2014年11月28日金曜日

P. A/E. R. E.



以前にも、イタリアからわざわざ訓練に来ていただいたPaoloさん。今回は息子さんのアメリカ旅行と予定を合わせていらっしゃいました。お元気そうですね。




前回の訓練の後、Extra 300LPを購入し、曲技飛行を楽しんでいるそうです。おめでとうございます。しかし、単独となると、曲技飛行はともかく、Spin、特にInverted Spinまでは行うことがなく、再訓練の必要性を感じたということでした。では、この機会に苦手な部分を克服していきましょう。




早朝は5 - 6度Cほどしかありませんが、日が昇ると急に暖かくなります。青空がまぶしい。




UprightとInvertedのそれぞれの、Normal、Accelerated (Elevator and/or Power)、Flatと、Modeを変えて、飛行機がどのような挙動をするのかを体験し、適切な回復操作を身につけます。




元は自動車のアマチュア レーサーだったPaoloさん。乗り物を操作する技術は見事です。




Spin Rocoveryの手順で有名な「P. A. R. E」は、Elevator Accelerated Spinからの回復で手順を間違えることがあります。私も常々何かいい解決方法はないものか?とは思っていました。




「Yuichi、このSpin Recoveryの方法はどうだろう?」




Paolo: P. A. R. Eの代わりに、P. A/E. R. Eを使ってみようと思うんだ。

なるほど、いいアイデアですね。理論上、問題はないと思います。むしろ、混乱する可能性が皆無で、いいのではないでしょうか。座学での伝え方を研究してみます。




〈動画〉 Aerobatic Training 2014年11月27日

音声ジャックが故障中で無音でしたので、セリフは字幕にして、さらに音楽(菅野 よう子、「Ghost in the Shell サウンドトラック」より)を加えてみました。




次の練習科目はOutside Maneuversをいくつか行います。OutsideのHalf Loop Upと、PushからのHammerheadsを試してみましょうか。




今年のイタリアでの競技会で、Sportsman Categoryに参加してみたいとのことです。よい成績が得られることでしょう。健闘を祈ります。

2014年11月20日木曜日

尾輪式飛行機講習会のお知らせ



静岡県航空協会と日本女性航空協会の皆様のご協力で、尾輪式飛行機講習会を行わせていただけることになりました。予定は現在のところ以下の通りです。


   日時
2015年2月21日(土) 13:00 - 17:00 座学講習
2015年2月22日(日) 09:00 - 17:00 同乗訓練


   場所
静岡県静岡市清水区蒲原 富士川滑空場


   参加資格
静岡県航空協会の会員の方。
同乗訓練は先着順で最大4名まで。使用する機体でPICとして飛行を認められた方に限らせていただきます。


   講習内容
尾輪式飛行機が存在する訳は?
飛行前点検での注意点
エンジンスタートからエンジンストップまで、尾輪式飛行機に求められる事とは?
離陸滑走とレフト ターニング テンデンシー
三点着陸と接線着陸
グラウンドループはなぜ起こる?
安全な飛行を求めて

その他、新たなトピックの希望も承っております。お待ちしております。


   お問い合わせ
JWAA 日本女性航空協会 理事長 鐘尾 みや子 jwaa385@gmail.com


   講習についての質問や希望など
髙木 雄一 airtango@hotmail.com までどうぞ。


   LINK
静岡県航空協会ホームページ: http://fujikawaglider.main.jp/
ブログ「富士川で飛んでます!」: http://fly-fujikawa.jugem.jp/

2014年11月19日水曜日

King Cityへようこそ


日本の曲技飛行仲間の相京さんと、彼の同僚の堀内さんが訓練にいらっしゃいました。お2人は海上保安庁のパイロットをされていて、日々日本の海と空の安全を守っています。(掲載許可承諾済)




ブリーフィングを終え、Pitts S-2Cの暖機運転を。この飛行機に乗るのもほぼ3ヶ月ぶりです。




今日はとてもきれいに晴れ上がりました。




相京さんは、2012年の第3回全日本曲技飛行競技会と、2013年の第4回競技会に出場され、昨年の第4回競技会ではPrimary Categoryで見事優勝されました。




S-Turnでウォームアップ中。きれいなCoordinationです。




曲技飛行の後は離着陸を。もう大丈夫そうですね。




on Downwind 

Pitts Specialは滑空性能に劣ることで知られますが、可能な限り滑走路への滑空範囲内に留まる努力をすることは飛行士としての義務です。この飛行機のDownwindの目安として、下側主翼の翼端と滑走路の関係を使うと便利です。




次は堀内さんがExtra 300Lで訓練に向かいます。






Extra 300Lの挙動にも慣れてきたようですね。それでは、今日の練習科目を行ってみましょう。




〈動画〉エアロバティック フライト トレーニング 2014‐11‐17




操縦訓練生の方が初ソロクロスカントリーでKing Cityにいらっしゃいました。曲技飛行に誘う相京さん。私からもお誘いします。




昼休みの後、T‐6の体験搭乗へ。実は、本日よりTutima Academyでは、正式にT-6の体験搭乗が可能になりました。




Steep Turn!




伊達 政宗!海上保安庁の仙台航空基地のワッペンを貼っていただきました。大切にします。


あっという間の7日間でした。冬の厳しい天候での飛行となることでしょうが、どうぞお気をつけて。これからも日本の安全をよろしくお願いします。

2014年11月9日日曜日

Last Run


さよならヒューストン


Wings Over Houstonの次はCO州Denverへ向かいます。本来ならCA州へ直接帰るところですが、Challenger IIIをしばらく現地の博物館に展示するそうです。




寒冷前線が接近中。一帯は雲が低いです。3,000 ft AGLから4,000 ft AGLの高度で、雨や雲を避けて飛行を続けます。




追い風の影響で、予想よりも距離を稼ぐことができました。TX州Childress Municipal Airport(KCDS)で燃料補給。雨が降り始めました。すぐに出発です。




お腹が空いたので昼食を。この飛行機はRoll方向の静安定が負、Pitch方向の静安定は中立。一時たりとも操縦桿から手が離せず、長距離飛行には疲れる飛行機です。




寒冷前線の真下を通過中。ここの天候は回復しましたが、目的地の天候が悪化しています。外気温度と雨に気をつけながら、先を急ぎます。




雲の下をくぐって、CO州Centennial Airport(KAPA)に到着。先に到着していた仲間が迎えてくれました。気温は+3度C、雪の匂いのする空気は、千歳の航空整備学校時代を思い出させます。




最後の数Milesの悪天候を乗り切った安堵感。Senecaのパイロットを務めたチャドさんは今年でTeam Oracleを離れ、Corporateの仕事へ移ります。GAからAirlineまで幅広い経験を持つ彼は、的確な状況判断を下し、悪天候でも飛行を預けられる仲間です。




夜10時。格納庫へ戻って最後の仕事にかかります。ここから20 Milesほど離れた博物館へトレーラーで陸送です。






深夜まで待って、2車線の道を塞いで移動します。気温-1度C。寒い。




パトカーも警備に加わり、ゆっくりと進みます。




Wings Over The Rockies Air & Space Museum(http://wingsmuseum.org/)に到着し、外した部品を再取り付けします。勝手の判らない私は見ているだけ。




グライダーからF-104、B-2、ファンの方が作ったStar WarsのX-Wingの5/8サイズの模型までありました。少し見て回りたいところですが、疲れと眠さが限界です。お休みなさい。


翌朝。TVをつけたら、飛行機の陸送の話題がニュースになっていました。


 PLANE MOVED THROUGH DENVER OVERNIGHT























私のTeam Oracleのサポート活動はこれで終わりです。来年度は新たな仲間が加わるということで、私も一安心。後は彼らに引き継いで、私は再びフライト インストラクターの職務に戻ります。どうぞよろしくお願いします。

2014年11月8日土曜日

2014 Wings Over Houston




Aerobatic Rideの数日間は暖かい日々でしたが、Air Show当日は朝の気温が8度C、北風も強く、急に冬になってしまったようでした。昼頃に少し暖かくなったものの、それでも上着が手放せない日々でした。




今回はSeanに加え、Matt ChapmanとDavid MartinもCircle Jumperに加わりました。賑やかな開会式です。




大盛況のAir Show。でも格納庫との行き来が大変です。




B-17 Flying Fortress。さすがは「空の要塞」と呼ばれた機体です。大きい!




B-52 Stratofortress(成層圏の要塞)。同じ爆撃機なのに、B-52は見ていると恐怖を感じます。世界が壊れても「平和」のために飛び続けるのでしょうか。




B-17がTaxiingしてきました。大型旅客機を見たことのある現代人の私が見ても、「大きい!」と声が出てしまうほどです。




このような大戦中の大型機は、操縦席から各エンジンまでの距離が長いため、コントロール ケーブルの伸びが顕著で、出力調整や同調に意外な難しさがあるそうです。




旧日本軍による真珠湾攻撃を模した「Tora!Tora!Tora!」。サイレンが鳴り響く中、日本軍機のレプリカが飛び回ります。見ごたえあり。




「日本人として、悪役にされているのって、どう思う?」と聞かれたので、「アメリカでだからね。アメリカ人も日本の立場からは悪役に描かれるよ。」と答えておきました。「え?」という、信じられないという顔が逆に意外でした。




どうでしょう?飛行機を近くで見てみますか?




ここEllington空港の、Texas Flying Legends Museum(http://www.texasflyinglegends.org/)に所属する零式艦上戦闘機21型。残念ながら、オリジナルの栄エンジンではありませんが、飛行可能な数少ない、貴重なゼロ戦の1つです。




何と小さな旋回半径!




「その高度からLoop?」と目を疑いましたが、もちろん見事に決められていました。操縦したWarren Pietschさんによると、180 MPHからの進入で、Loopの直径はおよそ1,000 ftだそうです。・・・曲技飛行競技に十分参加できる性能です。




本当に美しい飛行機です。




最後は後をF-4U Corsairに取られて被弾しました。




21型とF-4U。第二次大戦期の戦闘機の中で私の好きな2機が揃いました。




Warrenさんは神風の鉢巻をしていました。ちょっと違うかな?と思いましたが。正面からの写真が撮れず、残念。




F-4Uを操縦するのはDoug Rozendaalさん。Dougさんは去年のT-6の訓練でお世話になりました。お久しぶりです。




DougさんとWarrenさんのご好意で、21型の操縦席に座らせていただきました。




日本語が見られる操縦席。




FAAの耐空証明取得のために、計器やスイッチ類は変更されていますが、可能な限り原型を留めるようにしたそうです。本来7.7mm機銃が収まるところには、無線機類やGPSが取り付けられていました。




乗り降りは左翼から行います。外板は主に0.016 inや0.020 inの厚さ(!!)を使っているそうで、翼面上に歩けるところはありません。そこまで軽さを追求したのかと、改めて驚きます。




操縦席からの視界はとてもいいです。F-4Uと比べ、この点では実戦でも有利だったのではないでしょうか。




キャノピー ロックや座席の高さ調整レバーなど、とても素晴らしい完成度です。もっとも、どこまで原型通りなのか判りませんが、80年前の日本の技術者たちがこの飛行機を作ったという事実に、何と表現をしてよいのか、言葉が見つかりません。




操縦桿とラダーペダルを動かしてみました。まるで、Extra 300Lのような軽さです。スポーツ機として再設計して、市販してくださる会社はないものでしょうか。




日曜日。Air Showが無事に終わりました。




2014年 Team Oracle サポートメンバー

苦労がありましたが、今思えば楽しい日々でした。ありがとうございました。