2013年9月6日金曜日

ジャッジスクール 108-2

ペナルティの適用

曲技飛行競技の得点集計は、フィギュアの判定だけでなく、数々のペナルティも加わって行われます。算出は、フィギュアの合計得点から、以下のペナルティを減点して、最終的な得点となります。


カテゴリー
プライマリー
スポーツマン
インター
ミディエイト
アドバンスド
アンリミテッド
バウンダリー
侵害
無し
5
10
20
30
インタラプション
5
5
15
50
90
低高度制限
侵害(LOW
0
プログラム
全体
1-200ft
0
プログラム
全体
1-200ft
60
フィギュア毎
1-200ft
120
フィギュア毎
1-328ft
150
フィギュア毎
1-164ft
低高度制限
侵害(LOW-LOW
0
プログラム
全体
200ft超)
0
プログラム
全体
200ft超)
0
プログラム
全体
200ft超)
0
プログラム
全体
328ft超)
0
プログラム
全体
164ft超)
高高度
制限侵害
5
5
10
25
30


1. バウンダリー侵害

競技飛行中、1,000m(3,280ft) X 1000mのボックスのバウンダリー(境界線)を超えると、バウンダリー侵害(Out of Box)のペナルティが与えられます。ペナルティの値はカテゴリーによって異なります。


2. インタラプション

インタラプションは競技飛行を中断したときに与えられます。競技中に高度が低くなってしまったり、フィギュアを誤ってしまったときなど、何らかの理由で競技を中断することが可能です。


3. 低高度制限侵害(LOW)

競技飛行では、安全のためにカテゴリーによって最低高度が設定されており、これを下回って飛行すると「LOW」としてペナルティが与えられます。上の表をご覧の通り、最低飛行高度はカテゴリーによって異なります。LOWの判定はジャッジの過半数を持って成立しますが、プライマリーとスポーツマンでは、LOWは該当する飛行がそのまま0点となりますので、注意してください。


4. 低高度制限侵害(LOW-LOW)

上の「LOW」の高度をさらに下回って飛行すると、「LOW-LOW」の判定が与えられます。どのカテゴリーでも、即座にその飛行が0点となります。


5. 高高度制限侵害

高度を保った飛行は安全性の観点からは望ましいものですが、競技飛行としては疑問が残ります。競技飛行を行う準備ができていない、飛行の速度と高度の総合的な管理ができていない、ジャッジに対して飛行を表現する能力に欠けるなど、不利なイメージを与えてしまいます。しかし実際の競技飛行では、このペナルティーを積極的に与えらることはないようで、ジャッジが競技機を視認できる範囲で飛行していればよいと考えられているようです。

初心者の飛行では、3,500ft AGLという上限を超え、4,000ft AGLに達してしまうことは珍しくありませんが、6,000ft AGLの高度ともなると、小さなPitts Specialでは目視すら難しくなります。ご注意ください。

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