2015年9月28日月曜日

Intermediateへ挑戦!




9月。今週は曲技飛行仲間の飯島さんがいらっしゃいました。夏休みを調整して来ていただきましたが、せっかくの休暇をKing Cityに来ていただけるとは、本当に嬉しく、ただただ感謝です。






飯島さんの当初の希望は、練習しているSportsman CategoryのKnown Sequenceの精度を上げたいということでした。しかし、それはお一人でもできることですし、ここはあえて、一つ上のIntermediateの練習をしてはどうか?とお誘いしました。

私もSportsmanから始めて、一つ一つCategoryを上に登ってきました。新しいManeuverが現れたり、Figureが複雑な組み合わせになったり、一つ上のCategoryに上がるのは非常に多くの練習が必要です。

でも、不思議なことに、一度上のCategoryに上がると、それまで飛行していたものがとても簡素な、易しいものに見えてきます。こうなれば効果は十分にあり、今まで見えなかったもの、感じることができなかったもの、それらを捕らえることが容易になって、総合的な飛行技術は向上したと言えます。




左、右、左・・・

IntermediateではVertical Upでの1/4 Rollが加わります。Elevator側を動かさずに、Aileronのみを動かせるよう、地上で繰り返し練習します。あと100回がんばってください。




Snap Rollができた!

私も、教官から「すぐにできると思うな。少なくとも500回は練習しろ。」と言われました。Pitts S-2BはSnap Rollが難しいという評判があります。確かにExtraなどに比べると難易度は高いと思いますが、飛行機の性能に頼らずにSnap Rollを行う技術を得られる、いい飛行機だと思います。




Skydive Monterey Bay

曲技飛行ではParachuteを身に着けることが定められていますが、Sky Divingの経験の有無で緊急時の対処は大きく変わります。では、今回の滞在中に、せめてインストラクターとのTandem Jumpを経験してみましょう。

Skydive Monterey Bay http://www.skydivemontereybay.com/




私もここで初めてのSky Divingを経験しました。曲技飛行は最もエキサイティングなSky Sportsと思っていましたが、それは大きな間違いでした。15,000ft上空から真下を見たときの驚きと恐怖は今でも覚えています。




待ちきれない様子です。




こちらでKing Airのパイロットをされているデイブさん。彼もPitts S-2Sを所有する曲技飛行競技者です。本業が忙しくて、競技になかなか参加できないことが悩みです。




担当のブライアンさんがHarnessの取り付けを手伝います。いつも思うことですが、彼らSky Diverは背筋が伸びて魅力的です。私は子供の頃、「男は上を向いて歩け」と父親に叱られたものですが、今でも治りません。




機体から飛び出す際の練習。




第一陣が出発です。行ってらっしゃい!




Parachuteが開きました!




続々と降りてきます。










もうすぐですね! ・・・おや?

私も一緒にKing Airに搭乗したので写真は撮れませんでしたが、もちろん飯島さんも初Sky Divingを行いました。勇気を出してがんばりました。




Yes! 





Vertical RollにSnap Roll、最終的にはIntermediateのKnown Sequenceも飛べるようになりました。私が思うに、PowerのIntermediateを飛行する日本人女性競技者はいらっしゃいませんから、飯島さんが初めてではないでしょうか。競技に出場するにはもっと練習が必要ですが、誰でも最初は初心者です。日本でも練習を楽しんでください。応援しております。

2015年9月20日日曜日

RiBMoとサイクリング


競技会も迫ったある日。練習も大詰めですが、滑走路の塗装のため2日間閉鎖になってしまいました。では、明日はサイクリングに行ってみます。




目的地は19.5 Miles(約31km)先のCA州Jolon(ホロンと発音)です。日本なら、途中にコンビニエンスストアなどがありそうですが、経路上も、目的地にも、何もありません。暑くなりそうですので朝早くに出発した方がよさそうです。




準備完了

朝7時には出る予定でしたが、霧のために気温13度C。寒くて外に出られませんでした。




Specializedの保温ボトルを2つ。炎天下でも冷たい水が飲めるわけではありませんが、外気温よりも低い温度は本当に助かります。予備にボトルをもう1つカバンに入れました。

Specialized Insulated Water Bottle: http://www.specialized.com/us/en/ftb/bottles-cages/water-bottles/23-oz-purist-insulated-watergate




舗装路用のタイヤとホイールを新たに購入しました。入れ替えれば、舗装路とオフロードを両方楽しめます。

タイヤはPanasonic社製のRiBMo、26 X 1.5。26 inのリムブレーキ用のホイールは探すのが大変です。このホイールもドイツからの輸入になってしまいました。ちなみに、タイヤの品名のRiBMoは「Ride Bicycle More!」からの造語だそうです。




自宅からまだ5km。大きなクモが道を渡っていました。タランチュラだそうです。毒はないそうですが(本当?)怖いです。




出発して約1時間。霧が晴れて、暑くなってきました。初めて見つけた木陰で一休み。

当然ですが、RiBMoは抵抗が少なく、いつものタイヤで約20km/hの速度で走る労力で、約25km/hで走れました。空気圧を上げた細いタイヤなので、路面の凹凸や振動を強く感じますが、これは仕方がありません。




最高地点。止まらずに乗り切りました。あとおよそ10kmで目的地。冷えた水が嬉しい。




残り約10km。道路沿いにホテルの焼け跡を見つけました。




「The Dutton Hotel」 興味深い内容です。




ゴール!

31kmの距離で約2時間半かかりました。昔は朝から夕方まで山道をサイクリングしていた私ですが、その体力はもうありません。でも、Road Bikeではないこの自転車で、非力な私にしてはまあまあでしょうか。

ここにはFort Hunter Liggettという陸軍の訓練基地があり、C-130やOspreyが訓練飛行を行っていました。基地を除けば、ここから一番近い店やレストランは20-30km先。それ以外は草原を除いて何もないところです。




では、一休みの後、King Cityへ。

向かい風と疲れもありましたが、お尻が痛くて10分毎に休みながら走りました。昔のオートバイ事故で骨盤が歪んでいるので、サドルが合っていないことが原因かもしれません。もう少し楽に走れたらと思いましたが、とても楽しい休日でした。

2015年9月5日土曜日

A new MTV-9 propeller!




発注から3ヶ月。待ちに待った新しいPropellerが届きました。これまでと同じMT-Propeller社製のMTV-9-B-Cですが、こちらは幅広の “‐25” と呼ばれるPropeller Bladeを装備しています。細身の “-15” は空気抵抗が少ないという点ではよかったのですが、推力を発生する効率に劣っており、常々不満を感じていました。試験飛行の結果は素晴らしく、空気をしっかり掴み、飛行機を前へ進めてくれる感触がありました。




Spinnerの塗装中。形状も砲弾型に変わりました。




完成




MT-Propeller社様からサポートをいただきました。ありがとうございます。




それでは、練習を再開します。


9月4日から6日までCA州Delanoで行われる競技会に向け、数日間練習を続けていましたが、Figureそれぞれの精度と高度管理に満足できず、欠場することにしました。残念です。気を取り直して、9月下旬のSalinas空港で行われるAir Showの準備を始めます。

“‐25” の幅広のBladeとなってもPropeller自体の重量変化はなく、ジャイロの摂動による影響は以前と変わりません。飛行性能で変わったことは、Vertical Penetration(垂直方向への獲得可能な高度差)が約1600ftから約1700ftになったことです。正直なところ、「2000ftくらいまで昇れるか?」と期待していた私としては、少々がっかりさせられましたが。

しかし、劇的な数字の変化はなくとも、極低速域でもPropellerがしっかりと空気を掴み、以前のような空回りしているような感触はもうありません。Throttle変化にも敏感に反応し、飛行機との対話が円滑に、即座にできるようになったように思えます。




〈動画〉 Double Hammerhead Turn

以前はどうしても機首姿勢が下がってしまっていたDouble Hammerhead Turnも、ほぼ同一面で行えるようになりました。こうして、機械に頼って自身の可能性を広げていくことが本当にスポーツなのかという疑問はありますが・・・。もちろん、この新しいPropellerの性能には大いに満足で、もう以前の装備には戻れません。

曲技飛行用のPropellerとしては、Carbon Fiber製のBladeを装備したHartzell Clawが最高と言われますが、問題はその金額です。10年前の金額が$45,000、現在ではそれ以上と言われています。MTV-9は木製Bladeを装備し、金額は$14,000台。MT-Propellerでは一般的に見られた油脂の漏れは全く見られません。

欠点は、Unlimited Levelの曲技飛行を行った場合に求められる2年毎のTear down inspectionですが、冬の整備期間に行えば問題はないことでしょう。1/3の金額でHartzell Clawと同等の性能が得られる優位性は十分にあると考えます。よい買い物ができました。

2015年9月2日水曜日

Zbraslaviceの日々 2


暑いJudge Lineでも、日陰を上手く作ると快適です。(写真提供: Ruda Jung氏)

日によっては、朝7時集合、夕方8時まで飛行が続くこともありました。あまり気を張り詰めていると体力が持ちません。合間にはお菓子を食べ、お茶を飲んで、歌を歌って(?)、乗り切ります。



私: 『きーたぐーにーの たーびのそーら』 この歌何でしょう?
鐘尾さん: ・・・音程ずれているし、判らないよ。(私は歌が下手です)
私: そうですか?一応、小林旭なんですけれどね。


私: 『お前がいつか大地を掘り起こしたら、俺たちの赤い血が流れているだろう』 このセリフ判りますか?
鐘尾さん: え?戦争映画?
私: 「銀河鉄道999」ですよ。セリフが男臭くて格好いいんです。他には・・・(以下続く)


鐘尾さん、馬鹿な話にもお付き合いいただいて、本当にありがとうございました。




今回のレンタカーはSkoda Citigo。チェコではこのような小さな車が人気のようです。私でも運転は気を使わずに済みました。




一日中風が強く、夕方になって今日の飛行は取りやめという発表がありました。では、近くのKutna Hora(クトナー ホラ)に観光へ行きましょう。ここは昔、プラハよりも栄えた町だったそうです。




酒井さんの調査によると、町の中心部はUNESCOの世界遺産だそうです。




ちょっとした路地も歴史を感じます。




ホテルに日本国旗がありました。日本の方が観光に来られているのでしょうか?




聖バルバラ教会。屋根の造りが圧巻です。




14世紀から作り始められて、完成は20世紀までかかったそうです。




短い時間でしたが、観光を楽しめて満足です。




最後の昼食。

選手権が始まって10日目。UnlimitedとAdvancedの両Categoryで、Known、Free、Unknown 1、Free Unknown 1、Unknown 2の5飛行を終えました。総飛行回数は390回。本当に長い日々でした。




最終日の午後は小さなAir Showが開かれました。




ロシア製(?)のヘリコプター。見学したかったのですが、子供たちで賑わっていたので諦めました。




ラジコン機の展示飛行もありました。




不思議な形の双発機。窓が大きく、とても優雅です。




上空を通過するSAAB Gripen。チェコ空軍は西側の飛行機も導入しているようです。




いつの間にか、国旗も片付けられていました。




もうすぐ閉会式です。




Advanced CategoryのTeam優勝はポーランドです。おめでとうございます。




ジャッジ、アシスタントジャッジ、受付や手伝いの方々。お疲れさまでした。
(写真提供: Ruda Jung氏)



今回、Glider AerobaticsのGrading Judgeを初めて行いましたが、10日間を通して、自身の得意な部分と苦手な部分、そして能力の限界を身を持って知りました。

私は当初、Power Aerobaticsと比較すると、Gliderでは個々のFigureの構成は簡素ですから、およそPowerでのIntermediateくらいの難易度ではと、気楽に考えていました。しかし、Gliderは飛行速度がPowerよりも遅く、それでいてLoad FactorはPowerと変わらない飛行となるため、個々のFigureで費やされる時間はPowerよりも短くなります。Figureも飛行もあっという間に終えられてしまい、早い判定と採点が継続して行われなくてはなりません。

疲れてくると、判定で時間がかかってしまい、慌ててしまうことも何度もありました。飛ぶことだけでなく、Glider AerobaticsはJudgeとしても挑戦が大きい競技です。




ジャッジ チームの皆さん。(写真提供: Ruda Jung氏)

皆さん、10日間お世話になりました。よい経験の場と、思い出をありがとうございます。