2023年11月19日日曜日

Team Japan、WAACへ



10月24日から11月4日までネバダ州ジーンで開かれた第15回WAAC(World Advanced Aerobatic Championships、世界アドバンスド曲技飛行選手権)は、多くの方々の支援と協力を受けて成功裏に終えました。私、髙木雄一と遠藤宏泰はTeam Japanとして参加し、これはJAPAの関係者の方々や、アドバイザーの鐘尾みや子さん、現地でご協力いただいた佐藤晴美さん、そして応援してくれた日本の曲技飛行仲間の皆さまのお陰です。ありがとうございました。





WAACは2年に一度、CIVA(FAI、国際航空連盟の曲技飛行部門)の管轄で行われる曲技飛行選手権の一つです。他に、アンリミテッド カテゴリで競われるWAC、インターミディエイト カテゴリのWIAC、滑空機曲技飛行競技の世界滑空機曲技飛行選手権(WGAC、World Glider Aerobatic Championships)とアドバンスト カテゴリとして同時開催されるWAGAC、ヨーロッパ選手権として行われるEACやEAACなどがあります。





選手権は曲技飛行競技の盛んな国々が集まるヨーロッパで開催されることが多く、ここ10年を振り返ると、チェコ、ポーランド、ルーマニア、スロバキア、ハンガリーなどの国名が上がります。航空文化に理解があり、現地の各団体から協力が得られること、飛行場の設備が整っていること、騒音問題に懸念がない、物価が比較的安価で、期間中の安定した天候が見込まれる、また各国からのアクセスが容易なことなどを考慮して、CIVAの会議で決議を通して決定されます。





ヨーロッパからの参加を考えると米国は地理的に不利ですが、米国でも十数年に一度の頻度で世界選手権が開催されています。2008年オレゴン州ペンダルトンで開催された第8回WAAC(当時の呼称はAWAC)には日本から内海昌浩氏が参加しました。2013年はテキサス州シャーマンで第27回WACが開かれ室屋義秀氏が参加しました。





内海氏は2010年にポーランドのラドムで開かれた第9回WAACにも参加しました。他に日本人が参加した選手権は、2012年のハンガリーのニーレジハーザでの第10回WAACに室屋氏と岩田圭司氏が、日本チームを結成して出場しました。





WGACでは、日本女性航空協会の理事長を務める鐘尾みや子氏と数名の選手が日本チームとして参加しました。2009年からは梶智就氏が常に上位に成績を連ねる競技者として、過去何年もの間WGACに参加しました。現在は酒井隆氏がWAGACに毎年日本代表の選手として参加し活躍しています。





今回のWAACは当初2022年に行われる予定でしたが、2020年に世界を騒がせたCovid-19の影響で1年遅れて開催されました。日本の曲技飛行愛好者の多くはここ米国で活動していることもあり、15年ぶりのWAACは、米国内の競技者だけでなく、日本からも関心も呼びました。





前述の競技者に加え、アドバンスト カテゴリの飛行技量を持つ日本人競技者は5-6人いますから、日本人競技者でチーム結成も可能です。日本人ジャッジやコーチを育成し、WAACにTeam Japanを送ろう!トレーニングキャンプを通して、最強のTeam Japanを結成しよう!





・・・という声も数年前まではあったのですが。景気、またはCovid-19の影響でしょうか。最終的には、上記の髙木と遠藤の2名が選手として残りました。コーチングは互いに行うとして、資金援助のスポンサードに頼らず、現地での実質的なサポートを受けず、2人の小さなTeam Japanを結成しました。





そして8月下旬。

私はオレゴン州でのエアショーイベントを終え、そのまま南カリフォルニアのレッドランズに向かいました。遠藤さんも日本から到着し、久しぶりの再会を喜びます。Team Japanの、WAACへの旅の始まりです。

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