2013年8月15日木曜日

ジャッジスクール 106-9

フィギュアの構成上の注意

オプショナル ロールとマンダトリー ロールの記号があるところにロール コンポーネントを加えることができますが、どんなものでも、いくつでも加えられるという訳ではありません。そこにはいくつかの決まりがありますので、説明をしておきます。


1. それぞれのオプショナル ロールとマンダトリー ロールの記号のところに加えられるロール コンポーネントは2つまでです。



1/2 ターン エルロン ロール+1 ターン エルロン ロール
2つのロール コンポーネントの組み合わせですから、合格です。



1 1/2 ターン エルロン ロール+1 ターン エルロン ロール
これも2つのロール コンポーネントの組み合わせですので、合格です。
〈注意〉矢印が3つありますが、2つのロール コンポーネントとして扱います。



1 ターン ポジティブ スナップ ロール+1/2 ターン エルロン ロール+1 ターン エルロン ロール
3つのロール コンポーネントを加えていますから、認可できません。



1 ターン アップライト スピン+1 ターン エルロンロール
2つのロール コンポーネントであり、合格です。



1 ターン インバーテッド スピン+1/4 ターン エルロン ロール+1 ターン エルロン ロール
3つのロール コンポーネントの組み合わせとなり、認可できません。



2. 同じ型のロール コンポーネントが継続されることを示すため、同じ方向への、同じ種類のロール コンポーネントは、記号の上部を線で繋ぎます(リンクさせる)。



2 ターン エルロン ロール
360度 X 2で、合計720度の連続したエルロン ロールです。
合格です。



1 1/4 ターン アップライト スピン
1回転と1/4回転(360度 + 90度)の連続したスピンです。
合格です。



1 ターン エルロン ロール+1 ターン ポジティブ スナップ ロール
異なるロール コンポーネントですから、このようにリンクはさせません。
この場合は、次のようにリンクさせずに構成してください。



異なるロール コンポーネントの組み合わせであり、合格です。


3. 同じ方向へ回転するロール コンポーネントは、異なる種類のものを組み合わせます。



1/2 ターン エルロン ロール+1/2 ターン ネガティブ スナップ ロール
同方向への回転ですが、異なる種類のロール コンポーネントですから、合格です。



1 ターン エルロン ロール+2 ポイント ロール(180度で一時停止する)
2 ポイント ロールも同じエルロン ロールの一種ですから、認可できません。



1 ターン ポジティブ スナップ ロール+1 ターン ネガティブ スナップ ロール
どちらもスナップ ロール としては同じであり、認可できません。
〈注意〉このネガティブ スナップ ロールの記号は黒く塗りつぶされていますが、先の赤く塗ったものと同じ意味です。白黒の印刷では黒に、カラーでは赤になります。)



以上で、アレスティ カタログの基礎に関する説明は終わりです。「この数字は何を意味しているのか?」、「どうやってフィギュアが出来上がるのか?」など、疑問を解消するために説明をしてきましたが、実務もなく、このBlog上の説明で、全てを理解することは 難しいことと思います。しかし、全日本曲技飛行競技会のジャッジには、競技者が作成したフリー シークエンスの確認と承認などに関する業務はありませんから、これらフィギュアの構成に関する知識がなくても、次に説明するフィギュアの判定基準と採点方法さえ理解して頂ければ、ジャッジングは十分に可能です。

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