社員が揃っての春の訓練も無事に終わりました。さて、ようやく自身の練習飛行ができると思っていると、さらに課題を渡されてしまいました。Sean D. Tucker氏がAir Showで使用する、通称「Oracle Challenger III」の完熟飛行です。
Oracle Challenger II
現在のところ、Oracle Challengerは2機あり、新しいChallenger IIIが現在のShow Planeとして使用され、古いChallenger IIはBackup(予備)そして練習用として使われています。基本的にはPitts S-2Sであるこの飛行機ですが、最大出力は400HP以上、原型を留めないほどに改造が加えられています。
Boss: 俺たちが飛ばさないで、他の誰がこの飛行機を飛ばせるって言うんだ?
今からFerry Flightの準備をしておけということだそうです。頼りにされるのは嬉しいのですが、貴重な飛行機ですから気が進みません。まずはBackupであるこのChallenger IIで練習飛行です。
高い推力を発生するHartzell Claw Propellerと、Steve Wolf氏製作のCarbon Fiber製のEngine Cowl。このCowlingは空気抵抗が少なく、速度が格段に違うそうです。側面に扉がないために整備には手間がかかりそうですが、性能には興味津々。
Wheel Fairing
Titanium製のLanding Gearは接地時の衝撃で弾みやすく、着陸には注意が必要だそうです。Go aroundの準備をしておけば大丈夫でしょう。
下側主翼のI-Strut部
上側主翼のI-Strut部
通常のPittsで見られる、I-Strutと主翼の間の隙間がありません。素晴らしい。
主翼左側翼端部
一般的なPittsは下側主翼に上反角がありますが、この飛行機は上半角は無しとなっています。Great Lakesほどではありませんが、地面とのClearanceは少なく、横風時のWing Lowには注意が必要です。
内側Aileron部
この飛行機は上側4枚、下側4枚の、計8枚のAileronが装備されています。効果がどれほどあるのかは判りませんが、強い主張ができることは確かです。
機体尾部
Stabilizerは4本のBrace Wireで保持されています。私のS-2Sにもぜひ施したい改造です。
Elebator部
驚くほどの作動角を持つElevator。Servo Tabが取り付けられ、高速でもElevatorは非常に軽く操作できます。
SkyDynamics社製の6 into 1 Exhaust System
理論的には6 into 1の方が出力が上がるそうですが、実際の効果はそれほどでもないとも言われます。どうなのでしょう?自身のS-2Sの2本組みのExhaustの方が、Smoke Oilの燃焼効率も良いように思いますし、見た目も格好いいかな?と、満足している部分です。
Pitot Tube & Aileron Spade
Spadeはいろいろな大きさと形を試したそうです。確かに軽く、操縦しやすい特性でした。
操縦席
周囲をもう一度確認して、Pre-flight inspection完了です。燃料を補給して飛行に上がることにします。
風は穏やか。初飛行にはこれ以上ないくらいの好条件です。それでは、出発しましょう。
Oracle Challenger II 練習飛行
初めての飛行機ですから、内容はSlow FlightにStall、Spins、そして軽い曲技飛行に留め、離着陸を何回か行います。尾輪が小径のため、「Wheel Landingで降ろせ」と要求されました。Titanium製のLanding Gearはバネ性が強く、そして剛性が低く、緩やかな接地にも関わらず、接地時に大きく変形することがわかりました。
しばらくはここに飛行機を置いておくそうなので、時間を見つけて練習を行いたいと思います。Oracle Challenger IIは確かに素晴らしい飛行機ですが、飛行機というより、どことなく曲芸飛行専用機(注: 曲技飛行用飛行機ではない)という感じがする乗り物です。飛行性能では叶いませんが、まだ飛行機らしさの残る自身のPitts S-2Sが好みだと思いました。
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