2022年10月29日土曜日

2022 US National Aerobatic Championships 3

9月30日(金)0720時。おはようございます。

到着した翌日から2日間、現地のAerobatic Boxで練習飛行をしました。



日の出は0728時。練習飛行のスロットは0740時から10分が空いていました。お隣は0730時に予定のロブ ホーランドさん。過去のUS Nationalsで連続して10回のUNL優勝を記録し、世界選手権でも常に上位にいる強豪選手です。



メインの滑走路であるRWY 17 - 35(写真右側の縦の滑走路)は通常通りに運用されるため、滑走路付近の最低高度は500ft AGLとの制限がありますが、その他は地上までWaiverが有効です。ここサライナ リージョナル空港はコントロールタワーを備えたClass D空港で、エアラインを含めトラフィックも通常通りに行われています。


競技飛行中も、エアライン、軍用機、その他のGA機が通常通りに運用されているClass D空港。曲技飛行を含め、スカイスポーツが文化の一つとして根付いたこの国では珍しくない光景です。「曲技飛行」という言葉だけで緊張が走る日本ではまず考えられない状況でしょう。



〈動画〉 Aerobatic Box at KSLN



1300時。2回の練習飛行を終えて、眠くなってきました。次の練習飛行のスロットまで昼寝をします。

おやすみなさい。



この日は計3回の練習飛行をしました。とても満足できる出来ではないけれど、今は精一杯飛行できればよしとします。飛行機をきれいに掃除して、お食事に行きましょう。


サライナ空港の近くに日本食レストランを見つけました。Daimaru Japanese Stakehouse and Sushiですか。Sonic (HN)さん、 行ってみましょう。


え? ロールの寿司を頼みましたが・・・



サライナのレストランはどこもいまいちとの前評判でした。しかし、想像を超えるこの状況に言葉がありません。Sonic (HN)さん、あと1週間どうしましょう。



部屋に帰って反省会です。飛行の出来はどうあれ、一日の終わりのビールは最高です。



2日間、計5回の練習飛行をしました。10月2日(日)、今日は開会式と、午後からアドバンスト カテゴリーのKnownが行われます。






コンテスト ディレクターのマイク ヒューワー氏。



世界選手権では、通常競技参加者がボランティアをすることはありませんが、US NationalsやRegional Contest(地方競技会)では、競技者も空き時間に競技進行を支えます。私はCheif JudgeのAssistantです。



ボランティアの人員整理をタグで行います。いいアイデアです。



ADVカテゴリー参加の競技機が並びました。



ADVカテゴリは24人の参加者が集まりました。皆さん、どうぞよい飛行を!



日差しの関係で、午後の競技では西側のジャッジラインを使います。準備完了です。



気温は28℃。風も穏やか。ボレゴバレー飛行場でのトレーニングキャンプでの暑さが懐かしくなるような、快適な環境です。



ADVのKnown Program



 〈動画〉 Advanced Known

上のKnownと見比べて、競技参加者の飛行を観察してください。


このような形で、10月7日(金)まで続きます。明日3日は我々のUNL Knownです。


2022 US National Aerobatic Championships 4へ

2022年10月18日火曜日

2022 US National Aerobatic Championships 2

9月28日朝。US Nationalsが開かれるサライナ リージョナル空港(KSLN)へ出発です。ここ数日の暑さも少し和らぐそうですが、それでも最高気温は40℃。暑くなる前にここを出ましょう。



サボテン、またね。



10,000ft MSLから12,000ft MSLあたりを下限に、Broken程度の雲が予報で出ています。我々の飛行高度である9,500ft MSL近辺では大丈夫でしょう。



次にここボレゴバレー飛行場に来るのは来年4月の競技会でしょうか。でも冬の前にトレーニングキャンプを計画しています。参加者募集中です。



ボレゴバレー飛行場(L08)からサライナ リージョナル空港(KSLN)まではこのようなルートができました。

距離は1,010NM、1,870㎞。巡航速度はSonic (HN)さんのExtra 300が約165KTAS、私のPitts Special S-2Sは155KTAS。10KTASほど違いますが、偶然にも航続距離はほぼ同じです。2時間を上限に計画して5Legs、明日の午後には現地に到着できる見込みです。今日は3Legs飛行してNM州東部まで行けるでしょうか。



REDFOX has the Lead.

Ready?



2015年ころ、Team Oracleの3-ship Formation


Team Oracleのサポートをしていた数年間、アメリカ大陸をFormation FLTで移動しましたが、Leadは常にSenecaが行ってくれました。実は、今回が私の初めての、長距離XCのFormation Leadです。



Takeoff!




〈動画〉 Takeoff for the Championships



高度9,500ft MSL、天候は良好、気流も穏やか。


最初のLegは短めに、1時間少しの飛行です。AZ州コットンウッド、コットンウッド飛行場(P52)で燃料補給です。残り10NM。降下の時間です。



コットンウッド飛行場の南側を通って、使用する滑走路14のLeft Downwindへ。



Cottonwood traffic, Borrego FLT, entering left downwind RWY 14...



Runway is clear... Base, Final, clear... and Left Wing is clear, too.



10 second interval... ready... break...

ここは滑走路幅が75ftと比較的狭いところです。左右に分けて着陸することは難しいため、100ft未満の場合はインターバルを長めにとるように打ち合わせをしました。



Cottonwood Traffic, Borrego FLT #1 is turning left base...



Round out... and, decrab...



Touchdown!



・・・着陸後は左に流されてしまいました。「Hey!Aileron into the Wind!」などと訓練生には厳しく言う私ですが。私の操縦技量など、実はこの程度です。見知らぬ場所では技量の未熟さが露呈するものです。



Sonic (HN)さん、お疲れさま。きれいなところですね。



燃料補給して、一休みして。再び、Ready!



左にセドナ飛行場(KSEZ)が見えます。すばらしい景色の広がるすてきな飛行場ですが、燃料が高価なため、今回は避けることにしました。



繊細なセッティングを施した曲技飛行機では、少しでも他に気がとられると、進路も高度もフラフラ・・・。Sonic (HN)さん、ご容赦ください。



本日2回目の燃料補給です。ニューメキシコ州グランツ ミラン市営飛行場(KGNT)。



標高6,536ft。今回の道中で最も標高の高い飛行場です。



「目の前の雲の下に降水があるので、右に避けますよ。」


「あの雲の下、そこだけ雨が降っていないけれど、行けますかね?」

「おそらく大丈夫でしょう。2 is Good!」



どこまでも広がる荒野。頼りになる仲間がいるというのは心強いです。



「編隊飛行は危なくはないですか?」と質問を受けますが、その通りです。危険です。編隊飛行とは、複数の航空機が一つの航空機となって飛行することです。それらの航空機は物理的には接続されていませんから、相対的な距離や位置は常に変化します。このような簡素な2-ship Formationでも、Leadを見失ったり、操作を誤れば、衝突の危険は常にあります。

それらの危険を考慮しても編隊飛行を行うのは、冒険飛行の要素があるこのような小型飛行機で、また設備に劣る曲技飛行機でも、互いに助け合うことで安全性を向上し、また安心感もそこに生まれるからでしょう。精神的な安心が得られれば、それはそれぞれの飛行士のパフォーマンスの向上につながるのではと、私は思います。

そして、何よりも楽しいですね、Sonic (HN)さん!


もちろん、事前の訓練とブリーフィングは入念に。

FAST - the Formation and Safety Team    http://www.flyfast.org/



NM州トゥクマカリ、トゥクマカリ市営飛行場(KTCC)


一般的に、東への飛行では上空の追い風が助けになりますが、しかし時差の関係で活動時間は短くなります。今夜はここで一泊です。



翌9月29日。今日は2Legsで目的地のサライナに到着です。所々に見られる雨雲を避けて飛行します。この冬はCA州にも雨が降りますように。



KS州ダッジシティー、ダッジシティー リージョナル飛行場(KDDC)で最後の燃料補給を行います。



この辺りはレンガ作りの味のある建物が多いです。



Salina TWR, Borrego FLT, reporting 2 mile initial RWY 17.



〈動画〉 Overhead APP at Salina Regional Airport

5 sec interval, ready, break.



KS州サライナ、サライナ リージョナル空港(KSLN)


空港の西側に設定されたエアロバティック ボックスでは、早速競技者参加者たちが練習飛行を繰り返しています。まだ人も少なく、リラックスした雰囲気ですが、明日ころからは参加者も増え、次第に緊張感が高まっていくことでしょう。



翼を休める、UNL参加予定の飛行機たち


参加登録をして、飛行機を掃除して、レンタカーを受け取って。

ではホテルに向かいましょう。お疲れさまでした。


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