今週は日本から大西さんが訓練にいらっしゃいました。10代のころから滑空機にお乗りになり、曲技飛行、スカイダイビング、様々なスカイスポーツに挑戦されていらっしゃったそうです。こちらアメリカでの曲技飛行競技会や、再開が望まれる全日本曲技飛行競技会にも参加したいとのことでした。心より応援します。
T-6の飛行も楽しんでいただけました。
Kenさん、協力ありがとうございます。
操縦桿の位置と迎角の関係
(訂正: 誤ってVsoと書きましたが、Wing FlapsのないPittsを参考したので、正しくはVsでした。)
当然のことながら、飛行機や滑空機は-G側でもStallします。特にHigh Performance Aerobatic機では、+Gと-Gの両方の領域で、安全にSlow FlightやStall、そしてSpinを学ぶことができます。言い換えれば、その領域まで到達する可能性と、安全に飛行を行える性能を持っているということでもあり、飛行士は熟知していなければなりません。
操縦桿の位置と飛行中の迎角は、機体総重量、C.G.位置、推力、対気速度などによって変化しますが、ほぼ一致することを図で示してみました。飛行機は速度が遅いために失速するのではなく、また前触れもなく、ある時突然Stallするということでもありません。Critical Angle of Attackを超えた状況、これがStallであり、飛行士の操縦操作があって起こる現象です。
話題は変わって、PittsやExtraでのEngine Startの方法について。飛行機のEngine Start時の厳守事項は、1. Brakeをかける、2. Throttle LeverやMixture Leverを保持する、3. 外部の安全を確認する、4. 掛け声や合図で\始動を知らせ、安全を再確認する、などです。
尾輪式飛行機ではさらに操縦桿を後方に保持して、Prop Hitを防ぐためにTail Down Forceも確保します。「手が足りない」と言われますが、工夫すればどうということはありません。私はFuel Injection Engineの機体では、Mixture Leverに手を添えて行いますが、上の写真のように、右肘や、小柄な方は右手首付近で操縦桿を保持して、空いた右手でMixture Leverを操作できます。
「Engine Start後は、まず回転数の調整が大切。Mixture LeverではなくThrottle Leverに手を置くべきだ。」という意見も聞かれます。私も賛成です。でも、だからと言ってStick Backをしなくてよい訳ではありません。少し距離が遠くなりますが、ご覧のように、Throttle Leverにも難なく手が届きます。後は、左手で写真左上のIgnition Switchを操作するだけです。
Extraではどうでしょうか。整備中のExtra 300Lにお邪魔して試してみました。
右腕でStick Back、Mixture Leverを右手で操作。できました。
Throttle Leverへも難なく手が届きます。
左右の腕が交差しますが、計器盤の右側にあるIgnition Switchを操作して、「Clear Prop!」
この機体は計器盤の右側にIgnition Switchがありますから、右肘でStick Backすることもいい案です。
この方法なら、左手に余裕があるため、Mixture LeverとThrottle Leverを同時に操作することも難しくありません。
教育の基本の一つに「首尾一貫していること」があります。現在、Cessna 152や172などの前輪式飛行機で技能証明を取得し、その後尾輪式飛行機へ移行訓練を行うことが一般的ですが、Cessnaなどの訓練で「飛行機の基本」として伝えることは、そのまま尾輪式飛行機にも当てはめるべきではないでしょうか。尾輪式飛行機は操作が増えるから、もうすでに初心者ではないから、省略していいということはありません。このBlogを通して、気付いたところを少しずつお伝えしていきます。
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