
航空機について(米国のFAA登録の航空機の場合)
1.Standard Airworthiness Certificate、またはSpecial Airworthiness Certificate(Experimental機など)
Special Airworthiness Certificateの場合は以下の要領で承認を行います。
Recreational Aircraft Airworthiness: https://tc.canada.ca/en/aviation/aircraft-airworthiness/recreational-aircraft-airworthiness
調べると、Experimental - Amateur-built登録機であるこのPitts Special S-2Sの承認手続きは不要とのことでした。以下の書類を印刷し、機内に備えることで完了です。Pitts S-2BやS-2C、Extra 300Lなどのスタンダードカテゴリー機、またはEdge 540などのExperimental-Exhibitionなどに比べ簡素です。
Standardized Validation of a Special Airworthiness Certificate - Experimental, for the Purpose of Operating a United States - Registered Amateur-built Aircraft in Canadian Airspace: https://tc.canada.ca/en/aviation/aircraft-airworthiness/recreational-aircraft-airworthiness/standardised-validation-special-airworthiness-certificate-experimental-purpose-operating-united-states-registered-amateur-built-aircraft-canadian-airspace
2.Registration Certificate
3.FCC Aircraft Radio Station License
4.Operating Limitations, Placards and Instrument Markings, Approved Flight Manual
5.Weight and Balance Information
6.Liability Insurance
7.ELT(Emergency Locator Transmitter) 従来の121.5 MHzでも可だが、406 MHzのELTを推奨。
8.12-inch sized Registration Markings International Airspace(国際空域)からADIZ(防空識別圏)を超えて入国する場合。米国とカナダの間と、米国とメキシコの間にADIZはなく、米国で見られる2 inや3 inの小型の登録記号でも国境通過は可。
飛行士と航空機に関する必要事項は以上です。
・・・ELTが必要ですか。米国では、単座機への装備は免除されており、このPitts Special S-2SはELTは装備されていません。しかし、カナダで登録される航空機には406 MHz対応の新型ELTの装備がすでに義務付けされ、また外国から飛来する航空機もELTの装備を義務付けしています。
ACR Electronics社製 ELT345
携帯型のELTも考えましたが、発信する緊急信号の周波数は406 MHzのみです。往来する航空機からも傍受可能な、121.5 MHzも発信する機内備え付け型が安心だろうとこの型を選びました。
わずか2 kg+の重量増加とはいえ、少しずつ装備が増え、重くなっていく機体を見て後悔しています。両周波数で発信するとしても、墜落や火災などでELTが完全に破壊されれば作動しないでしょう。ここはパラシュートなどに取り付けられる携帯型を選択すべきでした。
機内に取り付けるELTのブザー。発信すると音が鳴り、誤作動を防ぎます。この部品を省略して軽量化をと思いましたが、下の写真に写るリモートスイッチと共に、取付必需品とのことです。
取り付けられる場所を探すと・・・ここしかありませんでした。座席下や、可能な限り重心近くに取り付けたかったのですが、仕方ありません。作動試験は完了です。
続いて、米国ーカナダ間の国境通過において、事前に関係機関に行うことは以下の通りです。
1.USCBP(U. S. Customs and Border Protection: アメリカ合衆国 税関・国境警備局)が運営するeAPIS(Electric Advanced Passenger Information System)のアカウント作成 年間$30.53の支払いで、国境の通行回数は無制限で可能です。また、出入国時の報告を事前にWebsite上で行うことができるようになります。
USCBP(U. S. Customs and Border Protection: https://eapis.cbp.dhs.gov/eapis/auth
eAPISの登録証明のステッカー
ステッカーの送付に4週間かかるとのことでしたが、1週間で届きました。もし急な旅行で間に合わず、添付できなかった場合は領収書で代用できます。
2.CBSA(Canada Border Service Agency: カナダ国境警備庁)が運営するCANPASSアカウントの作成 ただ、対象者はカナダまたは米国の国籍か永住権保持者のみです。年間の費用はカナダ$40。
Canada Border Service Agency: https://www.cbsa-asfc.gc.ca/prog/canpass/privateair-eng.html
このアカウントがあると、カナダの入国審査が簡素になり、AOE(Airport of Entry: 入国審査に指定された空港以外の、CANPASSで認められた小規模な飛行場からも入国が可能です。
ただ、アカウントの作成には4ー6週間ほどかかるそうですので、今回は間に合いそうもなく見送りました。レスブリッジ飛行場はCANPASS対応の飛行場ですが、仕方なくさらに40分ほど先にある、AOEのカルガリー国際空港で入国審査を行いました。
次回は飛行の様子を掲載します。
その他参考にしたリンク
AOPA Flying to Canada: https://www.aopa.org/travel/international-travel/canada
FAA Entering, Exiting, Flying in United States Airspace: https://www.faa.gov/air_traffic/publications/us_restrictions/airspace/
Flying Crossing Borders: How-To Guide For Visiting Neighboring Countries: https://www.flyingmag.com/pilots-places-pilots-adventures-more-crossing-borders-how-guide-visiting-neighboring-countries/#:~:text=Remember%20to%20open%20and%20close%20the%20flight%20plan.,communicate%20with%20air%20traffic%20control%20whenever%20you%20can.
Transport Canada Flying to Canada: what you need to know: https://tc.canada.ca/en/aviation/general-operating-flight-rules/flying-canada-what-you-need-know-tp-15048#toc-8-2
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