2014年4月28日月曜日

砂嵐は連れてくる



一日の仕事が終わり、練習飛行へ。



・・・おや、西の空が霞んで見えますが、霧でしょうか?それにしては、どことなく茶色く濁っているような。何と、正体は砂嵐でした。恐ろしい勢いで迫る砂塵に、建物が次々に砂嵐に飲み込まれていきます。これはいけません。強風に煽られながら飛行機を格納庫にしまい、危機一髪で砂嵐を回避しました。King Cityはなかなかワイルドなところです。

格納庫に砂粒が当たる音が2時間ほど続いて、ようやく収まりました。飛行ができなかったことは残念でしたが、面白いものが見れました。そう言えば、冷蔵庫の食料が底を尽いているのでした。部屋に荷物を置いたら買い物に出かけましょう。

さて、いつもの道を自転車で帰ります。・・・何かがおかしい。どうも町の様子が変です。どこに向かうでもなく、道路を右往左往している車。前を向いたまま、確認もせずに道路を横断する人。行き交う人々にはメキシコ人特有の陽気さがなく、生気がありません。不思議に思っていると、突然対向車が目の前を横切って、路肩に駐車してきました。いつもと違うKing Cityの町に奇妙な違和感を覚えました。


砂嵐と共にやってきた、得体の知れない何かが人々と町を変えてしまった。
私も何かに狙われている。
私は無事にこの町から脱出できるのか。


・・・などというドラマチックな展開にはなりませんが、正直、不思議な薄気味悪さを感じました。「今日は部屋から出ないほうがよさそうだな」と、買い物は取りやめて、部屋でおとなしくすることにします。




.308 Winchester


すっかり忘れていましたが、前回の射撃で持ち帰った薬莢の手入れをして、次回に向けて弾薬を製作しなくてはいけないのでした。.308 Winchesterの薬莢の清掃と検査を行い、長さを2.005 inに揃えて・・・




Ready to deploy


Primer(雷管)を底部に取り付け、Powder(火薬)を入れ、Bullet(弾頭)を取り付けて。長距離射撃競技向けの決戦用弾薬の完成です。気温15度Cで、秒速2635 ftの銃口初速、100 Yardsで0.3 inch以内の集弾性能があるはずです。






今週はApple Valley空港での曲技飛行競技会です。が、前回のBorregoの競技会に続き、こちらも残念ながらCancelとなってしまいました。今年はSean D. Tucker氏の率いるTeam OracleのAir Showのお手伝いで忙しくなりそうです。お会いすることを楽しみにしていたのに、またこんなことになってしまいとても残念です。






参加される皆さんの活躍をお祈りします。次回、New Coalingaではお会いしましょう。

2014年4月21日月曜日

ご協力ありがとうございます



KAIYO DENSHI


海洋電子株式会社様、ご協力ありがとうございます。

海洋電子株式会社 http://www.kaiyodenshi.co.jp/






Redfox Airshows (http://redfoxairshows.com/)はスポンサーを募集しております。自転車競技やフィギュアスケートなど、他のスポーツ活動に対する資金援助はよく知られるところですが、曲技飛行競技やAir Showとなると、考慮の対象にもされないようです。知名度や人気を考えれば当然かもしれませんが、ならば、なお一層の努力が必要ということなのでしょう。

Redfox Airshowsの活動に賛同してくださる方。曲技飛行を通して航空文化を発展することを希望する方。または、何か面白そうだなと思われた方。皆様からの連絡をお待ちしております。

2014年4月20日日曜日

Oracle Challenger II




社員が揃っての春の訓練も無事に終わりました。さて、ようやく自身の練習飛行ができると思っていると、さらに課題を渡されてしまいました。Sean D. Tucker氏がAir Showで使用する、通称「Oracle Challenger III」の完熟飛行です。





Oracle Challenger II

現在のところ、Oracle Challengerは2機あり、新しいChallenger IIIが現在のShow Planeとして使用され、古いChallenger IIはBackup(予備)そして練習用として使われています。基本的にはPitts S-2Sであるこの飛行機ですが、最大出力は400HP以上、原型を留めないほどに改造が加えられています。


Boss: 俺たちが飛ばさないで、他の誰がこの飛行機を飛ばせるって言うんだ?


今からFerry Flightの準備をしておけということだそうです。頼りにされるのは嬉しいのですが、貴重な飛行機ですから気が進みません。まずはBackupであるこのChallenger IIで練習飛行です。




高い推力を発生するHartzell Claw Propellerと、Steve Wolf氏製作のCarbon Fiber製のEngine Cowl。このCowlingは空気抵抗が少なく、速度が格段に違うそうです。側面に扉がないために整備には手間がかかりそうですが、性能には興味津々。




Wheel Fairing

Titanium製のLanding Gearは接地時の衝撃で弾みやすく、着陸には注意が必要だそうです。Go aroundの準備をしておけば大丈夫でしょう。




下側主翼のI-Strut部




上側主翼のI-Strut部

通常のPittsで見られる、I-Strutと主翼の間の隙間がありません。素晴らしい。




主翼左側翼端部

一般的なPittsは下側主翼に上反角がありますが、この飛行機は上半角は無しとなっています。Great Lakesほどではありませんが、地面とのClearanceは少なく、横風時のWing Lowには注意が必要です。




内側Aileron部

この飛行機は上側4枚、下側4枚の、計8枚のAileronが装備されています。効果がどれほどあるのかは判りませんが、強い主張ができることは確かです。




機体尾部

Stabilizerは4本のBrace Wireで保持されています。私のS-2Sにもぜひ施したい改造です。




Elebator部

驚くほどの作動角を持つElevator。Servo Tabが取り付けられ、高速でもElevatorは非常に軽く操作できます。




SkyDynamics社製の6 into 1 Exhaust System

理論的には6 into 1の方が出力が上がるそうですが、実際の効果はそれほどでもないとも言われます。どうなのでしょう?自身のS-2Sの2本組みのExhaustの方が、Smoke Oilの燃焼効率も良いように思いますし、見た目も格好いいかな?と、満足している部分です。




Pitot Tube & Aileron Spade

Spadeはいろいろな大きさと形を試したそうです。確かに軽く、操縦しやすい特性でした。




操縦席




周囲をもう一度確認して、Pre-flight inspection完了です。燃料を補給して飛行に上がることにします。




風は穏やか。初飛行にはこれ以上ないくらいの好条件です。それでは、出発しましょう。




Oracle Challenger II 練習飛行

初めての飛行機ですから、内容はSlow FlightにStall、Spins、そして軽い曲技飛行に留め、離着陸を何回か行います。尾輪が小径のため、「Wheel Landingで降ろせ」と要求されました。Titanium製のLanding Gearはバネ性が強く、そして剛性が低く、緩やかな接地にも関わらず、接地時に大きく変形することがわかりました。






しばらくはここに飛行機を置いておくそうなので、時間を見つけて練習を行いたいと思います。Oracle Challenger IIは確かに素晴らしい飛行機ですが、飛行機というより、どことなく曲芸飛行専用機(注: 曲技飛行用飛行機ではない)という感じがする乗り物です。飛行性能では叶いませんが、まだ飛行機らしさの残る自身のPitts S-2Sが好みだと思いました。

2014年4月14日月曜日

硝煙漂う春風




King Cityに引越しをしてそろそろ1年になりますが、日本やヨーロッパに出向いているときを除くと、ほぼ毎日が空港と家の往復だけ。Laser 200は製作途中、Unlimitedの練習飛行もまだ発展途上。しかし、たまには趣味の時間を持ってもいいのではないでしょうか。と、勝手に納得して、今日は久しぶりに遊びに出かけてみます。




草原の中を走る198号線。
青い空、緑の大地。CA州は今の季節がいちばんきれいです。




行き先はCoalingaです。




どうやら目的地はこの油田の中にあるようです。





Silhoutte Range
100 Yardsから550 Yardsまで、いろいろな的が揃っています。



通常、週末の射撃場は人で込み合っているものですが、ここは談笑しているお年寄りが2人いるだけで、射撃にやってきたのは私だけでした。聞くと、月に数回の競技会以外、ほとんどこのような状態だそうです。




距離547 yards(498 m)。
気圧高度867 ft、気温80度F、風向4時半、風速8 MPH・・・




ScopeのElevation(上下角修正)を12.73 MOA*、Windage(横風修正)を右に3.2 MOAに・・・



このスコープは20倍と高倍率なため、気温が上がると陽炎で標的が見辛くなりますが、陽炎の動きで風が読めるという利点もあります。特に、このような丘に囲まれた場所は風向きが頻繁に変わりますから、Windage(横風修正)は0のままにして、目測で射撃した方が対応が早いです。




こちらはPistol Range。
ここも貸切状態です。



これまで自分が通っていた射撃場には必ずRange Masterと呼ばれる係員がいましたが、ここでは自分自身で、または周囲の人と連携して安全確認をしなくてはいけません。




完全分解されたSig P-229R。




Ready to go




Remington M700SS 5Rも分解して清掃します。



Coalingaの射撃場までは距離にして約60 Miles(約100 km)。山道を走っておよそ1時間半ほどかかりますが、設備と環境は最高です。しばらく練習して、また長距離射撃競技にも参加してみたいものです。よい遊び場を見つけました。



*MOAは「Minute of Angle」の略で、角度の単位です。1度の60分の1を1 MOA、1分と呼びます。100 Yards(約91 m)の距離では、1 MOAは約1.04 inch、およそ1 inchに相当します。標的までの距離や横風の補正、また弾着の修正に用いられます。

私も射撃の専門家ではありませんが・・・。550 Yardsの距離の射撃に12.73 MOAのElevation補正が必要ということは、銃を基準(私の銃は100 YardsでZero inしています)よりも12.73 / 60度上向きに射撃するということですから、12.73 MOA X 550 Yards / 100 = 70.02、基準よりも標的の約70 inches(約178 cm)上を狙っているということと同じです。直線で飛行しているように見える弾頭も、実は放物線を描いてゆるやかに弾道飛行をしているという話でした。

2014年4月7日月曜日

春の集中訓練



しばらく雨のない天気が続いていたCA州ですが、3月下旬からまた雨が見えるようになりました。
今日は大丈夫でしょうか。




朝のうちは晴れていましたが、西にはまた雨雲が近付いてきています。
あと1時間はVMCのままでいて欲しいのですが。 




職場の周りにはカタツムリがたくさん住んでいます。雨の日や涼しい朝方に活発に移動するようですが、うっかり遠くまで出かけてしまい、暑さで立ち往生している子達も見られます。救出作戦を開始します。




飛行はいかがでしたか?
雨雲が来る前に次の飛行の準備をしましょう。




ご覧の通り散らかったままの格納庫。
今日こそは片付けをします。




格納庫を開けると、すぐに小鳥がやってきて騒ぎ出します。
いつも番でいる中のよい二羽で、おそらく巣作りをしたいのでしょう。
でも申し訳ないけれど、他所にあたってください。



4月10日から12日まで、Borrego Valley空港での競技会に参加する予定でしたが、職場での春の集中訓練の計画を入れられてしまいました。仕方ありません、Borregoの競技会はキャンセルです。




2014年04月05日 練習風景
趣向を変えて、水平尾翼にカメラを取り付けてみました。
音が大きいので、再生には十分にご注意ください。



キャンセルは残念ですが、上の動画をご覧のように練習もまだ必要ですから、これは逃げるよい口実かもしれません。競技会参加の皆さま、次回Apple Valleyの競技会でお会いしましょう。