以前、修理をしてもPropeller Bladeに度々故障が起こる製品があり、試しに180度位置を変更して取り付けたところ、それ以降問題が起こらなくなったということがあったそうです。
点火時期との兼ね合いなど、影響があるのかもしれません。
それでは作業開始です。
Engine Cowl前部を取り外します。
3/4 inch幅のOpen End Wrenchを使って、6本あるMounting Boltsを外します。
Mounting Boltsは6本あるので、全てが突然外れることはまずないでしょうが、脱落させないよう、注意しながら行います。
何度行っても、いつも緊張するところです。
Hartzell Propeller Wrenchの登場です。
MTV-9-B-CのMounting Boltsの規定Torqueは90-100 ft-lb(300HPを超える場合)。
これまで、PropellerのMounting Boltsの締結では、高いTorqueのためにWrenchが広がって滑ったり、外れて怪我をしそうになったりと苦労していましたが、この「Hartzell Propeller Wrench」は剛性が高く、作業効率が格段に違います。
ご覧の通り、楽に作業が行えます。
Hartzell Propeller Wrench
http://www.averytools.com/prodinfo.asp?number=3528
Safety Wireの取り付け。
Boltの穴の向きが悪いと、Safety Wire(安全線、緩み防止のため)の取り付けで苦労します。
時は21世紀。そろそろ、何かよい設計にはならないものでしょうか?
取り付け終了です。
相変わらず美しくありませんが、機能には影響ありません。
などと言っているので、いつまでたっても苦手な部分です。
などと言っているので、いつまでたっても苦手な部分です。
取り付け後、地上試運転を数回行いましたが、相変わらず漏れが続きます。
しかし、隙間に残ったGreaseかもしれませんから、試験飛行も行ってみます。
2013 IAC Sportsman Category Known Sequence
ただ飛ぶのでは面白くありませんので、2013年のSportsman Knownを飛んでみます。
試験飛行には丁度よい素材です。
6番のHorizontal EightはK-Factor(難易度)が高く、ここが勝負の別れるところでしょう。
2013 Sportsman Known
最大出力330HP@2700rpmのPower PlantをFullに使ってしまっては参考にもなりません。
MAPを最大20in-Hg/2500rpmに、そして最大+4G/-1Gに抑えての飛行です。
通常のPitts S-2B/S-2Cとほぼ同等の性能と思われます。
2013 Sportsman Known Outside
帰るのはまだ少し早いと思い、今度はこのSequenceをOutsideで飛行してみます。
-3G程度で、無理をしないように・・・。
しかし、途中まで行ったところで、Engine OilらしきものがCanopyに見え、中断して帰ります。
どうやら、Propeller内部でもLeakが発生しているようで、修理に出すことになりました。
大きな問題にならなければよいのですが。
実は、1番目の動画では間違いがあります。
おや?と思った方は、曲技飛行競技でJudge(審判)をいかがでしょうか?
9月の全日本曲技飛行競技会でお会いしましょう。
ご連絡お待ちしております。
追記: 上記の間違いは故意ではありません。
最後で気を抜いてしまったのか、本当に間違えてしまいました。
競技者の皆様、本番でこんなことにならないよう、どうぞご注意を!
10 件のコメント:
あはは♪
A&P Mechanicの方でもトルクレンチで緩めちゃったりするんですね。
なんか、ちょっと安心したり。
校正が大変そうですが、飛行機用は緩めも締め付けも両用なんでしょうか?
ふくねこさん
全ての締結でTorque Wrenchを使うことはありませんが、このような重要な部分では必須ですね。
航空整備でも使用しているのは一般のTorque Wrenchですよ。
私はSnap onの200-1000in-lbと、40-200in-lbの2本で通常の作業をして、遠征用にCraftsmanのものを1本持っています。
ほとんどがそうかと思いますが、左回転でもTorque Wrenchとして機能しますね。
40in-lb以下の作業のために、台湾製の安いTorque Wrenchも購入しましたが、こちらはTorqueがかかったときのClickの感覚が甘く、いまいちです。
がんばれ、台湾!
がんばれ台湾ですか。 今夜の台湾は頑張ってましたよ。 日本は負けたかと何度思っただろうか。 1インチでも台湾の選手層が厚ければ負けていただろうな、、、と思ったWBCの試合でした。
プロペラは仕組みの理屈が理解出来ても、修理となると想像が出来ない世界です。Greaseだけでなく、Engine Oilもですか、、、こりゃ大変ですね。このままブレードの交換まで行っちゃうんですかね。
しかし、100 ft-lbsですか。普通のレンチだと50キロぐらいの馬力で回さないと駄目ですね。私なら1m以上の長さが有るトルクレンチを探してくるかな。それぐらいの長さが無いと私には馬力が無いです。
「おや?と思った方は、曲技飛行競技でJudge(審判)をいかがでしょうか?」
これには私は当てはまりません。
が、
実はSequenceの表って言うんですかね?あの飛行図が読めません。 Blogの目的から離れてしますかも知れませんが、チャンスがあればBlogで、見方・読み方の説明も考えて下さいね。
CFI-Japanさん
日本対台湾戦は映像で見ることはできませんでしたが、素晴らしい接戦だったようですね。
実力は五分五分、台湾も点数差で負けただけと思います。
なるほど。
Internet上に、「曲技飛行競技審判の基礎」として、ジャッジスクールに出席する方々への準備資料を掲載したいと思っていました。
これまでは、全日本曲技飛行競技会の直前の半日で全てを説明していて、8時間の制限では無理がありました。
予め準備ができるように、このBlog上で行ってもいいかもしれませんね。
短期決戦での実力は、5分5分ですね。
余裕で勝って欲しいと思う相手ですが。
その点では次のオランダ戦も気になります。
ブラジルと台湾には余裕で勝って欲しいと思ってましたが、、、、、良い試合になった。
んで、その台湾はさっきキューバにコールド負けしてました。 うーん。
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個人的には8時間での説明をブログ上でとまでは思いませんが、、、
あの表の読み方だけでもと思います。
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>「曲技飛行競技審判の基礎」として、ジャッジスクールに出席する方々への準備資料を
物が有るのなら、PDF化して、それをアップすると楽ですよ。
協力出来る事があるなら言って下さいね。 CFI Japanの経験で協力したいと思います。
CFI-Japanさん
Power Pointで作成した、ジャッジスクール用の資料がありますので、これを少し変更して載せてみます。
資料としてはそれほどの量ではないので大丈夫です。
しかも、20-30回分の更新に使えて、正に一石二鳥ですね。
ご協力ありがとうございます。
いずれ、JAC(Japan Aerobatic Club)のHPに掲載したいと思います。
お世話になります。
データ化されてるのでしたら話は早いですね。
必要な時はご一報を。
最後の方であれっ?と思いましたが、やはり1番目の動画はそうだったのですね。
ただ、その場合#9、#10共にHZとして扱って問題ないでしょうか?
#9にLong line before扱いで大幅減点して#10もNo line between figuresで減点、とする事も出来そうですが…。
判断が分かれそうなので見解をご教授願えればと思います。
白鳥さん
おっしゃるように、一般的には、9番と10番をHZ(Hard Zero: 誤った飛行として、該当するFigureを0点とする処置)としてよいと思います。
しかし、仮に映像を見せたとしても、頑として意見を変えない方も現実にはいらっしゃるようで、競技飛行の暗い部分を見た気がしました。
Figure9の問題の部分(3分22秒あたり)で、LoopとRollの部分を計測すると、約2秒半です。
現在のところ、「何秒以上のLineはHZ対象」という判定基準はありませんから、Lineが見えるとして減点(少なくとも1点)か、「Lineが長すぎて、異なる2つのFigure」としてHZと思います。
さすがに、2.5秒はLineとしても長すぎるので、9番はHZでしょうね。
10番は途中で停止が全く見られませんから、1/2 Roll+1 Rollというより、1 1/2 Rollとすることが一般的と思います。
「思う」というのは、この機内の映像よりも、重要視するのは地上から見てどうかですから、何らかの現象で停止が見えたら得点となるでしょう。
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