第4回全日本曲技飛行競技会では、多くの選手たちが飛行中の映像を記録していました。10年ほど前では一般的なことではありませんでしたが、今では高画質で安価なビデオカメラが多く市販されており、皆さん練習飛行の反省と改善に役立てているようです。
今回の競技会では私もカメラをCanopyに取り付け、競技飛行を記録していました。Pitts S-2Bは前方の視界と前席の計器を同時に記録できることが嬉しいです。さて、その内容はどんな様子でしょうか。Judgeの皆様には、Ustreamの映像と組み合わせてご覧いただけると、今後のJudgingにも役立つのではと思います。
IAC Intermediate Known 2013
(Intermediate CategoryのKnownは米国IACで採用されているシークエンスを使用しています。)
9月20日 Intermediate Known
外部からの映像はUstreamからどうぞ。
Ustream Intermediate Known (02:15:12~) http://www.ustream.tv/recorded/38998749
Intermediateの1番手ということで、まずはLow Line(Categoryの最低飛行高度でBoxのMarker上空を飛行して、JudgeにBoxの場所と高度の目安を与える。ここでは1200ft AGL)をしています。Markerがよく見えず、何度も繰り返して時間を費やしてしまいました。
全体的に、Vertical UpのRollで、角度がUnder Rotate(Rollの回転不足)となっていました。当然のことながら、Roll中は気付かず、下を向いたときに初めてそのずれに気付くという有様です。放送席からのコメントにもあるように、映像からもよく判ります。目標に限りがあるこのスカイパークの飛行で、最も難しいところと言えます。
また、私の悪い癖もよく見えます。それはVertical Downと45 DownでのShort Afterでしょう。カウントを焦っているのか、自身で行っているカウントとは違った飛行です。これまでも同じ失敗を何度もしていて、なかなか治りません。
個々のFigureでいくつか気付いたところは・・・
Figure 1: 機内の映像からは、Topの2 Point Rollの直後、Loopの角速度が急に加速するように見えますが、地上からはそうでもないようです。魚眼レンズのカメラを、中心をずらして設置しているからでしょうか?ただ、A用紙(採点用紙)にコメントがあったように、Vertical Downは少しPositiveに見えます。判定したJudgeの方、お見事です。
Figure 3: 地上からは判らなかったようですが、Pull Downのときに余計な左Rudderが入っていたのか、Vertical Downにしたところで左にSnap Rollして、30度ほどずれてしまいました。遠かったこともあり、気付いたJudgeもあまりいらっしゃらなかったようでした。諦めずに飛行してよかったです。
Figure 4: 「高いところではJudgeから遠く、低いところではJudgeに近く飛行する」という基本に沿って飛行するか。それとも西からわずかに吹いている風を考慮して、Judgeから離れる方向に飛行するか。最後まで悩みましたが、微風ということもあって、Figure 3からJudge側に向かって飛行しました。しかし、少しJudge側に寄り過ぎてしまったようです。あと50m遠かったら文句のない位置での飛行だったことでしょう。
Figure 6: 練習飛行でも皆さん悩んでいたところですが、HammerheadのPivot部で、Torqueの影響が出てしまい、どうしても左にRollしてしまいます。ここではPowerを絞って対処しましたが、一度出てしまったTorqureはどうやっても解消できません。JAS Redlands校のPitts S-2Bではあまり見られないことで、同じ機種でも多少の固体差があるようです。
Figure 7: Bow-Tie、45 Up LineでのHalf Snap Roll。Half Snap Rollは、開始と終了の2つの動作のみで、1回転などのSnap Rollと違い、継続という部分がありません。Half Snap Roll自体の難易度はそれほど高くありませんが、競技ではHeadingの維持という問題があり、1回転のSnapに比べるとHeadingのずれが出ます。
ここでは、Half Snap後のHeadingのずれを修正して、減点を最小限に留める努力をしましたが、修正はまだ不完全だったようです。Half Snap Rollを生真面目に行えばHeadingは大きくずれ減点になり、擬似的に行えばNo Snapとして0点、もしくはPZ(Perception Zero。Snap RollやTailslideの判定はJudgeの主観に頼り、国際選手権では同じ0点でも扱いが異なる。)を受けてしまい、両立させることが難しいところです。Pitts S-2BはSnap Rollが難しいという評判もあり、今後の研究が必要です。
Figure 10: 270度のInverted Turn。Bank Angleが少し足りないように見えます。判定基準では、少なくとも60度のBank Angleが必要とされています。要修正です。
最後に言わせていただきますと・・・
飛行しているPitts Specialの姿は美しい!
日本の競技会でPittsで参加できてとても嬉しいです。
5 件のコメント:
Takagiさん、お疲れ様でした。
私は先ほど、On-Line CFI Renewal CIFRを終わらして、久々にブログを拝見させて頂いています。
今回はAceCFIって会社のコースを使用しました。 なんと日本まで葉書ですがDMが届きました。 一度支払うと、もうコース代は不要と言うコースです。 何か怪しいけど、数年は持つかなと思っています。AOPAの様に長年に渡って会社は残るかなぁとの不安もあります。とりあえず、FAAのIACRAを駆使してるので今回の分は大丈夫かなとは思いたいのですあ。 本来はTakagiさんの様に教官としての実績で自動的に更新されるべきなんですけどね。 今は単独飛行に行ける技量も無いので講習しか道が有りません。 (一段と頭でっかちになりました。)
ブログを読んでいると既に大会は終わり、King Cityに帰られている見たいですね。世界で一番小さなヘリコプターの写真を見るとアメリカの風景。何と行動の早い。 機動性が良いと言うか。 少し前まで白夜の記事を書いておられたのに。
前のブログを読むと、これで日本での活動も終わりの様な事も書かれていましたが、本気ですか? 何か勿体無いような。
そうそう、最近のデジカメは動画機能も良いですよ。 クリップか吸盤で固定して撮影している人も居ますよ。
うえださん
AceCFIは初めて耳にしましたが、日本にまで連絡するとは積極的な対応ですね。私もこの6月に更新して、あと2年は大丈夫になりました。
こうしてアメリカに帰ってくると、日本でのことが夢のようです。飛行機が身近にあるというのはここアメリカのよいところですが、それと全く変わらない日常がふくしまスカイパークでありました。そして、日本らしい素晴らしい生活環境は、たとえNYCでも得られません。
本当に素晴らしい滞在と競技会でした。全日本曲技飛行競技会、どうかこれからも元気で。
「どうかこれからも元気で。」
お別れの様な閉めは寂しいですよ! これからも相手してやってください。
Ace CFIは比較的新しい会社でしょうね。日本にDMの葉書が届いた時は不思議でした。(まあ、それで興味が出たのですが) それにAbout USを見ても大して書いていません。2015年までがExaminerの有効期限でして、それに永遠に無料ってのが逆に気になってます。まあ、Apllicationを提出代理を頼まなないと日本では更新が出来ないので、25ドルだけの費用が必要になりますが、高額な飛行機の世界。それだけでやっていけるのか不安です。
今回は入会後に最高速で終わらせました。4日間? Notaryが不要と助かるのですが、新規な会社なので、有効期限に余裕を持って終わらせました。(12月)IACRAを使ってるのでその分安心なのですが、FAAのDatabaseがまだアップデートされません。
もしかしたらアメリカの財政問題で大幅に遅れているのかなぁ?と疑ったり。Budget問題はKing Cityでも悪影響は出ていますか? 日本の消費税(%への値上げより大きな問題じゃないのと思ったりしています。
「日本でのことが夢のようです。」
この気持ち分かります。日本に帰って10年。たまにアメリカ訪問をしても同じ様な気分になります。 ここ十年の大半は日本なのに。
「それと全く変わらない日常がふくしまスカイパークでありました。」
次回はスカイパークの事でも記事にして下さいね。 私はSectionalを見て想像するしかありません。 それに、八尾空港で乗せてもらった事が有るのですが、「日本は厳しい!」ってのが印象です。 行政の事もありますが、「地形」や「環境」も厳しいなぁとの印象を受けています。(そりゃ、CFIでも30時間の同乗を義務付けるのが理解できる、、、、と)
上田さん
$25で手続きをやってくれるのは助かる反面、いつまで続くのか心配ですね。しっかりとしたサービスを行っているのなら、請求は行ってよいと思います。
ここKing Cityは田舎ですので、SFやLAで何が起こっても、全く変化のないところです。あと30年経っても、町も空港も変わることはないのでしょう。
コメントを投稿