2014年7月30日水曜日

潤滑油系統に悩まされる




問題点その7。Oil Pressureが不安定。どのような状況かと言いますと・・・。


始動直後 85 PSI (600 RPM、80度F)
暖気運転中 90 PSI (1,200 RPM、80 - 85度F)
Runup時 90 - 95 PSI (1,700 RPM、100 - 120度F)
上昇中 90 PSI → 65 PSIへ減少 (2,500 RPM、140度F - 170度F)
曲技飛行中 50 - 60 PSI (2,700 RPM、170度F - 200 F)
降下時 65 - 75 PSI (2,200 RPM、180度F)
着陸後 27 PSI (500 RPM、180度F)


始動直後と飛行中のOil Pressureの差が大きく気になります。ほぼ許容範囲内ですが、飛行中は少なくとも65 - 70 PSIは欲しいものです。さらに気になるのは、着陸後の27 PSIという数字。聞くと、同じLyCon社のEngineはこのような問題が多いそうで、他の仲間も苦労しているようです。CrankshaftなどのBearingのClearanceが過大で、内部漏れでも起こしているのでしょうか。Oil Pressureで神経質になるのは過去のトラウマか?




再びEngine Oilを抜き、今度はGravity Valve(Three Way Valve)のReseatingを行います。これが問題とも思えませんが、想定できる要因は一つ一つ解決していきます。




取り外した内部部品。金属球が2つ入っていて、重力の方向(正または負)でEngine Oilの流れを切り替えます。傷もなく、内部の状況もよいようですが、念のためにReseatingを行い、内部漏れの可能性を消去します。




関係ありませんが、Oil Dip Stickにちょっとした加工をしました。




Engine Oilが新しく、まだ色が薄いとき、量が見辛いことが多くあります。Dip Stickの表面を軽くSand Blastをかけて艶消し状態にし、光り具合で判るようになりました。



試験飛行を行ったところ、背面飛行でのOil Pressureが多少向上し、Reseatingの効果が見られました。ですが、根本的なところで解決が見られません。あまり期待もできませんが、Oil Pressure Relief Valveの部品を交換して様子を見ようと思います。




たった3週間でしたが、競技会後そのまま格納庫に置き去りにされて、飛行機は埃だらけです。ワックスをかけてきれいにしてあげましょう。




写真ではあまり判りませんが、表面の艶もなくなり、色にムラが見えます。遠くからは判りませんし、Fabricの張りも十分ですから、あと2年くらいはこのまま飛行もできることでしょう。いずれ、冬の間の一ヶ月くらいを目処に、上下の主翼を張替えする計画です。お手伝いをしてくださる方1-2名を募集です。




それでも、一応は飛行が可能な状態になりました。乗りやすい飛行機になったことで、飛ぶことが楽しくなりました。Freeも新たに作成し、4 minute freeの改良など、練習飛行を再開します。

2014年7月26日土曜日

転ばぬ先に




今日からPitts S-2Sの整備作業に入ります。気になることがいくつかあるので、この機会に改善することにします。




問題点その1。昨年のBlog(地上走行中の静安定の改善を求めて)でも書いたことですが、Taxiing中の直進性の改善が急務です。前回の作業で多少は改善したものの、相変わらず負であることは変わらず、着陸後の減速時やTaxiing時に何度もGround Loopを起こしそうになっていました。飛行機を壊す前にこの負の連鎖に終止符を打つことにします。




まずは尾脚の取り外しを行います。この飛行機には胴体側にJack Pointがありません。どうしようかといつも悩みます。




プレスを使い、緩やかに約12度の角度を付けました。




取り外しも苦労しますが、取り付けがまた大変です。なぜ根本的な改良をせず、騙しながら乗っていたのかと言いますと、この作業が非常に面倒だからです。Elevator Hinge部分の小さなAccess Panelから、Extension BarとUniversal Jointをいくつか組み合わせて、胴体下部のBoltを操作します。いずれ、胴体のFabricの張替えをするときには、側面に新たにAccess Panelを設けようと思います。




苦労すること約1時間。Castle NutにCotter Pinが入りました。もう安心です。




初めてこの飛行機で直進安定性を得ることができました。暴れ馬だったPitts S-2SがまるでCessna 172のようです。世界は平和です。




後へ押すときも問題はありません。DONE!




問題点その2。Smoke Oil Tankのキャップが遠く届かない。簡単にSmoke Oilを入れられるように、新たに注ぎ口を取り付けました。これで解決です。




問題点その3。Number 3 Cylinderの排気漏れ。Nutを締めても、Gasketを交換しても漏れが続いていた箇所です。Exhaust Stackの表面を平らにResurfaceして解決しました。




問題点その4。Engine Cowlの接触部のテープが劣化してきました。接触面が磨り減ってしまう前に交換しました。完了です。




問題点その5。無線の送信時に雑音が多く、また周波数の変更ノブのUp/Downが不安定。修理に出して治りましたが、代金が$1,100・・・。あと$500で新品が買える金額です。本当にAvionicsは高価です。簡素な飛行機でよかった。

試験飛行は終えられましたが、最後の問題がなかなか解決しません。どうしたものでしょう。次回に続きます。

2014年7月21日月曜日

Specialized Stumpjumper M2 組み立て作業

ポーランドから戻り、楽しみにしていたSpecialized Stumpjumper M2の立て作業に入ります。塗装も完了し、注文していた部品も揃い、組み立ての準備が整いました。




作業前




塗装の剥離作業中




Powder Coatingから戻ってきたFrameに部品を取り付けていきます。色は原型に近いダークブルー。とてもきれいです。




Bottom Bracketに続いてHeadsetを取り付け。




購入から10年以上経過していますから、RockShox Judy SLのSuspension Forkのオイル交換も行います。O-Ringの交換もしておくべきでしょうが、もう交換部品もありません。交換が必要になったらどうしよう?




10段変速のCassette。さすがにすごいギアの数!11-36の歯数を選択したので、King Cityの強風にも対応可です。




車輪を付けると自転車らしくなります。元気が出てきます。




後側のV-Brake部分。




前側Derailleurの取り付け。位置はここでいいかな?




Shift Cableを這わせます。




変速の状態はよいようです。各部の締め具合を確認して、ついに試乗です。




1995年製 Specialized Stumpjumper M2、完成。


















「Specialized」のステッカーを新たに手に入れましたが、このままでも十分格好よく見えます。今後、29 inch WheelのMTBが主流になると、このような26 inch Wheels、Rim Brakes、Hardtail、Diamond Frameの組み合わせの自転車はさらに珍しい存在になることでしょう。すると、26インチのタイヤもホイールも廃れ、いずれは手に入らなくなることも十分に考えられます。いつまで乗っていられるのだろうかという不安もありますが、私の思い出の一品として、大事にしたいと思います。

2014年7月17日木曜日

ポーランドの車窓から

7月13日

1週間のポーランドの滞在はあっという間でした。半月近くにわたって行われるWGACなどに比べると、少し物足りない気もします。WGAC直前訓練の地上からのコーチングのリクエストを受けましたが、航空券の変更をするには時間が足りずに諦めることになりました。明日の朝の飛行機に間に合うように、今日はPoznanまで行くことにします。




Torun駅

情報によれば、このTorunの駅からPoznanに行けるようです。しかし、地理も知らず、路線図もなく、ポーランド語も読めず、車内放送も判らない私にとってはちょっとした冒険です。




ポーランド語は「Dzień dobry(ジンダブレ)」(おはようございます、こんにちは)と、「Dziękuję(ジェンクイエ)」(ありがとうございます)の2つしか知らない私ですが、何とか切符が買えました。17時39分発のPoznan行きと、WAGON 15(15号車?)、63番という指定席は読めます。


私: 途中で乗り換えは必要ですか?
駅員: Nie. (いいえ)
私: 直通で行けるのですね?
駅員: Tak.(はい)

不安です。




駅の柱に時刻表らしきものが見えました。どう読むのかさっぱり判りませんでしたが、小さく英語でも書かれていて、少し暗号解析ができました。どうやら購入した券でPoznanまでたどり着けるようです。




こちらは車両の編成表。機関車+客車5両、15号車といっても、編成は長くはないようです。でも、ホームのどの辺りにいればいいのでしょうか。




出発までまだ1時間ありますが、不安だったのでホームで待つことにします。




近代的な列車。架線はありますが、ディーゼル車でした。




いくつか列車がやってきて、そして出発して行きます。ホームでボーっとしていると、古い機関車に引かれた列車がやってきました。まだ30分ほどあるので、この列車の次かな?と思いましたが、プレートにはPoznan行きの列車番号があることに気付きました。どうやらこれのようです。




機関車も客車も、日本ではとても見られないような古い車両でした。子供のころに見た、外国の鉄道車両そのままです。車内はきれいですが、クーラーはなく、窓を全開にして走ります。風が心地よいです。






「Gniezno」? どこにいるのかさっぱりです。




古い東欧時代の名残が見える駅。あと30分ほどでPoznanのはずです。




到着予定時間の10分ほど前に大きな駅に着きました。人がたくさん降りて行くので、ここがPoznanと思われます。




駅のどこへ行けばいいのか、うろうろと歩くこと20分。そもそもここは本当にPoznanなのでしょうか。




駅名発見! Poznanでした。



Glownyとは「中央」という意味のようですので、ポズナン中央駅というところでしょう。ここまで来ればあとはもう大丈夫。King Cityに帰ったら、自転車の組み立てと、飛行機の整備と改修作業。そしていつもの仕事です。楽しい夏の1週間でした。