八尋さんの友人がお描きになった、愛機Pitts S-2Sの絵をいただきました。新しいワイドブレードのMTV-9プロペラの特徴もしっかり再現されています。
ありがとうございます。大切に格納庫に飾ります。
楽しかった八尋さんとの一週間も過ぎて、ボスのエアショーパイロット、Sean D. Tuckerからの次の課題を与えられました。
エアラインも飛行学校も、どこも人手不足と聞かれますが、我々も状況は同じのようで、今年はボスのエアショーチーム、「Team Oracle」(https://www.oracle.com/corporate/teamoracle/index.html)のChallenger IIIのフェリーフライトに駆り出されることになりました。まずは、Challenger II(Seanが2009年まで使用した機体。現在は予備機として活用。)の離着陸訓練を100回終えるようにとのことです。
Challenger II
予備機のChallenger IIは、基本的にはPitts S-2Sを大幅に改造した機体です。出力を400HP+に増加し、主翼はエルロンを計8枚装備したWolf Pro 8 Wings、曲技飛行性能を向上させています。
Challenger IIは改造と調整を徹底的に行われたPitts S-2Sで、一般に市販されているPitts S-2BやS-2Cよりも飛行しやすい印象です。しかし、この機体で難しいのは着陸です。
タイタニウム製の円筒形のメインランディングギアはスプリンギーな特性で、神経質なほどに繊細な着陸が求められます。通常のPtts S-2B/Cが1 foot(約30 ㎝)毎に滑走路に近づけて接地させるとすると、この飛行機の場合は1 inch(2-3 cm)刻みと言えるでしょう。三点着陸ではランディングギアのアライメントの関係で暴れてしまうため、接線着陸で慎重に滑走路に接地させます。
それでは、いざ離着陸訓練へ!
<動画> Wheel Landing Practice Pitts S-2S
日英両語で動画を作成してみました。着陸操作では「速度を保て!」と訓練中に厳しく伝えられます。確かに、加速性能の低い大型機やジェット機では、それは重要なことでしょう。でも、対気速度を保っていても着陸が上手く決まらないことも多いものです。何か欠けているとすれば、それは何なのでしょうか。
I love crosswind!
横風の練習もするべきですね。今日はNew Coalinga空港(C80)にやってきました。滑走路12-30に対し風向きはいつも020°-040°、完全な設計ミスです。今日も15KTS+で順調に吹いています。
<動画> Crosswind Practice Pitts S-2S
動画には残しませんでしたが、実は最初の3回は連続でGo-aroundしました。Go-aroundを危険なこと、恥ずかしいことと考えてはいけません。Go-aroundは常に最善の選択肢です。
Challenger III
見た目はほぼ同じですが、設計の段階からすでにPitts Specialではなく、我々は「Bi-Plane」と呼んでいます。Pitch方向の静安定はほぼ中立で、編隊飛行や曲技飛行はよいとしても、着陸時の接地操作が極端に難しい飛行機です。
Sean D. Tucker(中央)とファンの皆さま
ボスの大切な飛行機を、安全第一で、慎重に運びます。今年もSean D. TuckerとTeam Oracleの活躍にご期待ください。
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