2013年10月17日木曜日

Communications Earplug



「今のうちに耳を守るようにした方がいいぞ。」

曲技飛行を始めたころ、教官にこんなことを言われました。当時はあまり気にもしなかったことですが、今はその意味がよく判ります。初めてPitts S-2Bに乗ったとき、その騒音の物凄さに驚きましたが、今では慣れてしまいました。いや、慣れてしまったというよりも、聴力が衰えてきているということなのでしょう。

医師をされている友人の内海氏に、私の耳年齢を計っていただいたことがありますが、計測の結果は、何と55歳(当方41歳)。「え?」と驚いた彼の表情が私をさらに不安にさせます。確かに、人の話す言葉をよく聞き返すようになりましたし、特にレストランなど騒々しいところでは、音と声が聞き取り辛く、軽い耳鳴りがしたり、会話が難しく感じます。使用しているHeadsetでは防音効果が不十分なのでしょうか。これはいけません。

というわけで、使用しているHeadsetに、CEP(Communications Earplug)を取り付けました。これはHeadsetを付けて、さらに小さなスピーカーを内蔵しているEarplugs(耳栓)を使用する製品です。もうすでに遅いかもしれませんが・・・。



Headset向けのCEP Kit。



マイクを装備していない側のスピーカーを外し、半田付けを一箇所。



スピーカーに接続している端子を外して、分岐させます。
慣れれば30分くらいで終えられる作業です。



完成です。
外側に樹脂製のワッシャーが付くはずでしたが、
Headset側が厚過ぎて付きませんでした。



接続するとこのようになります。
スピーカー内蔵のEarplugを耳に入れて、その上にHeadsetを付けます。


他にも、電気的に雑音を減らすANR(Active Noise Reduction)を採用している製品もありますが、外付けの電池ボックスが曲技飛行の邪魔になったり、電池切れの問題もあって、購入には至りませんでした。その点、この製品はEarplug部を定期的に交換するだけで使え、また部品も小さく、重さは取り付け前と変わりません。Earplugsを取り付ける手間はありますが、Warbird(軍用機)や曲技飛行機、Turboprop機など、騒音の大きな飛行機に乗る方にはお勧めです。


Communications & Hearing Protection, Inc. (http://www.cep-usa.com/home





曲技飛行とは関係のない話ですが・・・

映画の中で、耳栓もなしに銃を撃って、その後平然と会話をしている場面がありますが、あれはまず有り得ません。特に、室内で不用意に撃とうものなら、正常な聴力の健常者ならば、撃った瞬間の音で意識が飛びますし、少なくとも一時的に聴力は失われます。「慣れれば耐えられる」とも聞きますが、おそらくそれは、私のようにすでに聴力が衰えているということでしょう。以前、うっかり耳栓を忘れて12口径のShotgunを撃った時は、その後の30秒は穏やかな静寂の世界になりました。






一度失われた聴力は回復しないと言われますから、駅、空港、工事現場、普段の生活から注意しないといけません。皆様、どうぞご注意を。

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