2014年3月13日木曜日

Master Warning Lightを新設


Cessna C-208Bの計器盤。
計器盤の左上部にAnnunciator Panelがあります。



飛行中に異常を知らせてくれるWarning Light(警告灯)やCaution Light(注意灯?)。計器が示す異常を早期に視覚で知らせてくれる便利な装備ですが、曲技飛行中の忙しいときはそれすら注意が行き届かなくなります。点灯に気付かずに飛行を続けてしまうことがないよう、いずれ大型のWarning Lightを新設しようと計画していました。

新設作業はそのうちに・・・と考えていましたが、予定を急遽変更して、本日作業を行いました。それは、昨日このようなことがあったからです。




〈動画〉Warning Light ON!



この飛行機では、EGT(排気温度)やCHT(シリンダー温度)などの状況などを表示するEngine Monitor、Oil Pressure(油圧)やOil Temp(油温)を表示するOil Gauge、そして燃料流量を元に残量や使用量などを表示するFuel Totalizer、以上の3つの計器の信号を1つのWarning Lightで表示するようにしています。複数の警告を1つでまとめて表示するため、Master Warning Light(主警告灯)と呼ばれます。

確かに、Engine MonitorにはEGTが限界を超えたとの表示がありましたが、数値は通常通りで異常は見られません。それとも、私が気付くまでに時間がかかり過ぎていたのでしょうか。もし高温状態で10-20秒も飛行していたら大問題です。しかし、飛行中の映像を見ると、点灯から気付くまでおよそ3秒。数字までは読めませんが、縦の棒状グラフの表示も通常値です。

誤報だったようで一安心ですが、高出力時のEGT超過はEngineを一瞬に破壊する危険性がありますから、映像で確認するまで穏やかではありませんでした。




高度計の上にMaster Warning Lightを新設。



元からの赤のWarning Lightは、Fuel Totalizerの配線のみを接続して、「LOW FUEL」の表示をするようにしました。新設したMaster Warning Lightは、Engine MonitorとOil Gaugeからの2つの配線のみです。




KISS(Keep it simple, Stupid!)です。
シンプルにしようよ、頭悪いんだからさ!



というわけで、今後、曲技飛行中に見るべき計器は、速度計、高度計、そしてMaster Warning Lightの3つのみになりました。何という簡素な計器盤。私自身がこのMaster Warning Lightを信頼できれば、飛行中の注意を他の部分に向けられますから、曲技飛行の能力の向上になるのではないでしょうか。少しだけ期待したいと思います。

3 件のコメント:

CFI-JAPAN さんのコメント...

またまた、ご無沙汰してしまいました。 仕事上での問題が中々解決しません。 気持ちがDrags me down状態です。

誤表示でも警告は不気味なものですね。Trouble Shoutingをしながらでも、空港に引き返すのが早い事。 アクロバットを極めるとSituational Awarenessが凄く良くなるのですね。

今日はちょっとご意見を聞きたく、書き込みです。
AOPAからNews Letterが届きました。 内容は・・・・
"Airshow performer Spencer Suderman appears to have set a new world record with an 81-turn, three-minute-plus inverted flat spin in a Pitts S-2B that took him from 23,000 feet to less than 2,000 feet over the California desert. Suderman has applied to Guinness World Records for a new standard in consecutive inverted flat spins. "I'm as excited as hell!" he said. "I've been trying for this for a long time.""

驚いたのですが、Inverted Flat Spinなんて有り得るんですか? 81回転となると、単なる気合だけだとは思います。 

ただ気になったのはFlat Spinです。 大学の授業では「Flat SpinはRecoveryでき無い物」と教えられました。 理由はYawとPitchの両方が無くなるからかな? Relative Windを考えると、容易には想像が可能です。それに、Flat Spinに入って亡くなられている人が多いのも現実です。

Flat Spinって本当にRecoveryは可能なのでしょうか? Pittsだけの特性なのでしょうか? それともInvertedの場合だけ可能なのでしょうか。 それとも、CG Locationを移動させる特殊な装置でも有るのでしょうか?

Twinでなら、強引にDifferential ThrustでRecoveryは可能だと言う人も居ます。 まあ、CG Locationが前方にあれば、本当のFlat Spinに入っても、Nose Heavyで自然とNormal Spinに変わるとも思います。 でも、81回の回転とかかれると「好ましくない」状況が続いたとしか考えられません。

一瞬では無い、3回転以上とかのFlat Spinはされた事はありますか?

私には、どうも信じがたい記事なのですが、AOPAの記事なので嘘とも思えない。

ご存知の範囲で教えて下さい。


引用:AOPA Pilot Vol.16 Issue 12

Yuichi Takagi さんのコメント...

上田さん

お仕事お疲れさまです。こちらも先日Tax Returnが終わりました。日本語に訳してもよく判らない用語を調べながら行い、終わってほっとしています。

通常の飛行訓練では行うことはありませんが、PittsやExtraなど、Negative Loadでも飛行できる曲技飛行機で訓練をしていると、Inverted Flat Spinは離着陸と同等に行っています。曲技飛行機で様々な姿勢でPositive G、Negative Gを行き来する曲技飛行をしていると、不意にそのような状況に陥ることはよくあります。陥った状況から効果的に確実に回復することは、安全維持に欠かすことは出来ませんからね。

Inverted Flat Spinだけでなく、他にも様々な状況がありますから、今度機会があったときにぜひ行ってみることをお勧めします。CGが前方だからSpin Recoveryが易しいという訳でもなく、Stall中にAileronを使うからSpinに入るということもありません。現実の世界は本当に興味深いものです。

「TwinならPowerでFlat Spinから回復できる」 ・・・この手の話は私もよく耳にしますが、あまり真剣に聞かない方がいいですよ。操作は地上で口で言うほど簡単ではありませんし、機体が理論通りの反応をするかは実際に行って初めて判明します。想像するに、P-Factor+Gyroの摂動+Yawingで、暴力的に振り回されるだけなのではないでしょうか。もっとも、私にはTwinでSpinをする計画も欲求もありませんから、真相は謎のままです。

CFI-JAPAN さんのコメント...

Flat Spinってのは着陸の様に有るとは。 勉強不足でした。

知りたかった答えは、最後に書かれていた事ですね。 分かった!とは言えませんが、めぼしが付きました。 心の中では「なるほど」と思っています。

Twinの件は何とも言えませんね。 Flat Spinに入ったMultiが無線で助けを呼んだが、長い間の助けを求めながら地面に激突したとの話を聞いた事があります。 その時はATCとは直接交信が出来ず、上空のコンチネンタルだったかな、リレー通信だったとかも記憶があります。

渡米するチャンスがあれば、King CityもDestinationの一つに入れておきます。 Flat Spinをするなら、Dramamineを5粒ぐらい飲んだ方が良いかも知れませんね。 今の所はFlat SpinよりもTaildraggerで離着陸をマスターしたいかなって感じですが。

操縦はしてなくても、航空力学は考えるだけでも楽しい人間です。

単に、根性が無いだけとも言えますが。