2014年1月31日金曜日

祝 Pitts Instructor Checkout 合格

週末はRedlandsまで行ってきました。今回は現地のJAS (Japan Aerobatic School)Redlands校の、白鳥 洋平教官のPitts Instructorの最終訓練です。相変わらず青空が続くCA州ですが、お陰で訓練は順調に行えることでしょう。



免許証が見つからず、出発が遅れてしまいました。
渋滞が心配な時間になりましたが、週末で助かりました。



様々な状況を想定して、離着陸を繰り返しました。
曲技飛行も含め、とても安定しています。



よい飛行でした。
飛行機をきれいにして、また明日。



お世話になっているWestwind Flying Clubの西村さん宅にお邪魔しました。
オレンジ畑の中の家はまるで夢のようなところです。



ミカンやグレープフルーツをお土産にいただきました。



「・・・では、+2G以内で、Negative Gをかけず、Loop(宙返り)をしてください。」
「次は、+Gを保った状況で、釣り合いを保ったまま、4 Point Rollをしてください。」


曲技飛行の紹介では、「最大で+10Gかかります。」などと、高いLoad Factorでの飛行が宣伝文句のように用いられます。もちろん、何らかの目標を持って、そのような飛行を行う状況もありますが、そうでなければそんな必要は全くありません。

高Load Factorを限界まで使用した飛行は、自動車で例えれば、スロットルもブレーキングも常に最大で、常にタイヤに負担をかけて走るようなものです。自動車やオートバイレースで、タイヤを滑らせ、暴れる車体を押さえつけながら走る姿は確かに迫力がありますが、もし同じペースで走るもう1台に余裕があれば、最終的には余裕のある方が勝利することでしょう。



1991年3月、WGP第1戦、鈴鹿、500cc決勝
 
限界を超えた走りだった#3(マイケル・ドゥ-ハン選手)。対して、最後まで安定していた#34(ケビン・シュワンツ選手)。何度もトップを入れ替えてのレースで、最終的に勝利したのは#34でした。限界性能で飛行する方を見ていると、いつも過去のこのレースを思い出します。


話を飛行に戻せば、不要なLoad Factorを用いて飛行するということは、飛行を限界に近付け、その時点ですでに性能的に余裕のない飛行を行っているということです。私は競技会でJudgeとして競技者の飛行を見る機会が多くありましたが、難易度の低いFigureを、Full Power、High Speed、High Load Factorと、限界性能を用いて飛行する方を見て、「彼(彼女)はそれ以上のCategoryの飛行をどうやって克服するのだろう?」と疑問になったものです。

我々曲技飛行競技者は、競技飛行の判定基準にとらわれ過ぎるあまり、飛行の本質を見失うことがあります。曲技飛行とは何か。なぜ曲技飛行訓練を行うのか。こんなメッセージが未来の曲技飛行士に届けばと思います。


最後になりましたが、白鳥 洋平教官のPitts Instructor Checkoutは無事に終了です。白鳥教官への今後の活躍にご期待ください。

2014年1月10日金曜日

Break-in Flight




年末から続いていた、職場のExtra 300Lのエンジン交換作業が完了しました。いつもは飛行場と訓練空域を行き来するだけですが、今回はBreak-in Flight(エンジンの慣らし運転飛行)として、少し足を伸ばしてみます。



King City全景。
高度5,500ft MSLから。




King City、南側から撮影。
雨がまったく降らないので、草も枯れ果ててしまいました。
この冬は120年ぶりの少雨だそうです。




高度4,500ft MSL、吸気圧力25 in-Hg、回転数2,500 RPM、燃料消費量20 Gallons/Hour。Break-in Flightはおよそ75%の出力でエンジンを運転し、金属部をなじませる作業です。自動車では軽い負荷で慣らし運転を行いますが、航空機用エンジンでは比較的高出力で す。




エンジンの運転は快調です。退屈になったので、東へ西へと飛行を繰り返す中、King City周辺の飛行場を撮影してみました。




King City空港周辺の航空図。
King City空港の正式名称はMesa Del Reyですが、誰もがKing Cityと呼称します。




King Cityの隣町、Greenfieldの北東にあるプライベートの飛行場、Metz。
最近の航空図からは消えてしまいましたが、まだ使用可能のようです。




Greenfieldの南側にあるプライベート飛行場、Clark。




King Cityの東、San Ardoのプライベート飛行場。

航空図にはSan Ardoの町の北西側しか掲載していませんが、南東側(写真右下)にも「X」(使用不可)表示の滑走路があります。他にもたくさんの滑走路があるそうです。緊急時に使えるよう、できるだけ把握しておきたいものです。





2日間で10時間飛行しました。再確認したところ、問題は見られず、無事にBreak-inは終了です。N771TAは明日から再び訓練飛行に配属されました。

2014年1月3日金曜日

基礎曲技飛行訓練の実際 PCT 01



勤務先のTutima Academy of Aviation Safetyでは、1回毎にお客の希望に合わせて行われるCustom Flight Training (CFT)に加え、Aerobatic Performance Training(APT)やPilot Confidence Training(PCT)など、パッケージ形式にした訓練がいくつか用意されています。曲技飛行訓練の基礎を学ぶ上で予算や期間などを定めやすくなり、特に曲技飛行学校というビジネスでよい考えと思います。

PCTは2日間、計4回の訓練コースです。本格的な曲技飛行を目標とはしていないが、操縦士としての技量を高めたいという方に適しています。今回いらしたDavidさんとPCTの訓練をご一緒し、訓練風景を撮影しました。



〈動画〉Pilot Confidence Training 01


第1回目の飛行の約45分の映像を短く編集しました。映像の内容は、Accelerated StallとRecovery、Power Off状態でのControlled Stalls、Upright Normal Spins、そしてAileron Rolls各種です。彼はこれまで、飛行機の翼を45度以上傾けたことがないと不安げでしたが、訓練を通して体がよく動くようになりました。効果ありです。

2014年1月2日木曜日

2014年 初日記


冬になって、少し雨季の気配が見えたCA州ですが、それは気のせいだったようです。ご覧のように青空の毎日です。

12月は最低気温が-6度Cという日もありました。北国では普通でしょうが、安アパートは断熱が不十分で、凍えながらの生活でした。それ以降は気温が例年並みになりましたが、雨が降らないために貯水量の減少が問題になっています。



San JoseのReid Hillview空港から飛来したCessna 152。日本や韓国からの訓練生が毎日のようにXCにやってきます。お疲れさまです。



新たに作成したBattery Tray。Oddysey社製PC680は小型ですが、始動に十分なPowerがあることが確認できました。



配線図と照らし合わせて、乱雑な配線をきれいに処理します。12月に完了の予定でしたが、作業量が多く終わりません。早く練習飛行をしたいのですが。



年末年始にかけて、ドイツから訓練に来られました。今日の最高気温は23度C。「ドイツなら夏の気温だよ。」と、暖かさに驚いていました。



日陰で一休み。今年もよろしくお願いします。