2013年10月30日水曜日

ベトナムレストラン 開店



近所にベトナム料理のレストランが新たに開店しました。いつの間に?と驚きです。お店の名前は直にVietnam Restaurant。King Cityのレストランというと、メキシコ料理が主で、1軒しかない中華レストランは私にとってシェルターでした。このベトナム レストランがあれば、King Cityの滞在も、あと2-3年は延長できそうです。




Phoをいただきました。
このままでは入り浸ってしまいそうです。


Vietnam Restaurant
http://www.yelp.com/biz/vietnam-restaurant-king-city

2013年10月24日木曜日

安全に飛行を終えること



SNS大手のFacebookに、先日興味深い記事がありました。「着陸技術の向上に、着陸競技の開催を希望する。」と、毎年全日本曲技飛行競技会の実行委員長を務められている、奥貫 博氏によるお話です。安全な着陸なしに飛行を安全に終えることはありません。奥貫氏のご意見に大いに賛成です。

私は曲技飛行や尾輪式飛行機の飛行訓練を提供して8-9年になりますが、時折、行っている訓練内容に偏りを感じることがあります。それは、「安全に飛行を終えること」という目標を目指しているはずの訓練が、曲技飛行訓練が目的となると、途端に基礎操縦技術に関する部分に妥協が見られることです。

かなり端折った言い方になりますが、離陸した後、飛行中の予期しない状況(Stall、Spin)や飛行姿勢(Unusual Attitude)に陥ったとして、安全に、かつ効果的に回復し、最終的に飛行機を安全に着陸させるということは、飛行場の周辺を飛行するだけでも必要とされる基本的な操縦技術です。

一般的な訓練機であるCessna 172などの飛行機では、このような訓練は当然のように、資格取得後もBFR(Biennial Flight Review: 24ヶ月に1度行われる定期訓練)、Flight SchoolやFlying Clubの基準によって定期的に行われます。ところが、曲技飛行機を用い、訓練目的が曲技飛行となると、曲技飛行という要素に目移りしてしまうからか、途端に先に述べた要求する技術レベルが下がり、「安全に着陸できれば何でもよし」で済まされてしまいます。いや、技術レベルを下げているため、多くの場合、運よく無事に帰ることができただけなのですが。

私が技術レベルの向上を提言すると、「尾輪式飛行機、特に曲技飛行機は取り扱いが難しい。時間も限られるから仕方がない。」という意見が返ってきます。もし私が、週末にC-172を借りて飛行するサンデーパイロットだとして、「Stall Recoveryがどうしてもできなくて・・・。」、「Power off landingがどうしてもできない。」などと言おうものなら、一斉に周囲からの注意を浴びるはずなのに、なぜでしょうか。

行う訓練内容が、PittsやExtraを用いての曲技飛行であるならば、Recovery from Unusual Attitudesなどの訓練の必要性はもちろんのこと、Positive GとNegative Gの両方での飛行が想定されますから、それらの状況でのStall/Spin Recovery、つまりUprightでのStall/Spinだけでなく、InvertedでのStall/Spinを、PowerとControlの様々な組み合わせを用いて、StallとSpinのModeを変化させて実施します。「予期しない状況に陥った。結果、危険な状況になった。」などということは、訓練次第で避けらます。

着陸に目を向ければ、尾輪式飛行機の取り扱いには熟知している必要があります。Three Point Landing、またはWheel Landingのどちらかができればよいということはありません。状況によってどちらが適切か判断し、使い分けられることが必要です。Power off glideでのApproachができず、Forward Slip+Power onでのなだらかなApproachしかできないなら、Power Failになったときにどう対処するのでしょうか。飛行機は常にPower Failになる可能性があることを心に留め、特に単発機はいつでも滑空機に路線変更する準備が必要です。



空を飛行することは危険だ。
曲技飛行はさらに危険だ。
尾輪式飛行機は離着陸の操作が難しい。
だから、いつかは事故に遭ってしまう。
仕方のないことだ。



高価な保険費用、機体整備費、燃料費、駐機や格納庫費用、空域の制限・・・。「安全に飛行を終えること」という妥協のない努力が、私たちの抱える様々な問題点を解決するのではないでしょうか。訓練環境の充実をという提案に、私も賛成します。

2013年10月23日水曜日

King City空港の朝



今日は久しぶりにとても深い霧の朝になりました。種類としては、海から流れてくるSea Fogです。ここKing Cityでは、夏の間は朝は常にこのような状態で、8月半ばくらいまで朝日を見たことはほとんどありませんでした。



視界はおよそ1/8 Mile、200mと言ったところでしょうか。
 


10時を過ぎるとこのように青空に変わります。



それでは、今日も安全運行で参りましょう。

2013年10月17日木曜日

Communications Earplug



「今のうちに耳を守るようにした方がいいぞ。」

曲技飛行を始めたころ、教官にこんなことを言われました。当時はあまり気にもしなかったことですが、今はその意味がよく判ります。初めてPitts S-2Bに乗ったとき、その騒音の物凄さに驚きましたが、今では慣れてしまいました。いや、慣れてしまったというよりも、聴力が衰えてきているということなのでしょう。

医師をされている友人の内海氏に、私の耳年齢を計っていただいたことがありますが、計測の結果は、何と55歳(当方41歳)。「え?」と驚いた彼の表情が私をさらに不安にさせます。確かに、人の話す言葉をよく聞き返すようになりましたし、特にレストランなど騒々しいところでは、音と声が聞き取り辛く、軽い耳鳴りがしたり、会話が難しく感じます。使用しているHeadsetでは防音効果が不十分なのでしょうか。これはいけません。

というわけで、使用しているHeadsetに、CEP(Communications Earplug)を取り付けました。これはHeadsetを付けて、さらに小さなスピーカーを内蔵しているEarplugs(耳栓)を使用する製品です。もうすでに遅いかもしれませんが・・・。



Headset向けのCEP Kit。



マイクを装備していない側のスピーカーを外し、半田付けを一箇所。



スピーカーに接続している端子を外して、分岐させます。
慣れれば30分くらいで終えられる作業です。



完成です。
外側に樹脂製のワッシャーが付くはずでしたが、
Headset側が厚過ぎて付きませんでした。



接続するとこのようになります。
スピーカー内蔵のEarplugを耳に入れて、その上にHeadsetを付けます。


他にも、電気的に雑音を減らすANR(Active Noise Reduction)を採用している製品もありますが、外付けの電池ボックスが曲技飛行の邪魔になったり、電池切れの問題もあって、購入には至りませんでした。その点、この製品はEarplug部を定期的に交換するだけで使え、また部品も小さく、重さは取り付け前と変わりません。Earplugsを取り付ける手間はありますが、Warbird(軍用機)や曲技飛行機、Turboprop機など、騒音の大きな飛行機に乗る方にはお勧めです。


Communications & Hearing Protection, Inc. (http://www.cep-usa.com/home





曲技飛行とは関係のない話ですが・・・

映画の中で、耳栓もなしに銃を撃って、その後平然と会話をしている場面がありますが、あれはまず有り得ません。特に、室内で不用意に撃とうものなら、正常な聴力の健常者ならば、撃った瞬間の音で意識が飛びますし、少なくとも一時的に聴力は失われます。「慣れれば耐えられる」とも聞きますが、おそらくそれは、私のようにすでに聴力が衰えているということでしょう。以前、うっかり耳栓を忘れて12口径のShotgunを撃った時は、その後の30秒は穏やかな静寂の世界になりました。






一度失われた聴力は回復しないと言われますから、駅、空港、工事現場、普段の生活から注意しないといけません。皆様、どうぞご注意を。

2013年10月14日月曜日

PA-38-112 Piper Tomahawk



おや、あの飛行機は?

遠くからでも一目でわかりました。Watsonville空港のStrawberry Aviation所属、Piper社製、PA-38-112、通称「Tomahawk」です。1995年に計器飛行証明や陸上多発、事業用操縦士の訓練に来たときに、飛行時間付けをこの飛行機で行っていました。

当時は塗装直後で輝いていた機体も、今では色あせてしまっていましたが、特徴的だったイチゴ模様はそのままです。あの頃は飛行もまだよく判っておらず、単に飛行機に乗せられるままに飛んでいたものでした。

なぜ真直ぐに飛ばないのだろう?
なぜApproachが安定しないのだろう?

様々なことに悩む毎日でしたが、自分で考え、解決する能力を養えたことは大きな収穫でした。N2370B、また会えてよかったです。


2013年10月12日土曜日

Pilot's View 第4回 全日本曲技飛行競技会 04

21日の午後、少しずつ雲が増えてきて、暑さが和らいできました。そんな中、本日最後の飛行であるAdvanced CategoryのFreeの準備を行います。

ふくしまスカイパークでの事前訓練では、1日に最高で9回の飛行という日もありました。しかし、自身の競技飛行が1日3回というのは、私もこれが初めてです。飛行の度に異なるSequenceを見直して、飛行の作戦を立てて・・・。さすがに、最後に飛行機に乗り込むときには疲れを感じました。

皆さんもお疲れだったでしょうが、飛行の直前まで傘を差して下さった飯島さん、飛行機を押して下さった小山さんと谷川さん、ありがとうございました。



Advanced Free



9月21日 Advanced Free


Ustream Advanced Free (00:22:00~) http://www.ustream.tv/recorded/39043649


Figure 1: 本日3回目となれば、Warm up flightは必要ありません。体力を消耗する前に終わらせてしまいましょう。Judge Lineの直上を飛行して、Y軸からのEntryです。

Figure 2: 次のFigureのPositioningを考えて、Upwind側へ飛行を伸ばしています。しかし、Box内の風はほとんどなく、ここまで伸ばさなくても余裕は十分にあるようでした。

Figure 4: 1 1/2 Positive Snap。機内からの映像は判りやすいかと思いますが、途中で止まりかけたSnap RollをAileronで継続させています。最後の180度をAileronで誤魔化しています。

Figure 5: Vertical Down Lineでの1/2 Negative Snap。Over rotateを恐れて、入力が消極的でした。0点(PZ)となる可能性が十分にありました。

Figure 6: Vertical Up Lineでの3/4 Roll。頂上では速度が50-60MPH以下、Pitts S-2Bではこれが限界かと思われます。しかし、言い訳ができないのがRoll後のOff Headingです。遠くて判定が難しかったことが幸いしたのでしょうが、約45度のUnder Rotateは0点となってもおかしくありません。

Figure 7: Breakを取った後、Rolling Turn。地平線上の目標物を探しているうちに、およそ300ftも高度を下げてしまいました。速度が速過ぎたことも失敗の原因の一つです。

Figure 11: Reversing P Loop。Negative 1/2 Loopと、Positive 1/4 Loopの間の切り返しが難しいところです。FinlandのWGAC/WAGACで学んだことを試してみました。上手く行っているようです。


Positioningは上手くまとまりましたが、中盤の乱れが残念な飛行でした。ここでの失敗を省みて、基本形はそのままに、新たなFreeを作成しました。これならば、Pitts S-2Bであっても、途中のBreakも使うことなく終えることができるでしょう。いずれ、競技会でまた飛行してみたいものです。


最後になりましたが、今年も飛行を撮影していただいたA Teamの皆様、そしてアナウンスをしていただいた桜井様と小幡選手にお礼を申し上げます。

2013年10月10日木曜日

Pilot's View 第4回 全日本曲技飛行競技会 03

同日の午後になって行われたIntermediate CategoryのFreeです。上空の風は西から5-6KTSということで、Official Windは変わらず北西からです。BoxのX軸は引き続き南東から北西へとなっていますが、さて悩むのは、Figure 5の1 1/4 Turn Spinを、左か右か、どちらの方向へ行うかです。



Intermediate Free
個々のK Factorを大きくせず、Intermediateらしく、Figureの基本形で勝負する心構えです。



9月21日 Intermediate Free
少し左に傾いて付けてしまいました。


Ustream Intermediate Free (00:27:05~) http://www.ustream.tv/recorded/39040167


1回転や1 1/2回転のSpinでは、どちらの方向に行っても同じですが、Y軸に移行するFigureでは回転方向がそのままSequenceのPositioning(Box内の位置取り)に影響します。朝行ったAdvanced Knownのように、高度が下がるに連れて手前に来るように飛行するか、それとも横風成分を考えて奥へ飛行するか。悩んだ末に、Figure 5とFigure 6の間を短く飛行するようにして、右へのSpinで対処することにしました。


Figure 2: Figure Nと呼ばれるFigureです。Vertical Up Lineでの1/2 RollがUnder rotate(回転が不十分)となっていて、これまでの2回の飛行と同じ失敗をしています。

Figure 5: この機体では初めてとなる右へのSpin。機体によっては、左か右か、どちらかに入り辛いものもあり、上手く行くか心配でした。Vertical DownでのYawingもほとんどなく、よかったと思います。

Figure 6: Y軸からのPush Humpty。進入のLineを短くするように努力したつもりでしたが、Advaced Knownで近付いたときよりも、さらにJudge側に近付いてしまいました。飛行の後になって、Push Humptyより、Pull Humptyとした方がPositioningの面で有利になることに気付きました。

<追加> しかし、逆に強い向い風の中では、最大限にBoxを使うことができないとも言えます。どちらも一長一短かもしれません。

Figure 7: 私の最も苦手なFigure、Avalancheです。Freeに入れることによって、飛行する頻度を増やす作戦ですが、失敗すれば負けを意味します。上手く行って本当によかったです。


Delanoで行ったUnlimitedの飛行は、Figureをこなすことで精一杯で、精度という点では疑問がある出来でした。しかし、IntermediateのKnownとFreeでは、精確にFigureを飛行するという、曲技飛行競技の基本に戻ることができ、本当に嬉しいです。