私が技術レベルの向上を提言すると、「尾輪式飛行機、特に曲技飛行機は取り扱いが難しい。時間も限られるから仕方がない。」という意見が返ってきます。もし私が、週末にC-172を借りて飛行するサンデーパイロットだとして、「Stall Recoveryがどうしてもできなくて・・・。」、「Power off landingがどうしてもできない。」などと言おうものなら、一斉に周囲からの注意を浴びるはずなのに、なぜでしょうか。
行う訓練内容が、PittsやExtraを用いての曲技飛行であるならば、Recovery from Unusual Attitudesなどの訓練の必要性はもちろんのこと、Positive GとNegative Gの両方での飛行が想定されますから、それらの状況でのStall/Spin Recovery、つまりUprightでのStall/Spinだけでなく、InvertedでのStall/Spinを、PowerとControlの様々な組み合わせを用いて、StallとSpinのModeを変化させて実施します。「予期しない状況に陥った。結果、危険な状況になった。」などということは、訓練次第で避けらます。
着陸に目を向ければ、尾輪式飛行機の取り扱いには熟知している必要があります。Three Point Landing、またはWheel Landingのどちらかができればよいということはありません。状況によってどちらが適切か判断し、使い分けられることが必要です。Power off glideでのApproachができず、Forward Slip+Power onでのなだらかなApproachしかできないなら、Power Failになったときにどう対処するのでしょうか。飛行機は常にPower Failになる可能性があることを心に留め、特に単発機はいつでも滑空機に路線変更する準備が必要です。