2022年6月17日金曜日

2022 IAC West Open Championship

2022年6月2日から4日まで、CA州トレーシーのトレーシー市営飛行場で行われた、2022 IAC West Open Championshipに出場しました。


10日間練習飛行を行い、安全に曲技飛行競技に参加できる程度にはなったものの、3年の間に失った技量は膨大なものだったようです。飛行中に方向を見失ったり、フィギュアの形がくずれたりと、散々な飛行もありましたが・・・。さて、どんな結果になるのでしょうか。



日本からはSonic(H.N.)さんがいらっしゃいました。4月のボレゴバレー飛行場での競技会に続き、今回もExtra 300で参加です。一緒に参加できて、光栄です。


武漢ウィルスの災厄も収まりつつあり、日本からの渡米も可能になりました。再び世界各国から参加者が戻ることを願います。



トレーシーまでSonicさんと編隊飛行で向かいます。自転車もオートバイも、仲間と一緒にお出かけするのは楽しいものです。もちろん、飛行機も、です。

準備ができましたね。では・・・


REDFOX: Borrego FLT, check.

Sonic: 2!



進路310、トレーシーへ。





Nice Flight!です、Sonicさん。



トレーシー飛行場に到着。気温30℃+、比較的過ごしやすくて助かりました。意外にも、6月は1年で最も暑い月ですが、今年は気温が低めに感じます。



Skyview Aviation

ロビーや格納庫のスペースの提供など、多大なサポートをいただきました。ありがとうございました。


Skyview Aviation http://www.skyviewaviation.com/



このトレーシー飛行場は、私が競技会初参加に向けて練習していたときに毎週のように通っていたところでした。それも2003ー2004年のこと。あれから長い時間が過ぎ、周辺には住宅も増えました。



Tracy Municipal Airport (KTCY), Tracy, CA, USA


当時もすでに騒音問題があったはずですが、競技会などを開催して大丈夫なのでしょうか。・・・いえ、ご心配なく。調べると、苦情は特定の方からのみだそうで、市はあえて競技会を開催して、どのような反応があるか、情報をまとめたいという意思があったのでした。



今日は移動だけで終わりましたが、楽しい編隊飛行でした。



翌6月2日。今日は公式練習日です。空いているスロットに名前を記入して、準備します。



Chapter 38の常連、トム・マイヤーさん。Edge 540でAdvancedに参加です。



ブレット・ダイブンポートさんのPitts S-1S。美しい機体です。



エリック・モーアさんのLaser 230。アリゾナ州から参加です。



Sonicさんが練習飛行に向かいます。よい飛行を!



上空に薄い雲がかかり、過ごしやすいです。天気は・・・CAですから、大丈夫でしょう。



夕食はタイ料理のレストランへ。



おいしいですね!


明日6月3日は競技会1日目です。今競技会の総参加者は31人。我々のUnlimitedには、予定していた1人が出られなくなってしまいましたが、3人が参加となりました。



競技会の朝。張り詰めた空気を感じます。



競技に参加する者だけが感じるこの世界。また戻ってくることができました。



0700時、ブリーフィングです。古い仲間もいますが、半数以上は新たな参加者です。新しい仲間です。



通常、曲技飛行競技会は参加者とわずかなボランティアたちで、ひっそりと行われるものですが、この競技会では現地のEAA(Experimental Aircraft Association)の方たちがオーディオ機器を配置し、音楽も流して、賑やかに行われました。



観客の方たちに楽しんでもらおうという、心遣いです。ありがとうございました。



さあ、一緒に飛ぼう!



XL AviationからPitts Special S-2Bが参加です。

ちなみに、この飛行機は俳優のTom Cruiseさんが所有していたものです。



・・・予想通りといいますか、1回目のKnownは散々な結果でした。

Tailslideは逆方向に行ってしまいHZ(ハードゼロ)。Vert upのSnap Rollでは向きが大きく逸脱してHZ。62%、3位で終えました。むしろ、よく点数が残ったものです。



2日目は雲が広がり、風も強くなりました。どうやら前線が近づいているようです。CA州の6月とは思えない天気になりました。



続いてFreeです。



マットさんが、FreeではHZなしで飛べるよう、応援してくれました。


・・・気合を入れたFreeでしたが、今度はHZを4つとり、またも散々な結果に終わりました。気に入った飛行だけを行っていれば済むAirshowと異なり、全てのフィギュアを網羅しなくてはいけない曲技飛行競技は、本当に厳しい世界です。



Sportsmanの飛行に向かうジョーさん。いってらっしゃい!



ジェンさんとLaser 200。よい飛行を!



そして3回目の飛行、Unknownです。準備はできたはず・・・ですが、どのような結果があるでしょうか。


<動画> Yuichi Takagi - Unknown

同じく競技参加のAlexiさんが現地で動画を撮影してくださいました。精度は低いものの、HZはない飛行でした。しかし減点が多く、一体点数がいくつ残るのかと、不安でした。


少しは点数を挽回できるかも?と期待しましたが、順位は変わらず3位で終わりました。この結果は残念ではあるけれど、でも逃げずにがんばりました。満足です。


Unlimitedの優勝はSonicさんでした。最後のUnknownで高得点を得て、2位から1位に上がりました。Sonicさん、優勝おめでとうございます。



Known、Free、Unknownを終えて、全競技飛行が終わりました。続いて、我々Unlimited参加者による4-minute Freestyleです。



<動画> Yuichi Takagi - 4-minute Freestyle

撮影はAlexiさんです。小さい飛行機を追いかけることは大変だったことでしょう。ありがとうございました。



<動画> Yuichi Takagi - 4-min Freestyle

開始時にタイマーの始動に失敗し、5秒の時間と約700ftの高度を無駄にしました。加えて、Tumble(1分12秒のところ)は回転不足。要練習ですが、初めてTumbleを4-minで試し、これは私にとっては大きな一歩でした。他はきれいにまとまり、満足です。


幸運にも、4-minute Freestyleでは勝つことができました。最後に自身の飛行ができてうれしいです。


さて、この曲技飛行競技会の評判はいかがだったでしょうか。この3日間に訪れた人は約650人。苦情に来た人も見かけましたが、好評のうちに終えることができたそうです。


自由の国などと形容されるここ米国も、騒音問題などで閉鎖や縮小となる飛行場は珍しくありません。「飛行場が先にあったんだ。後からやってきて、苦情を言うのはフェアじゃない。文句があるなら出ていけ」という市のメッセージに私は大賛成です。我々の自由を脅かす声があるなら、我々はそれよりも大きな声で立ち向かう。来年もぜひ参加したいと思います。


リザルトはこちら。

Result - 2022  IAC West Open Championship https://iaccdb.iac.org/contests/800



翌朝。途中までSonicさんと編隊飛行で帰ります。



<動画> Formation Flight by REDFOX and Sonic

Sonicさん、残りの飛行と、日本までもどうぞお気をつけて。今回も楽しい時間をありがとうございました。



いい飛行をありがとう。Pitts Special S-2S。


3年ぶりに競技飛行に参加して、曲技飛行競技の厳しさを身に染みて感じました。今年10月のUS National Aerobatic Championships、そして来年2023年のWAAC(World Advanced Aerobatic Championships)に向けて、練習飛行を続けます。

2022年5月27日金曜日

2022 春季整備作業 2

続いて、無線機の交換作業です。これまで搭載されていたBecker Avionics社製の無線機は20年古、修理をしても周波数の設定で苦労したり、電波ノイズで雑音が入ったり、不具合に悩まされました。約$3,000の出費になりますが、新たにTrig Avionics社製TY91を購入しました。



Pitts Special S-2Sの機内スペースは限られます。現状の飛行性能に影響を与えないよう、重心位置に近くに。整備性を考え。可能な限りコンパクトに。そして美しく。既存のエイビオニクス取り付けパネルにどうやって無線機用トレイを取り付けるか、悩みます。



GPSポジションシステム、トランスポンダー、そして今回の無線機。しかし、3つを並行して取り付けるスペースはありません。そうか、パネルの両面を使えば解決しそうです。



少々過剰品質かもしれませんが、ナットプレートを用いて、装着を簡素化しました。

・・・でも、もう少し軽量化できるのではないでしょうか。



両端を斜めに整形し、さらに2 1/4 inchesの穴を開けました。機器の冷却にも役立つことでしょう。




計画通りです。満足です。



塗装業者から受け取ったエレベーターは、残念なことにダストが付着していました。これからカラーサンディング&ポリッシングです。



Let's go!



コードが絡まって、断線しました・・・。修理して作業再開です。



まだ80%くらいの出来ですが、十分です。磨き作業完了。



最後の一袋。おいしい。



無線機の配線ハーネスを作成します。軽く、簡素に、信頼性を確保し、そして美しく・・・。



無線機のコネクターはTNC型です。アンテナケーブルの片方を交換します。



作動試験です。

感度良好!Good!



今回はEFIS(電子飛行計器システム)用のGPSアンテナを取り付けます。対地速度や進路を表示し、長距離飛行に便利なことでしょう。



GPSアンテナは下側の右主翼内に取り付けます。飛行中の空気抵抗の大きな複葉機です。外部への露出を少しでも避けるよう工夫します。



今日は山で雨が降っています。雨を見ると嬉しくなるのは農耕民族だからでしょう。



埃まみれだった外部パネル数枚を磨き、取りつけます。美しい!



エレベーターを取り付けます。

・・・曲線で描かれた美しい尾翼部分が恋しくなりますが、性能向上には仕方がありません。



左右の水平を確保しながら、各ブレースワイヤ―にテンションを与えます。



ENG部の最終確認をして。



AeroShell W100を10Qts入れて。



5月17日1930時

これより2022年の初ENG Runです。



<動画> The first engine run in 2022

You are running good!



ENGオイルも燃料も漏れは見られません。



Well done!



ENG試運転完了。感無量です。



過去数年、何度修理しても、いつもわずかにENGオイルが染み出ていた、No.2のオイルリターンライン。2日経っても漏れは見られません。直ったように見えますが、しかし不安です・・・。



夜、部屋で書類作業を。



これまでも、主翼や胴体などのVinyl Workでお世話になっているミッチさん。今回もエレベーターの仕上げに来ていただきました。



Wow!



ミッチさんは最近ご自身のPitts Special S-1Tを完成させたそうです。飛行が楽しみですね。

今回も遠くまでありがとうございました。



ENGカウルを取り付けて。



明日は試験飛行です。



おやすみ、Pitts Special S-2S。



翌日。これより試験飛行です。



美しい。

I love you, Pitts Special S-2S!



試験飛行、無事に終了。

乾杯!


面積を約10%拡大させたエレベーターは正解でした。離陸時に空気の存在を十分に感じ、また以前よりも早く機体尾部が持ち上がりました。巡航飛行や離着陸時のLongitudinal Stabilityが向上し、低速時のElevator Authorityも十分です。



<動画> 試験飛行3回目 Double Hammerhead Turn


2017年にホリゾンタルスタビライザーを小型化させた後、Double Hammerhead Turnの出来にも不満を感じていました。これも解決です。



試験飛行を無事に終えても、相手は飛行機です。常に何かが起こります。3回目の練習飛行の着陸時に、右ブレーキから妙な違和感がありました。見ると、ブレーキディスクに金属片が焼き付いていました。



よかった。叩いたら取れました。でもどこから来たのでしょう?

もちろん原因は私ですが。




翌日の飛行後の検査では、No.2のオイルリターンラインから、再びENGオイルが染み出ていました。

でも、これまでもずっとこの調子でしたから、想定内です。




なぜ潤滑システムという重要な箇所で、このように信頼性に劣る製品が引き続き用いられるのでしょう。問題は、アルミ製チューブとENGクランクケースの間に用いられる、上の写真の黒いラバー製ホースです。近く、Aeroquipのホース(下)を作成し、信頼性を向上させます。



来週、6月2日(木)から4日(土)まで、CA州トレーシー空港で曲技飛行競技会か行われます。試験飛行は終わりましたので、あと数日練習飛行を続け、3年ぶりの競技飛行に挑みます。どこまで技量を回復できるでしょうか。楽しみです。