2013年8月28日水曜日

ジャッジスクール 107-9

2. 180° コンペティション ターン

一般的には略して「ターン」(turn、旋回)と呼ばれますが、通常の旋回と区別するためにあえて「コンペティション ターン」と表記しました。旅客機に乗客として乗っているときを想像していただくとわかるかと思いますが、通常、旋回はロール イン(roll in、旋回方向へ機体をバンクさせること)が行われると同時に旋回も開始し、ロール イン、旋回、ロール アウト(roll out、バンクした期待を水平に戻し、直線飛行に移行すること)は常にコーディネーション(coordination、釣り合い)を保って行われます。対してコンペティション ターンでは、ロール イン、ターン、ロール アウトと分けて行われます。



180° コンペティション ターン


a. ホリゾンタル ライン
主翼を水平に、ヘディングと高度を保ったホリゾンタルラインを飛行します。この場合はアップウィンド(ジャッジラインから見て、左から右へ)から開始します。

b. ロール イン
コンペティション ターンに向けて、旋回する側へ少なくとも60度のバンク角を確立します。ロール インでのロール レートは一定で、かつ後のロール アウトと同一であることとされていますので、確認してください。また、ロール イン中はヘディングと高度は保持します。もし、ロール インの途中でターンが開始したり、ヘディングがずれてしまった場合は、5度=1点の減点が行われることは言うまでもありません。

c. ターン
ターン中は一度確立したバンク角を保持し、一定の旋回率で旋回します。ここでも高度は保持しますが、風の影響から旋回半径は変化しても判定には影響しません。

d. ロール アウト
指定された角度の旋回を終えたら、旋回を即座に停止し、そのヘディングを保持した状態でロール アウトを行って主翼を水平に戻します。ここでのロール レートは先のロール インと同じであることとされています。

e. ホリゾンタル ライン
アップウィンドから180° ターンを遂行すれば、終了したときはダウンウィンドに向かっているはずです。



3. リバース ハーフ キューバン



リバース ハーフ キューバンの表記の種類


今回のB用紙のシークエンスでは、リバース ハーフ キューバンは上の1のように描かれていますが、2のように描かれている場合もあります。一見異なるフィギュアに見えますが、シークエンスの表記上の理由で異なるだけで、内容はどちらもリバース ハーフ キューバンです。



リバース ハーフ キューバン


a. ホリゾンタル ライン
以降は、ヘディング、高度、主翼が水平であることなどの説明は省きますが、ホリゾンタル ラインの判定は他のフィギュアと同じです。

b. 1/8 ループ
アレスティ カタログでは、ここは鋭角状に描かれていますが、表記のルールとして、「180度未満のパーシャル ループ(1/8、1/4、3/8)は曲線は用いず、直線を組み合わせて描くとされています。急激なピッチ変化を用いて、角のある飛行をしなければならないという誤解を受けることもありますが、一定の半径を保ったパーシャル ループであれば、どのような半径でも許容されます。

c. 45 アップ ライン、アップライト
45度の角度は主翼の翼弦で判定します。風が強いときなど、フライト パスに惑わされないように注意してください。また、1/2 ロールの後の45 アップ ラインはここと同じ長さでなければなりませんから、長さを確認し、覚えておくようにします。

d. ハーフ ロール(1/2 ロール)
45度のピッチ角度を保ったまま、ハーフ ロールを行って180度姿勢を変化させます。ロール レートは一定で、ロール中もヘディングと45度のピッチは保持します。

e. 45 アップライン、インバーテッド
再び45 アップ ラインですが、ここの長さは1/2 ロール前と同じでなければなりません。判定基準は以前説明した通りです。

f. 5/8 ループ
一定の半径を保ってパーシャル ループを行います。1/8 ループと5/8 ループは同じ半径でなくても許容されます。

g. ホリゾンタル ライン
飛行方向を180度変化させ、再びアップウィンドに戻って終了です。

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