・ バーティカル ライン(垂直ライン)は、鉛直線とZLA(Zero Lift Angle、無揚力角)が平行にになったときの判定します。
・ 機軸の角度は判定基準ではありません。主翼のZLAが対象となります。(下図参照)
・ 風による航空機のドリフトは判定基準に影響しません。フライト パスが垂直を維持していなくても、ZLAを維持している限り減点は与えません。
・ バーティカル ラインから5度ずれる毎に1点(5度=1点)の減点を与えます。
バーティカル アップ ラインを飛行する航空機
航空機によっては、機軸と主翼の翼弦にある程度の取り付け角が存在していることに注意してください。上の図の2機の航空機はどちらもZLA正確なバーティカル ラインを維持していると判定します。
<簡単な航空力学 / ZLA(無揚力角とは?>
主翼はAOAと対気速度があるときに揚力を発生しますが、AOAが少なくなれば揚力は減少し、ある角度で消失します。この角度を無揚力角、ZLAと呼びます。航空機が等高度で水平飛行をする場合、揚力の発生は必須ですが、垂直上昇と垂直下降時には揚力は不要です。例えば、ボールを垂直に上に投げて、続いて真下に落ちてくるような運動をさせるとき、ボールに揚力は不要であることと同じです。航空機も同じで、バーティカル ラインを飛行するときは、揚力は不要ですから、ZLAでの飛行が必要となります。しかし、実際のZLAは主翼の翼型毎に異なり、厳密には競技機の機種毎に覚えて判定に備えなければなりません。これでは曲技飛行競技の判定は困難を極めます。一般的な技法として、主翼の翼弦(前縁から後縁までの線)が鉛直線と平行であれば、無揚力角で飛行している、つまり正確なバーティカル ラインを描いていると言うことができます。
45ラインの判定
・ 45ラインは主翼の翼弦がZLAから45度の角度であることで判定します。
・ 機軸の角度は判定基準ではありません。
・ 風による航空機のドリフトは判定基準に影響しません。フライト パスが45度を維持していなくても、主翼の翼弦がZLAから45度の角度を維持している限り減点は与えません。(下図参照)
・ 45ラインから5度ずれる毎に1点(5度=1点)の減点を与えます。
45アップ ラインを飛行する航空機
風の影響を受けると、フライト パスが45度から変化しますが、判定基準には影響しません。
また、フライト パスの変化によって、45ラインがずれているように錯覚することもありますから、注意が必要です。
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