2023年6月13日火曜日

2023 Hammerhead Roundup

CA州ボレゴバレー飛行場(L08)での曲技飛行競技会は例年春と秋の2回行われます。春の競技会は遅くても4月中旬までに行われることが通常ですが、今年はボレゴスプリングス市との調整などが関係して、4月下旬となりました。となると、気になるのは暑さです。競技期間中の予報は最高気温38℃! 大丈夫でしょうか。



まだ雪が残る、標高10,000ft+の山々。



公式練習は木曜日です。私とEさんは月曜日に到着し、事前のトレーニングキャンプに参加します。気合が入ります。



おやすみ、Pitts Special S-2S。



翌火曜日。練習飛行を続けます。冬のトレーニングキャンプもあって、Eさんの飛行は安定しています。私も負けてはいられません。練習飛行を続け、10月のWAACを目指します。



ただ気になるのは、愛機の燃料圧力が若干低いことです。通常飛行には問題ありませんが、曲技飛行中にLow Fuel Pressureの警告灯が点灯していました。残念ながら今回は競技参加はキャンセルし、裏方に回ります。



昨年Veloxを購入した、曲技飛行仲間の晴美さん。今回は初めての競技会参加ということで、Super Decathlonで参加します。私はジャッジと晴美さんのセーフティーパイロットを努めます。



・・・準備よし。



私が8KCAB Super Decathlonに乗るのはおそらく10年振りです。基礎の曲技飛行訓練に、曲技飛行競技におすすめの、素晴らしい飛行機です。



晴美さんと私、そしてSuper Decathlon。練習飛行に上がります。行ってきます。



金曜日、競技会1日目。ブリーフィングは飛行場のレストランで行われました。



記念撮影です。競技に参加の飛行機の邪魔にならないよう、隅に置かれた愛機が写っています。次の競技会ではまた一緒に飛ぼう。

写真提供: IAC Chapter 36



Unlimited、Intermediate、Primaryが1グループになりました。このフライトオーダーに、今回はグライダーも加わります。にぎやかになります。



競技飛行に参加しない競技会・・・。通常は緊張に包まれるこの時間ですが、今回はそれがありません。寂しさを感じます。



Sportsmanに参加するSuper Decathlon(左)と、Intermediateに参加のPitts S-1S(右)。



グライダー部門に参加のMDM-1 Fox。



競技開始です。今回飛行機をシェアするリサさん。行ってらっしゃい。



Great Lakes 2T-1A。



スターターの皆さん。暑い中ありがとうございます。



Great Lakes 2T-1AはIntermediateまでは飛行可能な性能がありますが、Sportsmanのシークエンスでも途中でブレイクして再上昇するなど、Super Decathlonで飛行する以上に綿密な高度管理が必要です。Great Lakesの性能を知り尽くした彼らの飛行は素晴らしいものでした。



晴美さんの飛行の番がやってきました。



では行きましょう。晴美さん、がんばってください!



Loop!

練習の機会も限られましたが、本当によくがんばりました。



Intermediateに参加のLaser 200。



今回、3機のGreat Lakes 2T-1Aが参加しました。Super Decathlonもよい機種ですが、オープンコックピットのGreat Lakesもまた魅力的。安易にPittsやExtraで参加するよりも、PrimaryやSportsmanにはお勧めの飛行機です。私も機会を見つけて、これらの飛行機で参加してみたいものです。



土曜日の夜。宿泊するホテルで表彰式です。



暑く、熱い競技会でした。穏やかな夜の空気と虫の音が心地よいです。晴美さん、初競技会おめでとうございます。Eさん、次回トレーシー飛行場での競技会には私も参加しますので、またよろしくお願いします。

2023年6月11日日曜日

2023 Pitts Special S-2S 整備作業

カリフォルニア州はここ数年降水量が極端に少なく、異常な干ばつが続いていました。貯水池の量は10%未満となり、ここは人が住めなくなるのではないか・・・と心配していましたが、1月から雨が頻繁に降るようになり、また緑が戻りました。本当によかったです。



Pitts Special S-2Sの整備に入ります。今回の作業の一つは、燃料とスモークシステムの配管をAeroquip Hose(写真の矢印部)から軽量なアルミニウム製の配管に変更することです。



燃料の配管を5本外しました。



柔軟性に富む3003のアルミニウム配管を曲げ、形を整えます。可能な限り短く、しかし作業性も考えて長さと形を決定します。



ラダーケーブルの固定部分の検査です。ボルトを外して検査すると、ブッシング部が摩耗していました。交換します。





Good!



胴体右側のアクセスパネルの作業です。パネル下側のヒンジで外側に開くようにしていました。落としたりなくしたりする心配はないものの、しかしパネルが作業の邪魔になることも多く、悩んでいました。全周全てをCamlocを配置して、パネルが外れるように変更します。



左のバッテリーは2019年に購入したEarthX ETX1200 リチウム電池です。24.8AHと十分な容量がありながら、わずか3.1㎏という軽量なバッテリーでしたが、リチウム電池に特有の発熱問題もまれにあるようで、今回をもって交換することにしました。右は以前使用していた、33AHの容量のEnerSys社製NP33-12です。



NP33-12は11.8㎏と重さがあるものの、信頼性を考慮すると、現状では従来からの鉛蓄電池が正解だと思います。



ENGカウル内の温度低下を求めて、エキゾーストパイプにThermoTec社の断熱材を試してみました。さて、どのような効果が得られるでしょうか。



取り外したAeroquip Hosesの品質は問題ありません。これらを再利用して、ENG部のバルブカバーからの、オイルリターンラインを作成しました。



オイルリターンラインのクランプ部分からはいつもオイルが染み出し、不満がありました。写真の矢印のようにAeroquip Hoseに変更して、オイル漏れ対策としました。熱対策を施して完了です。

エキゾーストパイプの断熱材は、ジョイント部なども含め、全てを覆うことはできませんでした。思ったよりもギャップがあり、全体の半分を覆っただけです。次回はセラミックコーティングなどを考えます。



胴体横のデカールを新調します。尖った部分は掃除中などに剝がれやすく気を使いました。縁取りしたデカールで解決です。



赤が少し薄いように感じますが、Good!です。



4月。整備が終わりました。格納庫を掃除して、試験飛行です。



美しいカリフォルニア州。



胴体右側のアクセスパネルです。きれいに仕上がりました。



試験飛行の後、ENGカウル内を検査します。オイル漏れは一切なし。Good!




プロペラのオーバーホールも完了しました。 $8,000という当初の見積に追加修理が加わり、$12,000の出費になりました・・・。思うところがありますが、今はこの飛行機との飛行がうれしいです。