2022年11月21日月曜日

2022 US National Aerobatic Championships 5

おはようございます、Salina!


10月4日(火)、US Nationals 3日目です。今日は我々UNLの2回目の飛行である、Freestyleが行われます。0700時に集合して、ブリーフィング、そして0800時から競技開始です。


今日の予定です。



これによると、Free Unknownのシークエンスの提出期限は1400時です。しかし、我々はADV(アドバンスト)カテゴリのボランティアに行くことになっていますから、1130時からのADVのブリーフィングまでには完成させなくてはなりません。Freeの飛行が終わったらすぐにPCを出して、作業を再開します。



おはよう、Pitts Special S-2S。ごきげんいかが?



暖気を済ませ、愛機をスターティングラインに配置します。私の飛行は11人中10番目。同時に参加するADV Gliderも加えると12番目、飛行まで2時間弱あります。飛行内容を再確認して、一休みします。



Freestyle B用紙



Freestyle C用紙


太陽の位置を考慮して、午前中のジャッジラインはエアロバティック ボックスの東側に配置されています。そして、今朝は南風ということで、オフィシャル ウィンドはジャッジラインからみて左から右になりました。


私の飛行は下のLiveの動画の2:04:02からです。興味のある方は、上のC用紙を用いてご観覧ください。



〈Live Stream〉 US Nationals、UNL Freestyle、ADV Glider Freestyle


...いかがでしょう、何か気付いたでしょうか。昨日のKnownでは、粗い飛行であっても実力を出せた飛行ができました。しかし、このFreeでは...


Figure 3のDownlineで2 Point Rollを忘れ、HZ(ハードゼロ)。

Figure 5のUplineでの4 of 8の最初のストップがない。運よくHZにはならず。

Figure 7のUplineでは、本来行わないはずの2 Point Rollを行ってしまい、これもHZ。


朝からどこか集中力がなく、熟知しているはずのFreeでこれらの失敗をしてしまうとは。昨日のような出来ならば、少なくとも65%程度の成績は期待できたと思いますが、ここでは53.40%となりました。


...言い訳はやめましょう。これが今の私の実力なのです。


このFreestyleのプログラムでは、著名なAirshow Performer、Mike Goulian氏が解説に加わってくださいました。「Yuichi is a Pro!」と、うれしいコメントを頂いています。Mr. Goulian、光栄です!



〈動画〉 UNL Freestyle



毎朝おいしいコーヒーが届けられていました。スポンサーの皆さま、ありがとうございます。


コーヒーを頂いてリフレッシュです。気を取り直して、昨日のFree Unknown作成の続きです。Sonic (HN)さん、よろしくお願いします。


...おや?

Sonic (HN)さん、これはいい組み合わせではないですか?



4つのAdditonal Figuresを加え、合計14のフィギュアで完成しました。



グリッド状の画面ではシークエンスの内容が判りづらいですが、「Finalize」させるとシークエンスとして完成します。私とSonic (HN)さんの合作のFree Unknownです。


Free Unknownの提出は義務ではありません。他の競技者が作成したシークエンスを採用すると割り切り、空いた時間を競技飛行の準備に費やすこともよい作戦です。しかし、他の競技者が作成したシークエンスが自身の望むもの、また機体の飛行性能の観点から好ましい組合わせとなっているとは限りません。


こうして悩みながら、仲間と相談してシークエンスを作成することは楽しいものですし、また与えられた時間内でFree Unknownを作成する技術も、競技者として必要な要素の一つだと思います。seq形式のFileにして、オフィシャルに送信して完了です。



ボックス西側のジャッジライン。予定よりも少し遅れましたが、1300時、これよりADVのFreestyleのプログラムです。



〈Live Stream〉 US Nationals、ADV Free Style



ADV参加者24人の飛行が終わりました。長い一日でした。



サライナ空港の南側、RWY 35のAPP Endの外側を通ります。


さて、UNLのFree Unknownの各シークエンスが発表されました。AからEまでの6つ、我々が提出したものはDですが、他にいいシークエンスがあるかもしれません。確認してみましょう。









以上、AからEまでのFree Unknownでした。どうやら我々が提出したDがよさそうです。


ループを含むフィギュアは、ジャッジに対して曲線部を表現できるようX軸上で、またジャッジラインの目前で行うよう配置する。

45度のラインを含むフィギュアは、角度を表現できるようにX軸上で行う。

テールスライドはチーティングがジャッジに見えないようY軸上で、またジャッジ側に倒れるように配置する。


通常、シークエンスの作成時はこれらのを考慮して各フィギュアを配置しますが、Free Unknownでそれらの「常識」を固持すると行き詰まります。時間も限られますし、完璧を求めてはいけません。求めるものは「無理なく飛べる」シークエンスです。


明日は飛行はなく、ADVカテゴリのボランティアのみ。1日かけて、明後日のFree Unknownの準備をします。


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2022年11月12日土曜日

2022 US National Aerobatic Championships 4

10月3日(月)、US Nationals 2日目。今日は朝からSportsmanカテゴリのKnownが行われています。我々UnlimitedのKnownの飛行は午後12時から。そしてBriefingは午前11時からです。


今後の予定は:

10月4日(火)  Free

10月6日(木)  Free Unknown

10月7日(金)  4-min Freestyle

となっています。



Pitts Special S-2S、準備はいいかい?



UNLの参加者は11人。Knownでは私は5番目の出発です。それでは行ってきます。



IAC UNL Power Known Sequence B用紙



IAC UNL Power Known Sequence C用紙



〈Live Stream〉 US Nationals UNL Known、Intermediate Known、など


私の飛行は43分00秒あたりからです。今回のOfficial WindはJudge Lineから見て右からですので、上のB用紙を参考にどうぞ。


このKnownの飛行はOut of Box(エアロバティック ボックスに留まることができず、逸脱してしまうこと。)が3回ありました。UnlimitedではOut of Boxは1回につき30点の減点ですので、合計90点。しかしHZ(ハードゼロの意味。シークエンスに指定されたフィギュアを誤って飛行したり、または失念してスキップするなど。減点による0点とは異なり、明らかな0点の配点。)はなしでした。No HZが目標の1つでしたので、うれしいです。


ただ気になるのは、Half Snap Rollでピッチ変化が見えず、Snapとしての表現に乏しいことでした。Figure 1の45 upからのPositive Half Snap(動画の43分29秒)、Figure 6でのInverted LevelからのPositive Half Snap(46分19秒)、どちらもピッチ変化が少なく、Aileron Rollにも見えてしまいます。


この原因は、Half Snap Roll後のヘディング変化が大きいと悩み、小さなピッチ変化で解決しようとしたことの弊害です。航空力学的には確かにSnap Rollでしょうが、それをジャッジに対して表現できなければ意味はありません。やはり、地上から飛行を指導してくれるコーチという存在は、競技者の成長には欠かせないのです。



〈動画〉 UNL Known、主翼からの映像

いろいろと粗の見える飛行ですが、私としては十分に実力を出せた演技でした。満足度では90点です。Good!



機内のG-Meterの記録は、最大で+5.6G/-4.1Gを示していました。もう少しAOA(迎角)を高く、タイトなコーナーがあってもよかったかもしれませんが。



飛行機の整備と掃除も終わりました。


さて、今日は1800時から、UNLの参加者が集まり、Free Unknownのフィギュア提出の会議があります。Free Unknownとは、その時点での上位の10人が、1人1つ希望のフィギュアを提出し、各競技者はそれら10のフィギュアを組み合わせてシークエンスを作成し、飛行するプログラムです。FreeとUnknownの要素があるためFree Unknownという訳です。他の方の作成したシークエンスを選んで使用することもよいですし、仲間と相談して作成して、共有しても大丈夫です。


各参加者から、以下のようなフィギュアが提出されました。それぞれのフィギュアに誤表記がなく、また禁止された組み合わせもないことを確認して、正式に発表となります。

私は9番のCanopy Down Tailslideを提出しました。K-Factorは25、最も簡素です。1番のロブ ホーランド氏のフィギュアはTotal K-Factorが80。K-Factorが高いということは、構成するコンポーネントが多い、つまり難易度が高いフィギュアということになります。



10年くらい前まではPC Softwareを用いない、手描きでの方法も認められていたように記憶していますが、今はOpenAeroというSoftwareで作成し、SEQというフォーマットで提出することと定められています。確認作業も簡易化され、また誤情報による混乱も避けられます。


OpenAero https://openaero.net/


OpenAeroの操作画面



OpenAeroの画面上でフィギュアを簡単に作成でき、またフィギュアの修正や、順番の変更も簡単にできます。便利な世の中になりました。



こちらはFree Unknown作成のページです。オフィシャルから送られてきたSEQファイルを開くと、このようなページが現れます。これら10のフィギュアを、自身の技量と飛行機の性能、そしてそれぞれのフィギュアの場所などを考慮して組み合わせます。


私のPitts Special S-2SとSonic (HN)さんのExtra 300は、外見は全く異なりますが、しかし性能的にどことなく似たようなところがあるようです。二人で相談しながら進めます。



・・・何かが違う。



エナジーや飛行の向きを調整のため、Free Unknownには追加フィギュアが4つまで認められています。Sonic (HN)さん、次は何がいいでしょうね?


Free Unknownも気になりますが、ただ明日は朝7時からFreeのプログラムがあります。Free Unknownのシークエンスの提出期限は明日の14時までですから、Freeの飛行の後にまた考える時間もあるでしょう。


そろそろ休みましょう。おやすみなさい。


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