2014年5月27日火曜日

用途不明の強装弾



生活が落ち着いてきたこともあって、自粛していた趣味も楽しめるようになってきました。嬉しいことですが、Aerobatic Channelの表題とは大きくかけ離れた書き込みも見られるかもしれません。ご容赦ください。

今回は、数年前に工具と材料だけ揃えて、箱にしまわれたままだった9 x 19 mm Parabellum弾のReloadingも試してみます。




火薬の種類と装薬量を変えて、何種類か作成してみました。火薬の限界量を超えないように注意!火薬の取り扱いには最大限の敬意を。もちろん酒気帯びも厳禁です。




翌朝。銃の再確認。




久しぶりに登場のAR-7。Stock内部に銃身、機関部、そして8発の22LR弾薬が装填できる弾倉が収納されています。




組み立てるとこのようになります。元は米国空軍の飛行士向けに、Survival Rifleとして開発された銃ですが、22LR弾薬の貧弱なパワーと、信頼性に劣る動作、現場でどれほどの活躍があったのかは疑問です。




「おや、この銃はどこかで・・・」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。AR-7は映画「 007 From Russia with Love(ロシアより愛を込めて)」でも登場しました。残念ながら、この銃で、この距離で標的に命中させる性能はありません。




距離600 Yards… 快調です。




昨夜作成した9mm Parabellum弾の試射を行います。クロノグラフという速度計測器を用いて、どれほどの銃口初速があるかを計ります。




Univarsal火薬を4.7 Grain入れて、平均初速が1140 fps。最も火薬量が少ない組み合わせでありながら、すでに市販弾薬と同等の初速を達成しました。銃の動作も快調です。火薬を増量したものでは初速が1300 fps!とてつもない強装弾です。銃に負担がかかりますし、銃のコンセプトから外れますので、これはお蔵入りです。




AR-7で標的射撃。22LR弾薬の射撃も20発を超えると、機関部の汚れのために動作が不安定になり、一発毎に再装填が必要になります。手間のかかる子ほどかわいいと言うそうですが、何となく判るような、困るような。





帰宅後、AR-7の分解清掃を行います。きれいにしたらまた動きが滑らかになりました。Ready to go!です。

2014年5月25日日曜日

CEP 更新情報


日々の飛行で使用しているHeadsetとCEP(Communications Earplug)ASSY

以前に(2013年10月17日)Blog内で紹介した、CEP(Communications Earplug)は騒音低減の効果が十分です。電気的に音を低減するANR(Active Noise Reduction)も効果があるのでしょうが、曲技飛行を行うには電池ボックスの固定に悩まされますし、大切な音の情報も消されてしまい、Engineの運転状況の把握に難があるように思います。




Speaker ASSY(P/N: CEP508-C15)

CEPは素晴らしい製品ですが、取り付けてから半年が過ぎ、いくつかの問題も目に付きました。その一つは、スポンジ製のEartip(耳栓)を先端に取り付けて使用しますが、穴が大きく、またネジのピッチも大きいため、Eartipが1回転もするとSpeaker ASSYから簡単に外れてしまいます。何かよい対策はないものでしょうか。




Surefire社製 EP4 Sonic Defenders Plus



フラッシュライトや銃火器のサプレッサー(消音器)などを製作販売しているSurefire社(http://www.surefire.com/は、このような耳栓も販売しています。




Filterと呼ばれるプラグを外すと、耳栓の先端まで穴が通じているのが判ります。CEPに使用可能とは書かれていませんが、形状的には問題はありません。




EP4の穴にネジはありませんが、内径が小さく、またゴム製ということもあり、一度取り付けたら取れることはなさそうです。試したところ、音質に変化はなく、そして防音効果は高く、これならHeadset本体がなくても十分なほどではと思いました。お勧めです。

2014年5月22日木曜日

AT6-D Basic Aerobatics


元US Navy所属 AT6-D









最も美しく見える角度はどこだろう?いくつか写真を撮ってみましたが、難しいです。Pittsは斜め後方からの見え方が美しいと思うのですが。本業の方の写真を見て研究です。では、これより搭乗です。




〈動画〉AT6-D Basic Aerobatics

Half CubanやHesitation RollはBasic Aerobaticsかどうか迷うところですが、Positive Gを維持するという点で基礎の一つであると納得してみます。




飛行後は燃料補給をして格納庫へ。Tugの運転はやはり難しいです。車輪配置が尾輪式だからでしょうか?最近はエンストもせず、上手くなりました。

2014年5月21日水曜日

次週 New Coalinga




早いもので、来週はNew Coalingaの競技会(05月29日、木曜日 - 05月31日、土曜日)です。今回はJAS(Japan Aerobatic School)Redlands校のPitts S-2Bは参加せず、私はTutima AcademyのExtra 300LのSafety Pilotとして向かうことになりました。参加者は現在のところ、日本から鐘尾みや子さん、ブラジルからお1人。楽しみです。

私自身の参加はというと、Pitts S-2Sの書類更新で手間取っていて、飛行可能となるのか気になるところです。今週中に終えられれば参加は可能でしょうが、無理ならExtra 300Lでの参加も視野に入れています。よい経験になることと思います。

2014年5月18日日曜日

ある朝、子猫に出会う





朝。アパートの前に珍しいお客がいました。種類はわかりませんが、まだ小さいかわいい子猫です。呼びかけたら近付いてきました。





自転車が好き?一緒に乗りますか?





動き回るので、なかなかいい写真が撮れません。




遊んでいたら、手を噛まれました。




怒ったら逃げてしまいましたが、それでもこちらが気になる様子。




呼びかけたら、またこちらに来ました。




もうそろそろ行かないと。猫ちゃん、また遊びましょう。



帰ったらまたいるかな?と楽しみにしていましたが、もうどこにもいませんでした。ちょっと寂しいです。首輪をしていたので、どこかの家の飼い猫なのでしょう。いつでも遊びに来てください。

2014年5月14日水曜日

飛行機とは、どこまで飛行機であり続けられるのか


Pitts S-2Bの機内から。
滑走路がこのように見えると、私はとても安心できます。



ある日の飛行訓練に向かう機内でのこと。Final Approachに一機のMooneyがKing City空港にやってきました。どうやらStraight-inでRunway 29に着陸するようです。



Pilot: King City traffic, Mooney XXX, 1 mile final, Runway 29.



しかしおかしいですね。1 Mileと言えばもうすぐ近くのはずですが、まだ機体が見えません。すると、同乗していた訓練生が、「何だあの飛行機は?あんなに低くApproachして。あれじゃあEngineが止まったら滑走路に届かないじゃないか。」と言いました。

それを聞いて視線を地平線近くに移すと、ようやく私にも飛行機が見えました。非常に高い角度でApproachしてくるPittsやExtraは特殊だとしても、通常の3度のApproach Pathよりもさらに低い角度のMooneyが見えました。本当です。あのようなPowerに頼りすぎたApproachは単発飛行機の飛行としては失格です。

「見てみろ、あんなApproachをするようじゃ、どんなパイロットが乗っているのか知れたものだな。緊急時を考えずに飛行するなんて、同じMooneyのパイロットとして恥ずかしい限りだ。」 この方はMooneyを自身で保有していて、駐機中のMooneyを見ただけで重心位置が判るというほどの通の方です。

彼の言葉を聞いて、全くその通りだと納得します。・・・おや?ちょっとお待ちください。あなたは確かあの時、こんなことを言いませんでしたか?それは、遡る2-3ヶ月前、PittsでApproachについて議論しているときのこと。



訓練生: Yuichi、お前はPittsでApproachするとき、どんなPower設定で行うんだ?


私: Powerを保持してApproachすることには長所と短所があます。長所はAfter fireの騒音を解消させること、真冬の低い気温の中でもEngineを急冷却を防げること。そして、Approach中の降下率が緩やかになりますから、Round outを開始するタイミングを計り易いことです。

短所といえば、Powerを使ってApproachしているためApproach Pathは浅くなりますから、Powerを失えば滑走路には辿り付けません。訓練の最初の段階ではPowerに頼った方法で、緩やかにApproachしてもいいですが、最終的にはPower Idleで降下率を管理しながら行えることが目標です。真冬と言っても、CA州程度の気温なら、Approach中の速度でShock Coolingにはなりませんから、安心していいと思います。


訓練生: Power IdleでのApproachが最終目標だって?どのような方法であっても、その人が安心して、安全にApproachできるならどんな方法でもいいんだ。お前は前に「Power on and Forward Slip」のMixed Approachを間違いだと言ったが、人には人の意見があり、好みがある。強制するのはよくないな。


私: では、あなたの言う安全とは何ですか?少なくとも、飛行機として想像できるどのような状況が起きたとしても、確実に安全に着陸する技量を身につけること。これが安全につながることと思いますが。あなたはCessnaでの通常訓練でも、着陸できればどうでもいいと教育しますか?強制しているのではなくて、「That's what it is.」ということですよ。

・・・以下省略。




昨年9月、第4回全日本曲技飛行競技会で、滑走路32にApproach中のPitts S-2B。私のApproachは、常にPower Idleの、急角度でのShort Approachでした。それが意味するのは何でしょうか?



さて、あなたはお乗りになっている飛行機の滑空性能をご存知でしょうか。少し記憶があやふやになってきていいますが、Cessna 152やCessna 172のPower idleでの降下率は、確か600 ft/minから700 ft/minくらいではないかと思います。つまり、最良滑空速度を60 KIASとして、1分間で600 - 700 ftの高度を失う間に、無風なら1 NMの距離を進むことになります。このように性能を数字として記憶することは大切なことですが、滑空性能を視覚で認識しておくことはそれ以上に重要です。これを用いて、自機が周囲の滑空可能範囲内に着陸可能な場所を連続的に確保していると確認することは、巡航中か着陸進入中かに関わらず、安全飛行を維持し継続していく上で非常に重要です。

私の普段の飛行は単発曲技飛行機で、Cessnaなどの単発飛行機に比べて滑空性能が非常に劣り、小さな主輪と速い着陸速度のため不整地での着陸に難があるような飛行機ですから、このような状況認識は常に維持するようにしています。例えば、Pitts S-2BやS-2Cでは、Engine Fail時の降下率はMT-Propeller装備の機体で約2,200 ft/min、Hartzell Clawなどの幅広Bladesを装備したPropellerでは約2,500 ft/min。仮に、Downwindを1,000 ft AGLで飛行中にEngine Failとなると、Downwindが滑走路から遠かったり、Downwindを着陸地点横より延長したり、または向い風が強かったりすれば、滑走路への無事な着陸は期待できない、曲技飛行機とはそんな飛行機たちです。




Pitts S-2BでのWheel Landing(接線着陸)

Wheel Landingを必ずしもしなくてはいけない訳ではありません。Wheel Landingも、上手く行えば、Three Point Landingと比べて滑走距離はそれほど変わりまんが、ブレーキ系統には負担のかかる着陸方法です。しかし、着陸場所が他に見当たらないこのふくしまスカイパークで、例えApproach中にEngine Failになっても、また突然強い向い風になったとしても、確実にこの滑走路に着陸するには、運動エネルギーを維持したこの着陸方法が確実と判断した結果です。



私は、単発飛行機、特にFlapsを装備しない機種での着陸進入時のApproach Pathは、Engine Fail時のGlide Pathと同じであるべきと考え、それよりも低いApproach Pathや高度での飛行は避けるべき、または危険域での飛行であるという認識が少なくとも必要と考えます。Approach中にPowerを保持することは、Approach中の降下率を緩やかにし、また極寒冷地ではEngineの保温を目的にと、一般的に使われる手段です。もちろん、私もApproach Pathの修正が必要とあればPowerの追加や保持を行いますが、これを当然のことと、標準として常時行うことは、自機を引き返すことのできない領域に、常に追い込んでいるということではないでしょうか。

こう意見を述べると、「飛行機はPowerがあるという点で滑空機よりも優位にある。Approach中とはいえ、これを使わないでどう飛行するというのか?」と返されます。飛行機は確かにPowerを利用して推力を発生して飛行しており、飛行の自由度は向上しますが、ではそのPowerは恒久、不変のものでしょうか。いいえ。飛行機はPowerがあることを前提に運用するように設計された航空機ですから、一度Engine Failとなれば、非常に性能の劣る滑空機へと変貌します。飛行機を飛行機として運用するという言葉には、飛行機は常に滑空機へと路線変更する可能性があり、その準備もまた必要なのだということであると考えます。

またまた手前味噌な話題でした。あなたの今日の飛行はいかがでしたか?

2014年5月9日金曜日

バケーションはいかが?





南CA、Chino空港のAir Showは無事に終わりました。Team Oracleの次のAir ShowはRhode Island州のNorth Kingstown。直線距離でおよそ2212 NM(約4097 km)、天気が良ければ2日目の午後には到着する日程です。




LeadのPiper Senecaは無線交信と航法を担当し、Challenger IIIとExtra 300Lは距離を開けたLoose Formationで続きます。景色を見る余裕もありますが、楽しんでいられるのは最初の1時間くらいです。




New Mexico州の標高12,000ftを超える山岳地を縫うように飛行。こんなところにも集落と農作地が見られました。人間の活動範囲はすごいものです。




去年も見かけたクレーター。今回は降下中だったので、少し近くで見られました。




およそ2時間半毎に燃料補給。エナジーバーと水を採りながら飛行を続けます。




退屈になってきたので、Piper Senecaの後方の45度ラインを研究してみます。こんなところでしょうか?




若干高い




45度ラインよりも後方すぎ




前方すぎ




おそらく、この位置が最も45度に近いように思いました。こうして何かを行っていると、時間が経つのも早く感じます。もうすぐ1日目の目的地、Missouri州のJefferson Cityです。

明日の天気も良さそうなので、この分なら明日には到着、明後日には帰れそうです。まだ帰りの航空券を購入していなかったので、眠る前に探すことにしました。車を置いてあるMonterey空港までとするか、San Jose空港+シャトルバスでMontereyに行く方法を選ぶか。何度か検索していたら、突然安い航空券が見つかりました。$452、これに決定!では お休みなさい。




2日目も天気は良好です。少しずつ木の緑が減って、気温が下がってきました。ここではまだ春は訪れたばかりのようです。Neil Armstrong空港、Wapakoneta、OH州にて。




遠くに五大湖の一つ、エリー湖が見えてきました。




NYC北方、ハドソン川上空。降水はなく、心配していた着氷はありませんが、寒いです。




Rhode Island州North Kingstown、Quonset State空港
民間と軍の共用の空港のようです。



強い追い風の助けもあって、全7行程、約15時間で終えることができました。明日は昼過ぎの飛行機ですから、朝ものんびりできます。一安心です。

翌日。カウンター横の機械でCheck inをすると、なぜかパスポートが必要との表示がありました。国内線でパスポートは不要なので、係員の方に「機械の調子が悪いみたいですよ」と伝えると・・・



係員: CAのSan Joseに行きたいんだよね?君の航空券、コスタリカのSan Jose行きになっているけれど?



ああ、そういうことですか。Monterey行きかSan Jose行きかで検索しているとき、複数の同じ町の名前があってややこしいなと感じていたのでした。突然安い航空券が出てきたのは、違う空港を入力してしまったからだったのですね。謎が解けてすっきりしました。でもどうしましょう。



San Jose, CA, United States (SJC-Norman Y. Mineta San Jose Intl.)
San Jose del Cabo, Baja California Sur, Mexico (SJD-Los Cabos Intl.)
San Jose, Costa Rica (SJO-All Airports)
San Jose, Costa Rica (SYQ-Tobias Bolanos Intl.)



私の行きたいSan Joseはもちろん一番上のSJC空港です。「この際バケーションを楽しんできたらどうだ?ハハハ!」by 係員   ・・・いえ、そうもいきません。この後、電話で交渉して、$78の追加で変更できました。本当によかった。

馬鹿馬鹿しい間違いですが、この類の間違いは今後も有り得る話です。疲れた頭で安い航空券を探して、何度も検索を繰り返してしていたら、間違えてしまうのも当然。町や空港の名前を付けた人に文句を言いたいものですが、何か解決策を講じることにします。